第6話


 俺と香織ちゃんは予約をしていた店に入る。


「いらっしゃいませ」


「予約していた小竹です」


「個室でご用意しております、こちらへどうぞ」



 掘り炬燵の個室に案内される。




「わぁ〜、オシャレな店ですね」


「そうだよね、香織ちゃんをボロい所には連れて行けないからね」


「すごい、メニューも充実してますね」


「うん、見たことない名前のお肉もあるでしょ?」


「はい、食べてみたいです」


「じゃあ俺が適当に頼んでいいかな?」


 俺は香織ちゃんが食べた事がないであろう、少しお高い肉を中心に頼む。


 お皿が次々運ばれてくる。


「まずは乾杯しようか」


 俺はビール、香織ちゃんはコーラを片手に乾杯する。


「俺と香織ちゃんの出会いに乾杯」


「フフッ、乾杯〜」


 香織ちゃんは俺がチョイスしたお肉を頬張りながら幸せそうな顔をしている。


「う〜ん!美味しいですよ!このお肉」


「どんどん食べな」


 俺は香織ちゃんの食べている姿を見ているだけでビールが進む。


「小竹さんは少食なんですか?」


「お酒飲んでるからね、ちびちび食べてるんだよ」


「私も早くお酒飲めるようになりたいです」



 俺は忘れていたが、香織ちゃんはまだ高校生なんだ。


「あ〜お腹いっぱいです」


「それはよかったよ」


 俺たちはお会計を済ませ、店を出る。


「ごちそうさまでした」


「うん、この後どうする?」


「どうするとは?」


 香織ちゃんって本当照れ屋だな、分かってるくせに。俺から言ってあげないと。


「時間が大丈夫そうなら、どこかゆっくり出来る場所でも行かない?」


「あ〜、今日はちょっと‥‥」


 香織ちゃんは少し恥ずかしそうな顔をしている。もしかして、今日は女の子の日なのか?


「あ、いいんだよ、気にしなくても」


「またでもいいですか?」


「もちろんだよ!香織ちゃんのコンディションが良い方がいいもんね」


「あ、はい」


 俺は香織ちゃんの後ろ姿を見送ってから帰宅する。


 家に帰り風呂に直行する。


 今日は目に焼き付けた香織ちゃんで‥‥。





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