第17話 特殊命令

「ただいまー。」


「おう、ウェイか。遅かったな。」


飯を炊いているウィルが声をかけた。


「ゾンビ狩りでてこずってね。痛い痛い。」


「どうした?」

「背中を打撲した。いてててて。」

「マジか。シップはっといてやる。」

「ありがとう。」


その時。


「本部内の隊員に連絡する。至急食堂モニター前に集合せよ。」


「お、何か報告か?」

「とりあえず行くぞ。」


食堂。


隊員はほぼ全員食堂に座り、その目はモニターにくぎ付けになっていた。


モニターがついた。


そこには。


「自衛隊対攻撃的仮死感染生物部隊の諸君。」


自衛隊対攻撃的仮死感染生物部隊の長、山本弘だ。


「今日は見てもらいたい映像がある。」


山本自染長がそういうと、急に場面が変わった。


「自衛隊対攻撃的仮死感染生物部隊の諸君。今日も励んでいますね。こんにちは。」


何とそこにいたのは防衛大臣の青木防衛相だった。


「さて、今回は皆さんに頼みたいことがあります。」


その言葉にそこにいた全員が息をのんだ。


「突如現れた攻撃的仮死感染生物によって現在首都東京23区は壊滅状態にあり、現在は多摩地域に臨時首都を置いている状態であります。しかし、いまだに首都で暮らす国民は多く、その救出は遅れている状態です。」


青木防衛相は続けた。


「もう毎日任務に言っている暇はありません。そこで、皆様には東京23区からの攻撃的仮死感染生物の殲滅及び避難民の救出をしてもらいたいと思います。」


そういうと映像は途切れた。


「と、言うことだ。

そして我々で調査したところ、東京23区のうち、攻撃的仮死感染生物が大量に蔓延しているかつ、最も多くの人が避難しており、さらに今後10日以内に壊滅する危険性があると思われるのは


豊島区 池袋

北区 王子

渋谷区 代々木

新宿 歌舞伎町


の4つだ。また国の存亡に重要な役割を持つ千代田区 霞が関と同永田町も今回のリストに入れた。それぞれに1つ部隊を置こうと思う。」


その瞬間、その場にいた全員が息をのんだ。


「まず、一番隊。ロトージとウィルを司令官とし、池袋に向かってもらう。メンバーはウェイ、グレート、そしてバンク、以下数名だ。」


「おいまじかよ。」

「俺たちで池袋に行くわけか!?」


呼ばれたメンバーは全員慌てている。


池袋はゾンビ発祥の地であり、危険地帯の一つだ。


そこに救助活動に行ったもので無事に帰ったものはいない。


そのため、隊員の間では「池袋は東尋坊や富士の樹海を超える日本一の自殺スポット」と呼ばれている。


しかし、ウェイは落ち着いていた。


「やっちまおうぜ。誰も果たせなかった池袋からの無事生還、俺たちがしてやりましょう!」


その言葉に、池袋組の全員が声を上げた。


「おー!」

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