第8話矛盾

黒井川警部は六代目こと中村に話に聞き、大桜酒造を訪れた。

「六代目、黒井川と言う刑事がここに来てますが」

「通して」

間も無くして、中村の事務所に黒井川が現れた。

「刑事さん、今日は何かご用で?」

「亡くなった弟さん、結構やりで色んな事業に関わっていますね。ここの酒造も潰してスーパーになる予定だったとか。不謹慎ですがラッキーでしたね?」

「刑事さんの言っている意味は分かる。私には動機がある。だが、いいかね黒井川君。私にはアリバイがある。あの海岸からは60km離れている。どうもがいても、私は1日で会社に戻る事は出来ないんだ。あいつは悩んでいた。出来もしないのに多角経営に足を踏み入れ、だから飲み物の中に睡眠薬をいれて、ある意味入水自殺したんだ!」

「この酒造も赤字らしいですね」

「我々には【星の雫】と言う、新酒ができた。これが軌道に乗ればまた、活気付く。そう思わんかね黒井川君」


「また、捜査に進展がありましたら、こちらへ参ります」

「頑張り頑張りたまへ」


今回の事件は非常に残念な結果になりました。弟を殺害してまでも酒蔵を守ろうとしましたが……。六代目、中村はあるミスを犯しました。自分が殺したんだと。

明日、事件の再現をしてみます。上手くひっかからないか?

ま、どんな手を使うかは楽しみにしていて下さい。

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