第1話

あの日の憎い匂いがした。


「!?ッオイ」

「ハッ」


そいつは風に揺られ、今すぐにでも消えそうだった。

俺はそいつの正体を確かめるために、レベリオに捕まえてくるよう命じた。

そいつは、きっと人間ではない。

出かけていて良かった。

執事の言った通り、商店街へ足を運んで良かった。

やっと、やっとだ。

やっとあの日の出来事について何かを掴めるかもしれない。

俺は口元の笑みを抑え、家へ向かった。



ガチャ

「おかえりなさいませ」

「アイツは?」

「拘束してダイニングへ置いておきました」

「そうか」


俺の執事は有能だ。

契約期間の間、俺を裏切らないだろう。

だが、まだ信用してはいけない。

それより、今はアイツだ。

アイツが何者か、色々聞き出して俺はこの復讐を遂げる。

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