第2話ゲバラ記念日
彼と二回目に会ったのは、
彼が仕事中に見つけたという
最近オープンしたばかりのワインバーだ。
重厚な扉を開けると、
木の香りがフワッとする素敵な一枚板のカウンターが目に入り、今日は私の描く理想のデートになると確信した。
彼は、私と同じくワインには全く詳しくないようだったが、ワインの味の感想はお互い共感出来たし、料理の趣味や食べ方も全て綺麗で清潔だと感じた。
左利きの男とカウンターでお酒を呑むのは初めてだったが、左右に並ぶと私を含めた右利きの女とは、こんなにも料理をシェアして話しやすいものなのかと感動する。
私のままならない仕事や生活の話から、
キューバの革命家のチェ.ゲバラの話になった。
革命を起こすのには当然犠牲が伴う。
話のスケールを大きくするのは彼の常套手段だが、素直に笑えた。楽しかった。
私は夫と別居して二年が過ぎた。
最初は離婚しようと意気込んでいたものの
親権や生活費などの問題から
中途半端な現状に甘んじている。
いつから面倒を避けるために、
私は現状を変えることを諦めるようになったのだろうか。
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