2.7章目

 2人は、一晩中森の中を歩き回っていましたが、さすがにハーブティーの効果も切れ、ヘンゼルは眠くなってしまいました。


 またか…とヘンゼルは思いつつ————

「————いいよ、乗って」


 ヘンゼルは、森から出ることを諦めているのか自分の体力も残り少ないのに妹をおぶってやることにしました。


 グレーテルを背中に乗せ、さぁ立ちあがろうと言う時にヘンゼルの目にあるものが入りました。


「なんだ?これ…」


 それは、たくやが引いた家からの道標の線でした。



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「しゃぁぁぁぁぁぁぁ!!俺の頑張りが実を結んだぜ!」

 そんな2人の様子を2人のいる場所の少し先からを見て、たくやはものすごく喜んだ。


「あ、やべ。俺こんなことしてる場合じゃないんだった」

 さすがに、意図として引いた線だとしても時間が経つと消えてきてしまったので、喜びの舞をやめ、たくやは上塗りに勤しむのだった。



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 ヘンゼルは生気を取り戻し、道標の上を歩き、やっとのことで夜明けまでには父親のいる家に帰り着くことができました。


 戸をたたき、おかみさんが開いてヘンゼルとグレーテルを見ると、


「いけない子たちだね、森でどうしてそんなに長く眠っていたの?お前たちは二度と帰ってこないものだと思っていたよ」


 と、嫌味を言いました。


 一方、父親は喜びました、というのは子供たちだけを置き去りにしていたことでとても心を痛めていたからです。


 父親に、ヘンゼルとグレーテルは抱きつきました。




 こんなことがまた起きませんように…と思いながら。

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