悔恨
「…っっ!!」
幼馴染ヒナタは悔しそうな顔をしてた。
その表情の意味は男である俺には理解できない。
「と、とにかく
お弁当置いていくからシンジ食べてよね?
本当は屋上で一緒に食べたかったケド..」
俺は食べたくない。
藤島のやつに見られたら殺されかねない。
「はぁ!?あんた何言ってんの?」
マドンナはヒナタに罵声を浴びせ、
ヒナタはそれを受けて逃げるように教室から出て行った。そのすぐ後、
ホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴り、マドンナもヒナタの後を追っていなくなった。俺はやれやれƪ(˘⌣˘)ʃ
と思った。
女二人が火花を散らし、俺は巻き添いを食った。シンヤも居心地の悪そうな顔をしてて
二人がいなくなったことに安堵のため息をついてた。
「女の喧嘩ってこえええなぁ。俺は母ちゃんと父ちゃんの喧嘩ならしょっちゅう見るけど、
今の現場、迫力は両親の喧嘩より有ったな」
「シンジは火中の栗を拾う、の栗の状態ってとこか…」
「まぁ、火中のなかの栗なんじゃね?
よく分からんが。ま、そんな風刺画あったよな社会科の資料集に」
「急にモテる男は羨ましいぜ。
しかも、どっちも美少女ときた」
「おい。先生が来る前に言っとくけどな、
てか、この、ヒナタが置いてったお弁当食べていいからな、シンヤ」
「え、俺が!?」
「ああ。だって、おまえ、今日、
コンビニ飯だろ?机の傍を見るにつけ、お弁当持ってきてないみたいだし。しかも、例によって買いに行くだろ?いいじゃん、食えよ。浮いた金でゲーセンで遊べばいいじゃんか!!俺はゲーセン行きたいけど、
勉強の為に遊ぶの我慢するんだからな。
ひとりで楽しんできてくれていい」
「シンジ、すげー。
勉強に目覚めちゃった系か…!!
あ、あと、ありがと。
俺、コンビニのおにぎりより、取り敢えず
手料理みたいなもんが食べたかったんだよね!ほらー、やっぱり、コンビニ飯は味が濃いし、添加物とか入ってるだろ?油も悪いやつ使ってるから肌にも悪いと思うんだよね」
「そうだな。ほら!これやるよ。
美味いかどうかはしらねぇぞ。何しろ、家庭科の成績あんまりよくない女が作ったやつだからさ…」
「きっと、冷凍食品の詰め合わせかも
しれないし、、、」
俺はこの場に居ないとはいえ、ヒナタに対してかなり失礼なことを口走っていた。
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