第17話 「意外な対決」中篇

 ゆっくりと開けられた目に力が戻り始めた

黒き魔女カトリーヌ・フォン・ブレルはいきなり目の前にGUZE(グゼ)の顔があるのも

驚いたが自らの巨乳に触れて歪なかたちにしているGUZE(グゼ)の両手には

「きゃー」と悲鳴を上げずにはいられなかった。

「どうしたいきなり悲鳴とは。」と

GUZE(グゼ)は思ったがそれなりの理由があった。

もし黒き魔女の蘇生が不完全で目を覚さない場合は心臓をAED(自動体外式除細動器)と同じ要領のショックを与え心臓の鼓動を復活させる意図があったのだが当の本人の黒き魔女はそれを知る由もなかった。

正座の状態から多少痺れる足を庇いながら

飛び起き急ぎGUZE(グゼ)の側より離れた

黒き魔女カトリーヌ・フォン・ブレルは

「何をしているのですか。」と若干

顔の頬を高揚させて言い放った。

「どうやら何ともないようだな。」と

相変わらず表情の読みにくい感情の起伏があまりない対応をしたGUZE(グゼ)は次の行動に移ろうとした時、黒き魔女が「それだけ。

謝罪の一つもあっていいんじゃない。」と

胸を両手で隠しつつ若干赤面気味にやや口を尖らせながらGUZE(グゼ)に食ってかかろうとしたが、「GUZE(グゼ)様、謝罪の必要はありません。」と命道トモエが割って入った。

「あなたは人命救助をされている方に

感謝ではなく不平、不満、をいうのですか。話になりません。」と言い放っと

黒き魔女に顔を向け睨みつけた。

命道トモエからすれば敬愛の対象であるGUZE(グゼ)に対して感謝もなく不満をぶつけようとした黒き魔女カトリーヌ・フォン・ブレルの行動は容認できるものではなかった。

そんな中、命道トモエは何を思ったのか

GUZE(グゼ)の方へ向き直り

「GUZE(グゼ)様、お願いしたき儀があります。」

と極めて女性らしい所作で正座の状態から三つ指をつき頭を深々と下げてお願いした。

「GUZE(グゼ)様の実力の片鱗をお見せいただきたいのです。」

「我が主人(マスター)になられる方をお試しするのは大変失礼な事とは存じますが、

今後の命運を共にすることを思うとお試しせずにはいられないのです。」と命道トモエからはひしひしとその想いの強さが伝わってきた。

「わかった。私は何をすればよい。」

無論、GUZE(グゼ)にはわかっていた。

だが命道トモエの決意の程を知る為、

あえて彼女に尋ねたのだ。

「GUZE(グゼ)様、大変な不敬とは存じますが、わたくしと死合(しあ)っていただけないでしょうか。」


第17話完 続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る