空の監獄
人は自由を求めて、空を見上げるんだ。
そこに例外はない。
昼間の青い空を見る時も、雲に覆われた空を見る時も、夕焼け空を見る時も、星空を見る時も、人の内は自由を求めているんだ。
そんなことはないっていくら言ったって、それは変わらないんだ。
僕もそうやって空を見上げるんだ。
まるで空が自由の象徴みたいに。
でも、そうしているとそれはおかしい事なんだって気付くんだ。
空は監獄に囚われているんだって。
人に伝えるために、その青を届けるために、世界を見守るために、着かず離れず、そこに囚われているんだ。
この世界で一番の囚人なんだ。
目の前にどんなに気に食わないことがあっても、干渉することはできなくて、そこを離れることは許されていないんだ。
人が見上げるその先に、不確かな一定の距離をもって在り続けるんだ。
それに気づくとね、いつだって空は青いんだ。
そんなものを僕らは「空」って呼ぶんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます