第7話 ホテルのフロントは、お笑い劇場。「女性が、どうして、こんな地域をウロウロしているんだ?」 女性が泊まるのって、大変。

 女性は、ピンチ?

 「お前は、本当に、1人で旅をしているのか?」

 「はい」

 「何てこった!」

 また、お笑い劇場の予感。

 「パスポートを、見せろ」

 「はい…」

 渋々応じた、サヤさん。

 「女性が、1人で、出歩くんじゃないよ…まったく…」

 ぐずぐずな、雰囲気。

 フロントの男性が、サヤさんのパスポートを、確認。

 何度も、見ていたそうだ。

 「何で、こんなに、じろじろ見られちゃうわけ?」

 フロントの男性は、こう、言いたそうだった。

 「わからん。女性が、どうして、こんな地域をウロウロしているんだ?」

 女性が泊まるのだけで、一苦労。

 パスポートには、もちろん、サヤさんの出身地も記載されていた。

 「…何?日本人だと?」

 今度は、どうなっちゃうんだろう?

 「そうか…」

 勝手に、納得しはじめちゃった、フロントの男性。

 「こいつは、中国の、日本省からきたっていうわけか」

 これを聞けば、日本人は、悩むところ。

 日本から遠くの国にいけばいくほど、日本は、国だって思われない場合があったんだよね。

 「日本は、アジアの国。当たり前でしょ。それが、何か?」

 …って、思う?

 違うんだなあ。

 当たり前じゃあ、なかったりして。

 遠くの国の人に言わせると、日本は、中国の一部感覚。

 「日本?あの、小さな、あれか?」

 大きな中国の中の、1つの地域でしかないよねって、思われちゃっている。

 日本は、大きな中国の一部。中国の日本省とかっていうことになっちゃうわけだ。

 サヤさんは、面倒くさそうに説明。

 「フロム、ジャパン。ノット、チャイナ」

 説得。

 「そうか、お前は、中国から独立した地域の出身か」

 本当に、わかってもらえたの?

 「これを、やろう」

 ひまわりの種を、もらったという。

 好きだね。

 ひまわりの種。

 国際関係も、国際理解も、案外、こんなものなのかもね。




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