第6話 食人植物ラフレシア

「すまないな、ウェイ。あんなことを言っておきながらお前に助けを求めるなんて。」

「別にいいんだ。私情と仲間のピンチは別の話だ。こっちこそ、あんなこと言って悪かった。」

「そうか。とりあえず生存者の元へ向かうぞ」


3分後


「よし!もうすぐだ!」

「ああ!」


その時!


「ワー!」

「キャー!」


叫び声が聞こえる。


「さっき逃がした生存者か?」

「だとしたらいったい何が!」

「急いで向かうぞ!」


4人は急いで階段を下りる


そこにいたのは。


ゾンビの群れと、頭と腹に巨大な花が咲いた生物だった。

手のような茎には蕾がついていて、どこまでも伸びていく。


「なんだあれ?!」

「あの花の咲き方、どことなくラフレシアに似てるな。ラフレシア科の新種か?だがラフレシアは人を食わないはずだ。となるとあれは何だ?」

「とりあえず行くぞ!」


その時


その茎についた蕾は、生存者の一人に近づき蕾を開いた。

花は生存者の頭の上から生存者目指して真っ先に降りてくる。


「危ない!」

「食らえ!」


パンパンパンパンパン


ウェイがすんでのところでHK416を発射し、手が吹き飛ぶ。


「どうやらあの手の花で人を食らうようだな。」

「よし!あの手をすべて吹き飛ばすか!」


4人は急いで階段を降り、銃を構えた。


「行くぞ!」

「おう!」

「リーリルはここにいて!」

「うん!」


グレートはすぐさま手に駆け寄り、マシンガンを乱射した。


しかし、花はその銃弾をよけ、グレートの頭の上で蕾が開いた。


「グレート!横に飛び込め!」

「おう!」


グレートは横に飛び込んでかわす。


花は蕾を閉じた。


しかし、花はすぐに向きを変え、再度蕾を開く。


「グレート、今行く!」


ロトージは花の後ろに回り、茎を射撃する。


花はすぐに退散し、目標を変更した。


それは奥にいた生存者である。


花はロケットを思わせる速さで生存者に迫り、生存者の頭の上で花が開いた。


「そこの人!上!」


リーリルが叫ぶも時すでにお蕎麦。


そのまま花は生存者の一人にかぶりついた。


「わーっ!あっあっ!がはっ!」


閉じた蕾の中からうめき声が聞こえる。


花は一気に生存者を飲み込んだ。


その瞬間。


吹っ飛ばしたはずの茎が再び生えてきた。


「どうやら人を食うと回復するようだな!」

「ってことは誰も食らわれてはならないってことか。畜生!茎が増えたから注意を払わなければならない対象が増える!このままじゃ生存者を守るどころか、俺が生きられるかもわからねえ!」

「あわてるな!いくらどこまで伸びる茎でも、遠距離からの攻撃には弱い!俺がライフルで攻撃をかけてるうちに近づいて、本体に攻撃をかけるんだ!」

「なるほどな!中卒のくせによくやるぜ!」

「一言が余計だ!」

「とりあえず行くぞ!」

「リーリルは生存者のところにいて!」

「分かった!」


グレートとロトージは一気にダッシュした。


花は二人に狙いを定めるも、ウェイのライフルで茎を吹き飛ばされ、ついには茎がなくなってしまった。


「よし!ここなら大丈夫!ここから足元を!」

「何で足元なんだ?」

「植物は根が支えているが、その根に付属する部分を破壊することで根の支えを受けられなくなるんだ!」

「なるほどなあ!」


二人は一気に猛攻を仕掛ける。


すると、

腹の花から急に何かが飛び出てきた。


そのゾンビは立ち上がり、叫んだ


「ヴヷー!」


「あれは?まさかゾンビ!?」

「あいつ!食った人間をゾンビにしてよみがえらせることができるのか!」

「とりあえず撃て!」


マシンガンの猛攻によって一瞬にしてゾンビは倒れた。


しかし花はゾンビを生み続ける。


「畜生!キリがねえ!」

「ライフルじゃ援護も厳しいだろうし、どうすれば!」


さらに


腹の花からもう一つの茎が生えてきた


それは猛スピードでリーリルの元へ行く。


「畜生!俺たちならまだしもリーリルは銃の扱いも分からないんだぞ!」

「かといって俺はゾンビたちで手が回らない!」


一方ウェイは


「こんな時に限ってこれがあるかよ…。」


HK416の弾が切れていた。


「すまない!リーリル!」


一方リーリルは


「茎がこっちに来た!みんな!離れて!」


生存者を逃がしていた。


そして


「撃てるようにはしてあるのよね。じゃあ行きますか!」


リーリルは茎の横に向かった。花はそれを追いかける。


「これで終わり!」


茎に向かって銃弾を放った。


茎のかけらが飛び散り、そこから謎の液体が飛び出す。

とっさにかわしたものの、少しかかってしまった。


しかし、そんなことはお構いなく銃弾を放った。


茎は破裂した。


「私は大丈夫!」

「分かった!」


グレートとロトージはゾンビ退治に集中した。


「畜生!キリがねえな!」

「ああ、いつ弾が切れるかもわからない。一気にこいつらを葬れればいいんだけどな。」

「それだったらいいのがあるじゃねえか。俺の自慢のこのリンゴ型手りゅう弾を使うのさ。」

「その手があったか!よし!逃げるぞ!」


グレートとロトージはゾンビから逃げた。


それをゾンビが追う


「今だ!」

「任せろ!」


グレートはリンゴ型手りゅう弾のピンを外しゾンビの中心に放り投げた。

狙い通り、ゾンビのすぐ前に落ちた。


知性がほぼないゾンビは、何も思わずにただグレートとロトージを追う。


その時


ドーン!


リンゴ型手りゅう弾が爆発し、ゾンビの下半身が一気に吹き飛んだ。

ゾンビは下半身を失ってもなお這いまわり二人を追いかけ続ける。


「畜生!一発目で仕留めるのは無理だったか!」

「一発しかないとは言ってない。もう一発ある。」

「でかした!それをぶん投げろ!」

「もちのろんよ!」


グレートが二発目を放った。


「ヷー!」


二発目でゾンビは粉々になり、そこら中にゾンビの肉片が散らばる。


「よし!あとは本体だ!」


ついに足元が破裂し、ラフレシアは倒れた。

足から大量の根が生えている。


「どうやらこいつによってゾンビは生み出されていたようだな。」

「いや、こいつが原因じゃないことは明らかだ。発生源の電車にこれはなかった。」

「まあとりあえず、ここのゾンビは殲滅ってことでいいかな?」

「ああ。多分な。」


「待って!まだハルが処理できてない!多分すぐゾンビ化する!」

「何!」

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