再会!?
教室のドアが開いて、シルクのような白い髪が見える。俺は頭に光が走った。絶対に凛ちゃんだと。俺の本能が察していた。
白い髪を1つ結びにして、姿勢よく歩く。まるでモデルのようである。俺たちとは違う制服であることが転校生であるしるしである。灰色のセーターがとても可愛い。
「可愛いぃ……」
「女神だぁ!」
「美少女すぎる」
「あれってエステル女学園の制服じゃない?」
エステル女学園って、超有名なお嬢様学校じゃないか。凛ちゃんはそんなお嬢様みたいな子じゃなかったしな。でも……。
「先程、紹介されました。白咲凛です。エステル女学園から転校してきました」
俺は白咲凛という名前よりも、凛ちゃんの顔で鳥肌を覚えた。あのころの顔のままだったからだ。こんなところで再会できるなんて。
凛ちゃんと言えば綺麗な白い髪透けるような乳白色の肌は肌荒れを知らない滑らかさを保っている。まさにあの頃のまま。
整った鼻梁に長い睫毛に覆われた大きな瞳といい、実に人形のような繊細な美しさを誇っていた。これもまさにあの頃のままである。一つ一つが俺の思い出をよみがえさせる。
でも俺のことなんて、どうせ覚えてないだろう……。
「じゃあ佐海ー、お前が面倒見てやれよ。お前何にもしてないから暇だろ」
先生はそんなこと言う。俺は運命だと思った。小学生の頃と真逆。俺が凛ちゃんの立場なのだ。そんなことは俺が勝手に思っているだけだけど。
俺が先生に適当に相槌をうって、了承を送る。そしてゆっくりと、凛ちゃんはこちらに歩いてくる。そして俺の横にストンと座る。1つ結びにした白い髪が揺れる。
「よろしく、白咲さん」
俺がそういうと、凛ちゃんは少し悲しそうな顔をした。そしてこんなことを言った。
「この時みたいに、凛ちゃんって呼んで、大成くん」
そう言ってニコッと笑う。クラス中にはどよめきと共に、俺への殺意が沸き返る。でもそれ以上に、興奮という名のなにかがおれの中に渦巻いていた。
♣♣
次も見てやぁ
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