第2話
「こいつは何者だ!」と
まるで自分たちの気持ちの動揺すら見透かすように監視カメラを見つめる美青年に向けて
怒気ともとれる口調でミッションルームの
奥に鎮座する司令長官らしき男は言った。
オペレーターの1人が「これは!男が監視カメラの映像から消えました。」と言うのとほぼ同時に美青年の姿がモニターから消失した。
それはほんの数秒前にはモニター越しに
いた者がその存在すら消失したよう感じさせる出来事だった。
ミッションルームはざわめきたち
奥に鎮座していた司令官らしき男は言った。
「何者だったんだ。
あの男は。」
そう 「GUZE(グゼ)」とは何者なのか!?
ここでこの出来事が起きる数ヶ月前まで
時間を巻き戻そう。
ここは北海道にある大雪山連峰の山々が連なる旭岳の山中のある洞窟。
その中に1人の青年が洞窟の空洞にある少し
地面がせりあがり人が1人座るのにちょうどよい部分に結跏趺坐(けっかふざ)で鎮座していた。
青年はいつからこの洞窟にいるのかわからない。
ただ言えることはかなり前からここにいて
瞑想し続けている。
この青年は現在生命活動を停止していた。
仮死状態なのだ。
だがそこに青年の霊体のようなものが肉体に返ってきて憑依した。
と同時に眩い光りが放たれ青年は口にした。
「嵐は去り天地創造に至るか。」
「オーム」という言葉を発すると同時に
彼の体が宙に浮くと青年の体を中心に放射線状の眩い光りが幾重にも放出され洞窟のある山が一瞬で消滅した。
土煙が上がる中、その中から立ち上がる人影があった。
GUZE(グゼ)である。
第2話 完
※まだ題名のない小説より続く
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