お訪ね
「お尋ね申し上げますが、シギリアという女を知りませんか。肌が白くて背の高い女です。」
「さぁ、知らないね。外人さんかね。ここらで人を探したいんなら、山を一つ越えた町に行くといいよ。」
「お尋ね申し上げますが、シギリアという女を知りませんか──。」
「聞いたことがない名前だが、似たような人を知っているよ。確か、川の向こうの小さな家に住んでいると聞いているよ。名前は確か、アンナと言っていた。」
「お尋ね申し上げますが、アンナという女を──。」
「ああ、そんなら川沿いに歩いて3つ目の角を曲がった先、松の木の向かいに建っとる家に居ると思いますぜい。」
「お尋ね申し上げますが、こちらアンナさんのお家でしょうか。」
「はい。少しお待ちください。」
そう言って扉を開けた彼女の顔は、幽霊でも見たかのように酷く青ざめる。
肩を腕で抱く彼女を見て僕は言う。
「良かった覚えてくれていたんだね。嬉しいよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます