翼があれば
俺は、話題の動物園を訪れていた。
カバやらサイやらを眺めた後、この動物園の目玉とも言える鳥類の区画に足を運んだ。
この動物園の鳥類コーナーは、まるで空中散歩をしているような気分で鳥類を観察できる空中通路を用いていて、正直足が竦む程の高さにまで張り巡らされていた。
それでも空を飛ぶ鳥と同じ目線に立つことができる珍しさから人気を博している様子だ。
大きな翼を広げているハクトウワシを観ていると、突然バンッと大きな音がした、と同時に俺の体は宙に投げ出されていた。
──落ちるっ。
一瞬、両足に激しい痛みを感じると、全身に衝撃が走り、意識が飛ぶ──。
その瞬間、俺は目を覚ました。
椅子に座ったまま眠ってしまっていたようだ。
悪夢のせいか額や首筋がひどく濡れていたので、タオルで拭おうと席を立とうとしたが、体が寝ぼけているのか躓いて転んでしまった。
痛たたた...。
俺は、ない足をさすっていた。
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