第22話 大逆転の、マスク!無駄遣いだと思われていたアレが、大好評!世の中、何がどうなるか、わかったものじゃないよ。

 もちろん、マスクは、コストが低ければお得ですよっていうことじゃない。問題は、どれだけ、身体を守ってくれるのか?

 「困りますよねえ…」

 「何ですか、サヤさん?」

 「金の無駄遣いといわれても仕方のないようなマスクもあるんじゃないのかと、思います」

 「…」

 「しかし、意外な、逆転?」

 「サヤさん?」

 「はい」

 「そもそも、無駄だと思えるマスクとは、どういうものをいうんでしょうか?」

 「それは、危険と思われないような場所で使われるマスクのことだと思います」

 そういうマスクを、日本国民に、ばらまくって?

 何か、無駄な予感。

 「その分の金があったのなら、他の治療用に使ってあげてほしい」

 誰だって、思いそうなもの。

 「こういう状況なら、このマスク…、こういう状況なら、このマスク…って、使い分けることが、コストパフォーマンスの良さというものです」

 「そうですよね、サヤさん?」

 「無駄遣いマスクで、思い出してしまうのは…」

 次に、2人の声が、ハモってしまった。

 「アベノマスク!」

 お互いに、がっくりときた。

 と、思ったら…?

 大逆転?

 「欲しい人に、倉庫で大量に補完されているアベノマスクを、譲ります」

 声掛けしてみたところ、大好評。

 「ください!」

 「私にも、ください!」

 はじめは、完全に、無駄遣いだと思われていたのにね。

 専門分野に使うマスクには、それぞれ決まりがあって、アベノマスクは、それぞれの基準を満たしていないから、使いようもなかった。

 「医療の基準を、クリアしていない」

 「だから、利用できない」

 「工事現場にも、適さない」

 「再利用ができないっていうから、無駄なんだよ」

 …って、思われていたのにね。

 もらってくれる人が、あんなにも、現れたなんてね。

 世の中、何がどうなるか、わかったものじゃないよ。





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