第9話
翌朝起きてみると、少しは動けるようになっていた。
香織ちゃん香織ちゃん。
今日は俺の家に誘うつもりだった。
しかし、待ち合わせ場所に行くと香織ちゃんは誰かといた。
「お待たせ」
「あっ小竹さん、こんにちは」
「うん、香織ちゃん、こちらは?」
「すいません、勉強教えてもらうって言ったらどうしてもって言うもんで、一緒に教えてもらってもいいですか?」
「もしかして彼氏じゃないよね?」
「違いますよ!」
「ならいんだけど」
「どうも初めまして、たけるって言います。香織から話は聞いてます」
香織ちゃんはこいつに何て話してるんだ。
「どこで勉強します?」
香織ちゃんの言葉でハッとした。
こいつ邪魔だな。
「じゃあ近くのカフェにしようか」
「そうですね」
俺たちはカフェに移動して勉強をする。
このたけるってやつは勝手に香織ちゃんの横に座るし、馴れ馴れしくくっついてるし、こいつ香織ちゃんに気があるな。本当どっか行かないかなぁ。
「小竹さん?どうしました?体調でも悪いんですか?」
あ、ダメダメ香織ちゃんに心配させたら。
「大丈夫だよ、ところで今日はこの後夕食でもどうかな?」
「明日も学校なんで、すいません」
「そっか」
「香織なに飲んでんの?」
「ミルクティーだよ」
「一口ちょうだい」
「はい」
香織ちゃんがこいつにミルクティーを渡した?!
俺でさえまだキスしてないのに、間接キスになるじゃんかよ!!
「ちょっと、たけるくん?女の子の飲みさしを飲むなんて下品だよ?」
「そうですか?いつもの事ですよ」
そう言って俺の言う事も聞かずに香織ちゃんがチューチュー吸っていたストローを咥える。
こい、つ‥‥。
いっつもそうやって香織ちゃんと間接キスしてんだな‥‥。
俺は頭に血がのぼっていた。
「小竹さん?今日本当、どうしたんですか?」
「ごめん香織ちゃん、俺二人はさすがに教えれないよ。香織ちゃんなら知ってる子だからいいけど、たけるくんは初対面だしさ、今日は帰ってもらえる?」
「そうですよね、やっぱりご迷惑でしたよね」
「違うんだよ!香織ちゃんはいていいけど、たけるくんはちょっと‥‥」
「えっ、俺帰らないといけないんですか?」
「悪いね」
「俺帰っちゃったらおじさんと香織二人っきりじゃないですか!もしかして、おじさん香織に何かやらしい事しようとしてます〜?」
「な、何を言ってるんだ君!目上の人にそんな事言うもんじゃないぞ!」
「そうだよ、たける!小竹さんに失礼だよ。小竹さんはそんな事しないし、そもそも親子くらいの年の差だよ?」
俺はその言葉が胸に刺さった。香織ちゃんは俺の事お父さんのように思っていたのか。
「ね?小竹さん!」
「あ、あぁ」
「そうかな?俺にはおじさんが香織の事やらしい目で見てる気がしたんだけどな」
「もう、たける本当やめてよ。小竹さんすいません」
「香織ちゃんが謝る事じゃないよ、でも俺もそこまで言われていい気はしないから勉強はまた今度教えてあげるよ」
「分かりました、じゃあまた連絡しますね」
香織ちゃんとあいつは帰って行った。
なんだよあのクソガキ。
俺と香織ちゃんの邪魔しやがって。
でも、香織ちゃん年の差気にしてるのかな。世間一般ではおじさんが高校生と付き合ってたらやっぱ変な目で見られるかな。
でも、こんなに好きになったのなんて何年ぶり、いや何十年ぶりだ。
香織ちゃんをゲットするまで諦めない。
しっかし、腰が痛いな。
もし、次香織ちゃんとそうなったら‥‥いてててて。
腰に力が入るとどうも痛む。
なんか、いい予防法でもないかな。
俺はインターネットで調べる事にした。
腰痛治し方。
年下彼女。
絶倫。
若くなる方法。
検索履歴を見てるとなんだか悲しくなってきた。
しばらくカチカチしていると、興味深い広告を見つけた。
体験一回無料のメンズエステ、若返り効果抜群。
うちの近くだ。一回無料か‥‥。
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