No.3

 3、それが俺のラッキーナンバーだった。

 ラッキーナンバーと呼ぶにはあまりにも運命が過ぎるかもしれない。

 始まりは小学生の時だった。

 出席番号が3番で、少年野球での背番号が3だった。

 それからというもの不思議な程に、3という数字が付きまとった。

 数学のテストが3位だったり、空隊でのパイロット試験では33位だった。

 ブロンズコレクターなんて呼ばれたりもした。

 そのことに特に不満はなかった。

 世の中、一番になれる奴なんてほんの一握りで、大方の奴は上位入賞を目指して頑張っている。

 その中で3番に位置できるなら、それは勝ち組以外何物でもない。

 ──そう思っていた、その時まで。


 俺の国は戦時下にあった。

 もうすぐ降伏だと言われるほど戦況は悪かった。

 その時、俺は、3番特攻空隊として、もう戻ることのない空を飛んでいた。

 4番だったらどうだったかなんて分からないが、それでも──。


 ──生きたかった。

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