昼飯
かくして昼休憩の時間がやって来た。
シンヤはいつものようにコンビニにつっ
走らなくてもよくなり、お目当ての惣菜パンがなかったなどとぐったりして戻って来て愚痴らなくても済むこととなった。
俺がヒナタの作ってきたお弁当をあげたから。
「俺はふたつも食えないからな、
しょうがないよな」
自分を納得させるように呟き、
シンヤは
「まぁ、本当はお前がもらったんだから
お前が食うべきだとは思うけど距離感出さなきゃいけないしな」
「そうそう。
嫌われるくらいにならなきゃいけないんだろうな。だから、敢えて食べない」
そんな理由もあるが。
母さんが作る、安定した母さんの味。
ヒナタのは未知数。
俺は母さんの作ってくれた弁当の蓋を開け、
シンヤはシンヤで、
ヒナタが作ったお弁当の蓋を開けた。
「おっ..」
シンヤがそんな声をあげたので、
俺はちらっと視線を流した。
どんな出来栄えなのか。
距離を置かなくてはいけないが、そうはいっても
気になったからだ。なんで俺なんかにと思いつつも気になるじゃんよ。
2段のふつーの白いお弁当箱だったのだが、
片方にはおかかごはんと
もう片方には..
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