山道を登りながら・・

私のこのエッセイのタイトルは「山道を歩きながら」なのだが。

「山道を登りながら」と始まる作品がある。それは言わずと知れた夏目漱石の「草枕」だ。


***山路やまみちを登りながら、こう考えた。

智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。***


これが草枕の有名な冒頭部分だが、実に銘文だと思う。

・・地に働けば角が立つ・・

理屈どうりにやろうとすれば角が立つというのだ。他人から見れば融通の利かないやつという事だ。


・・情じょうに棹さおさせば流される・・

棹さおさせばとは、流れの方向に進めるという意味だから、感情論で生きれば自分を見失うという意味だろう。


・・意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ・・

これは誰でも覚えの有る事で、かたくなに意地を張れば自分自身が窮屈な思いをするという事だ。


・・とかくに人の世は住みにくい・・

これは明治の話なのだが、いやいや令和の世でも人付き合いは難しく、とかく人の世は住みにくい。兎に角とかいう表現は最近使わなくなったが、「大体にしてとか、ともすればとか」使う場面によってニュアンスが変わる言葉だ。


「人の世は何処に越しても住みにくいという事を悟った時、詩とか芸術とか文学が必要になる」・・というような結論へ話を導いていくのだが・・

それはまあ、夏目漱石の自画自賛に引き込んでいる分けで・・(笑)

私はあまり感心しない。

そのあたりは置いておくにして・・


私は本年も山道を歩く。




**追記**


この作品は画像リンクが前提で執筆をしています。

アプリで見ている方は是非ウエブサイトから読まれることをお勧めします。


https://himeco.xsrv.jp/sbottle/0/index.html


こちらから入れば私の作品が整理されています。

よろしく(^_-)-☆

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