第10話 メンズエステ
翌日、仕事終わりに予約なしで取り敢えず行ってみる事に。
「いらっしゃいませ」
そこには色っぽい女性が沢山いた。
「あの、広告で無料体験出来るって書いてたんで来たんですけど」
「はい、体験のご利用ですね。ではこちらのアンケートをお書きになってお待ち下さい」
俺はアンケートを書きながら待合室で待っていた。
同じ待ち合いに俺と同年代くらいの人も二、三人座っていた。
みんな広告を見て来たのかな。
俺は初めてのエステに緊張していた。
しばらく待つと、
「お待たせしました」
「はい」
「先にカウンセリング致しますので、こちらへどうぞ」
俺は部屋に案内される。
「失礼します」
「はい、こちらへおかけください」
俺は言われた通り椅子に腰掛ける。
「小竹さんですね、はいはい」
先生らしき人は俺より少し若い女性だった。
白衣から覗く足に目を向けずにはいられない。
「若い子に恋をしたんですね、それでご自身も若くありたいと」
先生は俺が書いたアンケートを見ながらカウンセリングをしていった。
「はい、出来ますかね?」
「もちろんですよ、いくつぐらいに見られたいですか?」
「せめて30代くらいには」
「かしこまりました、では施術室にご案内しますね」
俺は施術室に入るとベットに横になる。
「目を瞑って下さいね〜」
そう言われ、俺は目を瞑る。
ほんの10分程で施術が終わった。
特別な事はしなかったと思う、ひんやりしたりあったかかったり。
「ゆっくり目開けて下さいね〜」
俺は転んだままゆっくり目を開ける。
「鏡をどうぞ」
俺は手鏡を渡され、自分の顔を見てみる。
「えっ、マジ?」
「いかがですか?」
俺は驚いた。まるで本当に30代の頃の自分を見ているようだった。
「すごい‥‥」
「これは体験なので数時間で元に戻りますが、ご契約頂けるとお好きな時に何度でもご利用可能ですよ」
「好きな時に何度でも?」
「はい、ご説明致しましょうか?」
「お、お願いします!」
「コースは二種類ありまして、ベーシックコースはひと月10万円。スペシャルコースはひと月50万円で御座います」
「高っ!」
「ひと月ごとの契約ですのでいつでも解約は可能ですよ、ベーシックコースもスペシャルコースも回数制限はございませんのでいつでもご利用いただけます」
「違いは?」
「はい、ベーシックコースは一度の施術でキープできるのが大体二、三日。スペシャルコースだと一週間はもちますね、それと1番の違いは中身ですね」
「中身?」
「はい、ベーシックコースはお顔は若くなれますが、体力や体型は変わりません。しかし、スペシャルコースは体ごと中身も若返る事が出来るのです」
「すごいですね」
「はい、若い彼女とたくさん愛し合いたいですよね?でも腰痛に悩まされたり、ぽっこりお腹、体力的にきつくありませんか?そんな時体も若ければ何回だって出来ますよ」
「それは‥‥魅力的ですね」
でも50万か、10万でも高いのに。
とりあえずベーシックコースで様子を見てみるか。
俺はベーシックコースを契約する事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます