突撃

「明日から屋上で私と一緒に飯を食わないか?

というのもおかしな話だしな...」


「だよな...。藤島とやらと食べるべきだよな...」


「もし、明日からおまえが橘ヒナタと屋上で食べるってことは俺は教室で一人で飯を食うことになるわけだな...」


「そうだな。俺がヒナタと食うことになったらな。シンヤ、まぁ、安心しろよ。

俺が屋上で飯を食うなんてことはしない。

だって、あいつの彼氏でもなんでもないんだから。明日もここで、母さんが作ってくれたお弁当をおまえと食べる。それでいいだろ...」


「おう」


俺たち二人は空になったお弁当箱の蓋を閉じ、包んであった布をきゅっと縛った。

いつもの光景。

と、ここまでは良かったのだが。

お昼休み終了間際、ヒナタの奴が俺らのクラスに乗り込んできたのだ。

そして、俺の前にきて言う事には。


「シンジ!明日のお昼なんだけど!」


「あん?」


顔を上げ、ヒナタの顔を直視する。

すると、ヒナタは変な事を口走り始めた。


「明日はお弁当を持って来なくていいからね!」


「は?」


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