とりあえず重要キャラは生かしとけよ!
ガラスを壊して突如飛び込んできた人形により教室は半壊し、クラスのみんなはウジの如く殺されていく、その光景のえげつさや、血肉の血しぶきは天とぷらの居る廊下まで響いた。
「そんなん現実であるわけないやろ」
「なっとる!やろがい!!」
天は廊下にあるバックから水筒を取り出して、両手で握りバットのように持つその行動の速さは対応速度が速いと言う言葉では物足りないほど速く、自滅の刃の世界線ならば骸抱き作法時先生から拍手がきたであろう。
「なんで!?戦うとかおかしいって!!?」
判断が遅いぷらは天にそう小声ながら必死にやめとけと伝える。しかし虐殺漫画王(自称)はそう言ったあと自分の行動の愚かさに気づく。
そう、ここはもう日常ではなく惨殺系世界。
一足先に逃げたやつは大体むごい形で死んでしまうのだ。
ぷらは軽く舌打ちしたあとに唾を吐き、ほうきを二刀流で持って戦闘態勢に入る。
「この展開はまじ〇る!ロッカーに入ってる女の子がキーになる!!魔法少女はステッキを狙え!!」
「すごい!俺たちなんかカッコイイ!!」
「言うてる場合か!!」
天とぷらは一斉に窓から教室に飛び込む。そして人を殺し尽くした魔法少女にむかい獲物を向ける。
天とぷらは戦いなどした事がない、暗黒時代(中2)の時にデュクシ!と言って遊んでいただけのベビベビベイベベイビーにすぎない。
ーーーしかし、その2人でも出来ることはあるのだ。
「おらっ!!おらっ!!」
「うらっ!うらっ!!」
ーータコ殴り。それは力のない者の最大の武器であり、序盤で死ぬヤンキー2人組の行動である、まさに天とぷらは死ぬやつのテンプレであった。
(……あかんやん!!!)
天は水筒で魔法少女の頭を殴り飛ばした後、大谷の法則で水筒を投げる、音速を超える速さ(蟻が歩く程度の速さ)で投げられる水筒は魔法少女の頭をすこしだけ潰す。
「まぢがるっ」
「ないす天!!俺にまかせろ!」
ぷらはモンハンで習った二刀剣の使い方でステッキに怒涛の攻撃を叩き込む。
ーーーバキッ
「ないすぷら!!いい音なったわ!!」
天はその音を聞きぷらに抱きつく、ついに弱点を壊したのだと、助かったのだ、と………しかしぷらはあまり喜んでおらずそれどころか抱きついている天の頭をたたいて賢者のような笑みを浮かべながらほうきを見せつけた。
そのほうきは折れていた、さっきの音はステッキが壊れたわけではなくほうきが壊れた音だったのだ。
「ほうき…壊れちゃったなぁ」
「……つまり??」
「逃げた方がええなぁ」
天とぷらは抱きつきあった状態でそのまま廊下目掛けて走りだした、その様子はまるでムカデのようで、周りに人が居たなら悪い意味で魅入ってしまうであろう動きで高速移動をした。
…しかしここは残虐世界である。
もちろんそのまま逃げるなんて愚の骨頂、途中で背中をやられると相場が決まっている。しかし天は秘策があった
「ロッカーどぉぉん!!」
天はそう言いながらロッカーを開ける、すると中から女性が驚きながら飛び出てきた。
「えっ!?えっ!?なんで!?」
本来なら魔法少女を倒した後にロッカーから出てくるキーキャラがいる。
そのキャラを
ロッカーから出して
魔法少女にぶつけた
パアンという弾ける音と共にそのキーキャラは爆発四散してしまう。その血肉が飛び散り、魔法少女の目を奪っている間に廊下に出た。
「何してんの!?何してんの!?」
ぷらはまじ〇るの漫画をリピして見ている為にキーキャラの重要性がわかっていた。その最後まで生きてるはずのキーキャラを囮に使った天の行動を咎めて大声で叫んだ。
「いたしかたなし」
「助かったけど絶対そのキャラがヒロインである漫画の主人公からヘイト買っちゃったやん!?」
「いやーこっからどうすっかなぁ!」
天とぷらはそう軽口を叩きながら廊下を走った。
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