第6話 バスの乗客たちに祝福されて、ヒマワリの種とか、もらっちゃいました。続きは、ホテルのフロント!女性の立ち位置は、ビミョーすぎです!

 「おばさんは、どうして、歓迎されていなかったのだろう?」

 その理由は、日本に戻ってから、中東専門学校の先輩に教えてもらえたそうだ。

 「サヤ?」

 「はい、先輩」

 「きっと、バスの皆が、おばさんとあなたを比べてどちらに優しくすべきなのか考えたんでしょう。そうしてすぐに、あなたのほうにしようって、団結した。おばさんは、無視された。あなたが、格上げされた。そういうこと」

 「そういうことなんですか?」

 苦笑い。

 中東地域の女性たちのドキドキは、続く。

 日本でなら、セクハラですよ。

 サヤさんは、バスの乗客たちに、ヒマワリの種などをもらえたそうだ。

 中東専門学校の先輩は、また、教えてくれた。

 「サヤ?」

 「はい」

 「皆に、祝福されたんでしょう?大切にされるのって、良いことよ?中東地域の女性たちは、チャドルで隠された生活がほとんど。大好きな旦那の前でしか、大切にされないこともあるんですから」

 そっか。

 そうなのかも。

 「サンさん?」

 「はい」

 「中東地域は、謎です」

 「みたいですね」

 女性が注目されるのは、間違いないらしかった。困るのは、注目され続きで、疑いの目を向けられること?

 中東地域では、ホテルに泊まるときも、女性の扱いが変わっている。

 ああ、変わっている。

 ホテルの、フロントで。

 「空き部屋は、ありますか?」

 「お前は、1人か?」

 「はい」

 「どの部屋が、良いんだ?」

 「1人だから、シングルの部屋です」

 「お前、1人なんだな?」

 「はい」

 「旦那は、いないのか?」

 「いません」

 「なぜだ?」

 あれ?

 何か、変だぞ?

 「なぜ、お前は、結婚していないんだ?」

 「え…」

 「おかしいだろう!」

 「はい?」

 「何で、そのくらいの年で未婚なんだ」

 「…そんなの、セクハラ」

 「未婚の女性が、1人で、旅をするな!」

 中東地域って、何?

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