都心上陸作戦

第19話 ジャイアントチャリオット

4台の路線バスが池袋に入った。


一台目を運転するのはロトージ。

その後ろにウェイ、ウィル、リーリルと言った顔ぶれが並ぶ。


二台目はバンクが運転し、グレートと3人が乗っている。


バスは一台に5人が乗っているのだ。


「もう池袋についた感じか?」

「景色からしてそうだ。噂通りさびれてる。」

「とりあえずもう少しバスに乗った方がいいな。」


ロトージは無線機を取った。


「池袋到着。降りるかどうかは個々の判断に任せる。俺はこのままバスを進める。」


ロトージはバスを進めた。


数分後


「そろそろ降りるか。」


ロトージがシートベルトを外したところ。


「問題が起きました!巨大なゾンビ3体がバスの中に侵入しました!」

「何!」


通信が途切れた。


「まずい。バス4がやられた。新種のゾンビに。」

「まじか!」

「バス4の状況を確認する。ウィル、ついてこい。」

「承知しました!」

「ほかの二人はバスを!」

「ああ!」


ロトージとウィルは近くにあったマシンガンを手に取り、バスを降りた。

ウェイは20式小銃を手に取る。

リーリルもSIG MPXーPを取った。


「リーリル、後ろの席に。」

「うん。」


リーリルは後ろに下がる。


すると


バリン!


バスのガラスが割れ、ゾンビが入ってきた。


手と爪は異様なほど伸び、身長は1メートル90センチはある。

さらにものすごい量の筋肉がついている。


「おいおい嘘だろ。こいつ馬みてえな筋肉ついてんな。まあ、生存者を脅かす存在ならこの場でくたばってもらうしかないか。」


ウェイはゾンビの心臓めがけてアサルトライフルを連射した。


パンパンパン!


「ヴヷ―!」


ゾンビの力強い咆哮が響き渡る。

とっさに耳をふさぐウェイ。

どうにか聴覚への被害は避けられた。


銃弾はゾンビに少しめり込んではいるものの、少し動けば落ちてしまいそうで、痛覚が鈍いゾンビにはあまり効果がなかった。


当然弱点である心臓に当たるはずもない。


「なるほど。筋肉が防弾チョッキの役割を果たしているわけか。となると狙うは筋肉のない脳だな。だがあの頭を狙うにはもう少し距離がいる。」


ウェイは後ろに下がる。


しかし、当然ゾンビも距離を詰めてくる。

しかもその速さがとてつもなく速い。


距離を開ければ距離を詰められるいたちごっこが続く。


いよいよバスの運転席まで追い詰められた。


「これまでか!」


その瞬間。


「これでも食らいな!」


リーリルがマシンガンを連射した。

全弾がゾンビに当たり、ゾンビは前に倒れる。


ウェイはバスの扉前に移動し、倒れてくるゾンビを回避した。


「これでとどめだ。」


ウェイはゾンビの頭にナイフを刺した。


「これで確実に死んだな。ロトージたちの元へ行くか」


ウェイがバスから降りたその瞬間。

奥からロトージが銃を持って走ってきた。


「ウェイ!お前のところにも怪物が来たんだろ?」

「ああ、怪物なら来たけど。」

「それなら話が早い。いいか。あの怪物によって3号車が全滅した。3号車にいる隊員は全員死亡。4号車にも被害が出ている。」

「何!?」


「まあ、あの怪物を倒すには個人防衛火器が必要だ。4.6㎜短機関銃をくれ。」

「分かった。リーリル。すまないがそこにある4.6㎜短機関銃を!」

「分かった!」


リーリルはバスの座席に置いてある予備の4.6㎜短機関銃を取った。


「あったぜ。ロトージ。健闘を祈る。」

「了解。」


ロトージは4.6㎜短機関銃を手に取ると、後ろのバスへと向かっていった。


「さて、俺たちもここから攻撃を開始するか!」

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