第15話 女性が、だぼだぼのイスラミック・コートを着る理由を知って。「そうなんだ! だから、中東地域の女性たちは、あのコートを着るんだ! 」

 「私がつけたマスクっていうのは、イスラミック・コートって、いいます」

 「イスラミック・コート、ですか?」

 イスラミック・コートというのは、チャドルの代用品としても認められる、だぼだぼコート。

 TV番組でも、何度か、目にしたなあ。

 それが、イスラム風の、マスク?

 中東地域は、暑い。日本のように、涼しい地域に住む人は、こう思いがち。

 「暑いなあ…。ちょっと、脱いじゃおう。怒られるかな?女性は、服を脱ぐな。男の目線が、悪くなるだろ!とかって、言われちゃうかな?そうだ。コートのボタンだけでも、外しちゃおうかな…」

 ストップ!

 脱ぐな!

 ここで、イスラミック・コートが、活躍。

 これを羽織ってしまえば、とりま、安心?

ちょっと脱いだだけでも、厳しく取り締まる人がいるイスラム社会では、ごまかしの服として、大切になるんだし。

 「サヤさん?」

 「はい」

 「ウェストが締められなければ、ぶかぶかの格好になっちゃいますよね?」

 「そうですね」

 「ラフで、いい加減な格好。どうして、中東の地域では、そういう格好が好まれるんですか?」

 「それは、ですね…」

 「はい」

 「宗教上、男性が、女性をじろじろ見つめるのは、良くないことだからです」

 「はい?」

 「腰とお尻のラインが見えると、セクシーに感じられてしまいます」

 「ええ、まあ」

 「でも、そのコートを着れば、肌とそのラインを隠してしまえるでしょう?」

 「ああ」

 「男性が女性をじろじろ見るのは、ボディラインがあるから。ボディラインを、なくしてしまう服として、良いわけです」

 「なるほど」

 「ラインを無くしちゃえば、男性の目は、女性に注がれなくなる。宗教上、女性を守るための服だったんですね」

 そうだったんだ!

 だから、中東地域の女性たちは、あのコートを着るんだ!

 知らなかったよ。






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