コーヒーリフレッシュ

 私は、コーヒーフレッシュを作る会社を経営している。

 販売担当の私と開発担当の鮮田君の二人だけの小さな会社だ。

 相棒とも呼べる鮮田君は、芸術肌とでもいうのかな、変わった奴でね。

 新作だと言っては毎度、奇抜なコーヒーフレッシュを創り出す。

 販売する身にもなって欲しいものだ。

 つい先日も、生ごみの臭いがすると客に引っ叩かれたばかりだ。

 書類を整理していると、開発室から鮮田君が出てきた。

 満面の笑みの彼はコーヒーカップを手にしている。

「秋内君、新作です!」

 恐る恐るカップを受け取るが、カップに口をつける前に口が開いていた。

「なんじゃ、こりゃ。」

 コーヒー豆が水に浮かんでいる。

「すごいでしょ。名付けて『コーヒーリフレッシュ』、コーヒーも新鮮な方が美味しいかなって思ったんだ。」

 コーヒーを新鮮な原料に戻すフレッシュなんて──そう思っていたが、これが世界を飢餓から救ったのだから大したものだ。

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