不回避!死ストーリー展開
「それでは、2年4組の出し物はグリム童話の中から選ぶことになりました」
学級委員が、そう言い、クラスのみんなは「なにしようかな」と考えている。
だが、たくやだけ違うことを考えていた。
“あ、詰んだ”
僕は運命に逆らえないのかな。
幼稚園では、『三匹のこぶた』の劇をした。ちなみに僕は、木の役。
小学校では、『赤ずきん』の劇をした。ちなみに僕は、木の役。
中学校では、『ヘンゼルとグレーテル』の劇をした。ちなみに僕は、木の役。
クラスなどで出し物をしないといけない時は、必ずグリム童話の劇をしている。
まぁ、僕はグリム童話好きだからいいけど…
空気を同じレベルの陰キャだから、木の役しかできない!
もっと、いい役がほしい!
なんてことを考えていたら——
「じゃ、たくやさんは木の役ということで!これで、出し物決めを終わります。解散!」
勝手に、役が決まってしまった。
最悪だぁ〜。
今回こそは、主役じゃなくてもいいから、なんかもっといい役が欲しかったなぁ〜。
たくやは、憂鬱な気分で大空を仰ぎながら歩いていた。
だが、忽然とその姿は消えてしまったのだ。
たくやは、
「あれ?ここに穴なんかあったっけ?」
なんて、呑気に考えながな工事中のマンホールの穴に落ちていたのだ。
突然、爆発音のような音が響き、骨が全部折れたのではないか、というほどの痛みがたくやの身体中に走った。
=========================================
目を覚ますと——
「——何?この服?」
さっきまで、着ていたはずの制服から、グリム童話の中に出てきそうな緑のチョッキに茶色のズボンになっていた。
普通の人だったら意味がわからなくてパニックになるところだ、が、たくやは友達ができなすぎて、本だけが友達になるぐらい、本が好きなので、すぐに気付き、こう思った。
「おっしゃ!グリム童話に転生できたのならば、この物語のみんなを幸せにしてやるよ!」
=========================================
たくやの昔からの考え、
「グリム童話って、もっと頭ひねれば誰も吹き飛ばされることなく、食べられることなく、捨てられることなく、生きれるのになぁ〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます