桜色
「俺の携番なんか聞いたって何にもならんっしょ...?」思わず口から出た本音。
俺は底辺陰キャ。
学園カースト最高位のマドンナ様との会話は今日限りで別にオッケーなわけで。
これ以上多くは望まない。さっきだって
不用意なボディータッチされたし。
「うっ....」
呻き声なんだけどかわいい声を出し
「ちょっと待って。私に教える気はないってこと、、?」
と不安げな上目遣いをしてきた。
俺の方がやや身長が高い。だからこその上目遣い。
「うんまぁ。今後は必要ないかなって」
「へ、変ね。男子はみんな携番聞かずとも
これ、俺の携番だから困ったら連絡してよとか電話してよ、とか暇だったら電話してよとか言って強引に私に携帯の番号を紙に書いたりして教えていくのに、あなたは教えていかないってことなの...?」
「うんまぁ」
俺のスマホにある女子の携番はヒナタのみ。
あと、男子はシンヤのみ。ヒナタのやつには
もっとも、もう俺からかけることはないと思われるが。
「ちょっと初めてのタイプね...」
「仕方がないわ!こ、これ、私の携番だから!遠慮なくかけてきて!」
強引に、俺はピンク色のメモ用紙みたいなものを渡された。速攻でボールペンで走り書きしてた。
紙には
「氷室レナ 090-xxxx-xxxx」
「じゃ、また明日!
山吹シンジくん!」
俺の胸元にとんっと右手を置いてから
くるり向きを変えて
満足気に帰って行った。
ちょっと前に初めて会話したばっかなのに、
ボディータッチが激しい感じだった。
俺は現場に残されたが、
氷室さんの物と思しき、桜色のハンカチが落ちていてそれを拾うべきかどうか迷っていた。
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