第12話


「香織ちゃん、リラックスしていいんだよ」


「はい」


 ガチガチだな、どうにか緊張をほぐしてあげないと。


「そうだ、デザートでも食べる?」


「‥‥そうですね」


 俺は適当にルームサービスを頼む。



 ベットに腰掛ける香織ちゃんの今にもパンツが見えそうなくらい短いスカートから伸びる長い脚。

 胸元が大きく開いたトップス、少しかがむと丸見えだ。


 やる気満々じゃないか香織ちゃん。


 デザートが到着し、食べると少しは緊張がほぐれたようだった。


「シャワーはどうする?一緒に入るかい?」


「さすがにそれは恥ずかしいです、先にどうぞ」


「じゃあゆっくりしていてね」


 俺は先にシャワーを浴びる。

 

 香織ちゃんに失礼のないよう丁寧に洗う。

 

 部屋で香織ちゃんが待ってると思うと、洗う手にも力が入る。



「上がったよ、次香織ちゃんいっておいで」


「‥‥はい」



 俺は電気を暗くし、巻いていたタオルを取り布団に入る。

 山城さんの時とは比べ物にならないほど元気になっていた。



 待ち遠しいのか、シャワーが長く感じた。



「お待たせしました」


 そう言いながらタオルを巻いて出てきた香織ちゃんは髪を一つに結んで、毛先だけ濡れている。


「おぉ」


 思わず玉がキュンとなる。



「早くおいで」


 俺がベットに誘うと、恥ずかしそうにしながらも近づいてくる。


 細くて白い二の腕、じんわり濡れている鎖骨。とても色っぽい。



「失礼します」


 タオルを巻いたままベットに入ってきた香織ちゃん。



「タオル取らないの?」


「恥ずかしくて」


「暗いから大丈夫だよ?ほら」


 俺はタオルに手をかけ、そっと剥がす。


 暗いと言っても、近くにいればはっきり見える。小ぶりだがハリのある胸、細いくびれ。 

 俺はもう我慢出来なかった。


「香織ちゃん、いいんだよね」


「はい、お任せします」


 俺はまるでバターを舐める犬のようにくまなく隅々まで味わった。



 興奮も最高潮に達しようとしていたその時。



 ピンポーン。



「なんだ?何も頼んでないぞ」



 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。




 連続でチャイムが鳴らされ、苛立ちながらもスマートに振る舞おうと、出る事にした。


「はーい、なんですか?!」



 ガチャ。


 

 こいつは‥‥確か‥‥!!


 


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