転校生は白髪少女!?
昔のことを思い出していた。凛ちゃんが引っ越した後、彼女にはあわなかった。というか、先生に聞いても何も教えてくれなかった。
何故、凛ちゃんは俺に何も言わずになんでどこかに行ってしまったのかということは小学生の時、泣きながら考えていた。
そして俺は凛ちゃんがいなくなって、勉強に死ぬほど打ち込んだ。そのために地方でも有名な進学校に入学することになった。
女の子に告白されることもあったが、俺は凛ちゃんが脳裏にチラつくために、誰かを本気で好きになるということは出来なかった。
♣♣
今はもう一人称は僕から俺へと変わっていた。高校に入っても、代わり映えもしないダラダラとした毎日を送っていた俺は、小説も片手に窓際で風に当たっていた。
そんな時に俺に飽きもせずに構ってくる
「大成ー、お前はなんか残念だよなぁ。前もめっちゃ可愛い子に告白されてたのに、何してるんだよ」
「確かに可愛いと思うけどなぁ。でも心躍らないんだよなぁ」
「あれか、小さい頃に恋した白髪少女ってか。居場所も分からないなら、会うことなんてできるかよ」
「そうだよなぁ。分かってはいるんだけどさぁ」
大きなため息とともに、過去にまだしがみついている俺が嫌になる。もう、彼女は俺の事なんて忘れてしまっただろう。
それに急にプロポーズしてくる変態男なんて忘れたいだろう。引っ越しする前に、もう一度好きだと伝えておけば良かった。何度後悔しても、時間は戻らないのだ。だから先に行きかなきゃ。
「俺も彼女欲しいなぁ」
そんなふうに呟くと、前の席に座っていたショートカットの女の子が、反応する。明るい茶色の髪の毛に、クリクリとした小動物を思わせる目。
同じクラスの
「え?ついに憧れの美少女を諦めたか!じゃこの美人さんにおまかせあれ!私が手取り足取り教えてあげようか?」
「お、まじか。来栖の彼氏になれるなら、最高だろうな。でもお断りだ。お前、別に俺の事好きじゃないだろ?」
「大成の顔は好きだよ。タイプなの」
「正直でよろしい」
来栖はケタケタと笑った。男の生徒たちの視線が痛い。来栖はぶっちゃけ可愛い。そんなやつと話していたら、そりゃ恨まれるだろう。
そんな朝を送っていると、担任の先生が入ってきてこんなことを言った。
「転校生の子を紹介する、入ってきていいぞ」
そう担任の先生が言うと、ドアが開いてスカートがひらりと見える。そして、顔を見るよりも先に俺は驚きを隠せなかった。
「白髪っ!?」
そう叫んでいた。
♣♣
転校生は凛ちゃんなんでしょうか??
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