山と撫子

 目の前に広がる景色は、鮮明に、緑。

 目を閉じて聞こえる景色もまた、鮮明に、緑。

 深緑?新緑?分からない。

 その緑の中であなたは何を感じますか?

 どこまで行っても緑で、進めば進むほどその色は鮮やかになていく、その緑の中で。

 振り返れば振り返るほど、鮮やかになる緑のその中で。

 昼も夜も夕方も変わらずにある緑で、それがなんだか生意気に感じるのは私だけなのかな。

 緑が生意気なんて言う私が一番生意気なのかもしれないね。

 でも、生意気なそんなところが好きで、この世界で唯一私の頭を撫でてくれる、理解してくれる。

 そんな存在が、緑。

 緑が私を形作っていく、首を支えてくれて、足首を支えてくれる。

 手の平に勇気をくれて、心に彩を与えてくれる。

 それが緑で、それが私。

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