第14話 航空機墜落
「失礼します!」
カーンとフ―の会議中、あわただしい足音が響き、扉が開いた。
「今は会議中だ。静かにして」
「オーストラリア研究所に輸送中のウィルスを積んだ航空機が墜落、ウィルスが散布されました!」
「何!」
「計画通り。」
「そうですね。」
「どういうことですか?」
カーンは立ち上がり、答えた。
「考えてみろ。初めてゾンビが世に出たのは日本だ。このウィルスを最初にばらまいたのもな。それが世界中に広がった。国際社会の目は日本に向くに違いない。」
「日本は国際社会から孤立し、世界各地が日本にそっぽを向くだろう。何が起きても助ける国はない。そんな中でロシアと中国が日本を支持することを表明するのだ。」
「日本はロシアと中国に頭が上がらなくなる。つまり日本でビジネスがし放題だ。」
「ただでさえブラック企業が多い日本だ。長時間労働させてもいい。俺たちは永遠にもうかり続ける。」
「政府もこのことについては黙認する。なぜかって?自国のためにしかならないからだ!そもそも我らオリガルヒは政府との融和的なつながりを維持することによりいつも存在していた。今回もそれが幸いした。」
「まったくですね。そのオリガルヒと業務提携を結んだわが企業も安泰です。」
「今後はお前らの会社にも働いてもらわないとなあ。」
「はっ!」
フーは答えた。
「ところで、日本侵略はうまくいっているのか?」
「沖縄、香川、神奈川を占拠しました。東京は完全に荒廃し、今では人っ子一人いません。現在は都民は山梨にいるようです。」
「よし。それで山梨は?」
「襲撃しましたが、軍人たちの抵抗が激しく、全滅には至りませんでした。」
「そうか。とりあえず神奈川でビジネスを始めるか。」
「はい。」
「今後、忙しくなりそうだな。」
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