その心は世界に絶望を解き放った

「SCP-096が脱走したらしいよ」

「何それ、有名な囚人か何か?」

「知らないの?SCP財団が収容してるヤバいバケモノなんだけど、そいつの顔を見た人は必ず殺されるんだって。超ヤバくない?」

「あんたってそういうの好きだよねぇ──」


 自然法則を超越した特異存在等を扱うSCP財団には、Dクラス職員という役職があるらしく、彼らには特異存在と直接接触するような危険な仕事が割り当てられているそうだ。

 そのため、Dクラス職員は死刑囚等で賄われているとされている。

 しかし、実際には死刑囚だけでは足りず、孤児も利用していた。

 その少年もまた孤児故にDクラス職員として働かされていた。

 少年はこの不条理な世界が許せなかった。

 だから──。


「シャイガイっていうらしいよ。カワイイよね。12chに写真あるらしいから一緒に見ようよ、ほら!」

「もう!眠れなくなっちゃ──」

「アㇽアァ%>ァァ/&ㇼァァァ*ッ」

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