第5話 素敵な

あれから私は、運び込まれていた病院を無事退院して(治療費はあの美人が全て払ってくれた)家に帰宅した。


送ります!と迫られたが、家まではちょっと、ということで病院から駅までの道のりを共に歩くことにした。その道のりで、少しだけ話をした。

美人の名前は「かがりもえぎ」さんと言うそうだ。漢字までは聞かなかったから分からないけれど。素敵なお名前ですね、って言うと、嬉しそうにしていたっけ。

名前を聞いても、全くおぼえがなかったけど、私とは小さい頃に会っていたんだって。

でも、事情があってお別れすることになったけど、ずっと忘れずにいてくれて、偶然街中で見かけて……って、あとは説明しなくてもいいよね。

駅にはあっという間に着いて、そこでLINE交換をして、さよならをした。


「また、近いうちにお会いしたいので、すぐ連絡しますね!」


と言われ、お別れをした。


電車に揺られながら、気が抜けて、小さくあくびをしてしまう。

ほんと、とんでもない1日だったな。

早速、美人からLINEが来たが、もう見る元気もないし、チェックは明日にしようと決めて、駅に到着するまでと目を閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る