親友

「確かにチャンスだよな。俺が彼女をつくっちまえば、藤島だって何も言えないよな。

ヒナタから距離を置いて、更に女も作ったらその彼女が防波堤みたいなもんだろ、、

彼女ができちまえばさ...」


「そうそう、そうだよ! 

とっとと氷室レナに電話をかけて番号交換したことにしろよ...!早い方がいいだろ。

防波堤を作るんならさ!」


「たださ、これは非常に言いにくいんだけどさ...」


「え」


「氷室さんと一緒にいたらちょっと俺が疲れると思うんだよね。

そのなんつーか隙がないじゃん。

いや、その、ヒナタはこう、、一緒にいても気楽だったわけよ。髪の毛ボサボサにしてても

服装ちょいダサめにしてても特になにか言ってくるとかないわけよ。

でもさ、氷室さんは幼馴染よりも美少女なわけで、、その、、美少女過ぎて疲れる系、

だと思うから、こっちから連絡はやめておこつと思うんだよね。取り敢えずハンカチは持っておくけど、洗濯もしとくけど。母さんに頼んでアイロンもかけてもらって、明日、学校でなんか言われたらさり気なく渡せばいいかなと思ってさ...」


「は?俺ならな、俺がシンジなら、な。

そんなじれじれなことしない。幼馴染、橘ヒナタは語弊があるけど、

藤島にくれてやってそれで橘ヒナタよりも

いい女の氷室レナと付き合って、

もし幼馴染、橘ヒナタが俺のこと好きなら存分に後悔させる、そういう

筋書きにするぞ...!!!」


「シンヤはさ、前から氷室レナかわいいとか

言ってたもんな、告白したいって言ってたもんな...」


「そうだよ。俺なら迷いなく氷室レナと

付き合うね、俺がおまえなら、ね!」


やや語尾を荒げてシンヤは。

電話を切ろうとしてるのが感じ取れた。


「今ちょっと、よく考えたんだけどさ。もうちょっと防波堤を作るのは待ってみる。

勉強は取り敢えずするよ。明日から真面目に図書館に行く。ヒナタが図書館にいたらその場から逃げて速攻家に帰って勉強する。

居なきゃまぁ、クーラー効いてるからそこに

二時間くらいいて定期考査に備えようかな、と」


「煮え切らない男だなお前は...」


シンヤはため息を吐き、

電話を切った。


まぁ、俺が氷室レナと付き合わない理由は。

深く関わろうとしない理由はさっき言った理由とあとはシンヤのことがあった。

俺なりにシンヤに気を遣って、

氷室レナのことは寄ってきても軽く流そうと思っているのだ。

シンヤの奴が氷室レナにぞっこんなのは、

言葉でこそ聞いてないが、しょっちゅう氷室のことを可愛い可愛い言ってるとこを見るにつけここに書かずもがなって感じなのだ。


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