喧嘩

「俺、実はそこそこ強いんだよね...」


できれば口頭の交渉で不良達が怯んでくれたらそれでいいんだ。そう思いつつ、こう言ってみたのだが、どうも見た目が強そうじゃないばっかりに不良どもに、


「はぁ!?おまえ、何言っちゃってんの!?

大してガタイがいいわけじゃなし、そのボサボサの黒縁眼鏡の陰キャ風貌でなに、カッコつけちゃってんの!?」


「嘘つくなって」


上記は子分共のセリフ。


まぁ、そうなるよな...。

人は見た目が9割と言われている。

今は典型的どインキャな外見ゆえ、そう

切り返されるのも想定の範囲内。

だが、俺的にはあまり空手技を一般人に使いたくない。見たところ、三人の不良集団は根性のみの喧嘩。俺くらいに場数を踏んでいると目の前の人間が強いか弱いかなんて、身体つきや身のこなしを見れば大体想像がついてしまうんだな。


「おまえ、その言葉、ハッタリだろ...?

どっからどー見てもおまえなんかがそこそこ、でも強そうには見えないな。

わっるいけどー、俺、格闘技経験あるんだよね。一応、キックボクシングやってたからさ...」


「ふーん...」


不良の親玉のセリフだった。

それに対して、


思わず出てしまった素っ気ない、ふーん。

これがどうも彼らのカンにさわったらしい。


「秒でやっちまいましょう!」


「そうだな」


「俺らのことナメやがて...!

陰キャの分際で、たてつくなってんだ」


この時点で、俺にハイキックをぶちかまそうとしてきたのはリーダー格。


取り敢えず、これでマドンナは解放されたから

それで一先ず安心だけど。


さーて、仕方なく本気を出すとしましょうかね。

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