忘却

「...そうだな。おまえは朝寝坊するか、

通常通り起きても、さっきの橘ヒナタの朝、呼びに来てなんてお願い事は忘れたことにして、そそくさと学校に向かっちゃうのがいいな..」


「そうだよな、そうしよう!」


「明日はヒナタのやつからお弁当が届けられたりとか憂鬱だが、欠席はダメだし、もし何かトラブってもさシンヤがさっきみたく風よけの役割を果たしてくれたらそれでいいっつーか」


「ええー、俺的にはかかわりたくねぇけどなぁ。男女の恋愛トラブルに巻き込まれるのはごめんだぞ。てかさー、思ったんだけど」


「ん?」


「橘ヒナタから距離を置きたかったらさ、もういっそ、おまえ彼女作っちゃえばよくね?」


「あ!それか!そしたらあれだな。

ヒナタを藤島にとられた寂しさも紛らわせるし、ヒナタのことも牽制できるし、一石二鳥ってことだな...!」


「そうそう!まさにその通りだよ...」


「でもさ。陰キャの俺がそう簡単に彼女ができるわけがないよな...」


「いや、そうでもないぞ、シンジ。

おまえはもともと小学生の頃、頭がよくて神童って呼ばれてたって昔、噂で聞いたことあるし。頭のいいやつはモテるだろ。

俺、テレビで見たんだ。めっちゃ陰キャな東大生に女が群がっている様を...!!!シンジはとにかく

本気を出せばいいわけなんだろ。そしたら、藤島や

橘ヒナタと来年のクラス替えには同じAクラスになれるかもだし、、」


「んー、まぁ距離を置かなきゃいけんからな。Aクラスにはなっちゃだめだろ。少し勉強して

AクラスにはなれなくてもBクラスになっときゃいいだろ...そしたらそこそこ優秀だってことになる」


俺らの学園は。

成績順にクラス分けがなされていた。

ちなみに、今は俺とシンヤは最下位のクラスでFクラス。藤島と幼馴染のヒナタはAクラスだった。Aクラスに行ったら一緒になっちまうからアレだけどBクラスなら藤島のやつに最底辺なんて言われないわけだし、女子からも一目置かれるだろうな。俺はそう考えて、

今日からゲームをやる時間を減らしてちったぁ勉強に精を出すかな、なんて心に決めたんだ。



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