黒百合が咲く丘でまた

朧夜翔

プロローグ

どうしてこうなってしまったのだろうか。


辺りには赤く染る誰かの身体、崩れていく魂。


海も、建物も、植物も全て消え去ったこの光景。


この光景にした当本人は、全く気にせずその場を歩いている。


何を考えているか分からない顔で、ボソッと何かを呟く。


何を言っているのだろうか。


だが、俺には知る術もなく感覚がなくなっていくこの体を丸めた。


父上、母上…姉様、今逝くよ。


俺は今までの行動を悔やみながら、ゆっくり目を閉じた。

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