第3話ビビビ記念日
本日は昭和っぽい立ち飲みの日本酒バーへ。
彼はこういう店の方が慣れているようで、
いつにも増して饒舌だ。
本を読むのが好きらしく、
得意の仏教の話から中庸に物事を捉える重要性なんかを語っていた。
「怪しい宗教家みたいだから辞めた方がいいよ」
と、私は苦笑しながらも、
最近読んだアドラーの心理学の話を振ると、
宗教や哲学なんかを交えた独特な自論で
器用に打ち返してくる彼のキャラクターを
楽しんでいた。
そのままの勢いで、彼は私の事を素敵だと言った。一緒にいて楽しいと。好きだと。
嬉しくてフワフワするけど、
魔法の言葉はBGMのようで全く心には響かない。言葉は止まらない。
「じゃあキスしてくれないかな」
やっと言葉が止まった。
あ、松田聖子さんが何度目かの結婚記者会見で言ってたやつだ。
ビビビ…
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