第17話


 数日後、会社で山城さんに屋上に呼び出された。


「こんな所に呼び出して何?」


「すいません、私小竹さんに話があって」


「だから何?」


「実は私、ずっと前から小竹さんの事好きだったんです」


「あぁ」


 やっぱりな、山城さんの俺を見る目で分かってたよ。


「私と付き合ってださい!」


「フッ、俺彼女いるから」


「えっそうなんですか?」

 

 どう考えても今の俺と山城さんは釣り合わないの気付かないかな。


「まぁそうゆう事だから」


 俺の心には香織ちゃんしかいないんだから。


 っと次はいつ会えるかな〜。



 小竹です。今晩どうかな?



 香織です。今日はごめんなさい。

 代わりに今度の土曜どうですか?


 いいよ!じゃあ土曜ね!


 次の土曜か、じゃあ金曜日くらいにエステにでも行っておこうかな。



「小竹さ〜、お前最近なんかいい事でもあったのか?」


「なんで?」


「あれだけ毎日冴えなかったのに、今じゃ入社当時と変わらない仕事っぷりだし」


「そうかな?あ、彼女が出来たからかな」


「えっ?お前本当に彼女出来たの?」


「毎回迫ってきて大変なんだから」


「どんな女だよ?」


「まぁ一言では言い表せないかなー」


「今日一杯付き合えよ!話聞かせろ」


「丁度今日なら空いてるからいいぞ」



 俺と佐竹は仕事を早めに済ませると、居酒屋で乾杯する。


「ぷはーっ!で、どんな彼女なんだよ?」


「どんなって普通の子だよ」


「焦らすなよ、何歳だ?」


「何歳だっけ?歳は結構下だな」


「40?」


「もっとかな」


「39くらい?」


「もっと下」


「35?」


「もっと」


「何歳だよ!さっさと教えろよ」


「仕方ないなぁ、10代だよ」


「はぁ?!それお前犯罪じゃん」


「犯罪言うなよ!向こうから寄ってきたんだから仕方ないじゃん」


「はぁー。お前のどこがいいのかね」


「まぁ、本人にしか分からないんじゃない?」


「もうやったのか?」


「当たり前じゃん、結構ぐいぐいきて困っちゃったよ」


「ほぉ、どうなんだ?」


「どうって、そりゃもういいよ」


「なんか、お前変わったな。前までそんな自信満々じゃなかったし、何気に見た目も若返ってるし」


「恋すると変わるもんだよ、お前は嫁さんがいるから恋とかもう出来ないもんな」


「初めて羨ましいと思ったよ、お前のこと」


「今までが、ついてなかったんだよな多分」


 俺たちは久しぶりに盛り上がり、酒も美味しく飲めた。


 本当、恋してよかったー!




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