第12話 久しぶりのワクワク ~夏実~
珍しく休日の朝一番にポストを確認したら、タイムカプセル企画の案内が届いていた。
この間部屋を片付けていたときにタイムカプセルのことを思い出していたから、自分に予知能力でも身に付いたかと思い少し驚いた。
翔太と会ったり、タイムカプセル企画という同窓会の案内が届いたり、ここのところ新しい風が吹いている。淡々と過ぎていた日々に色が出てきた気がする。
タイムカプセル企画はお盆休みにかかる土日に企画されている。私の会社はカレンダー通りに休みがあるため、参加できる!嬉しい!
翔太は参加するのかなぁ。
やはり翔太のことを考えてしまう。私は翔太のことが好きなのだ。この前電車で会っただけなのにちょろすぎる。
社会人になってから、会社以外の人との交流がなくなっているなかで、あんなイケメン青年と話すなんて、私には刺激が強すぎた‥。
「あー、この前翔太にあったときに結婚してるかどうかだけでも確認すればよかったー!」
部屋で言い捨てた。
私はいわゆる陰キャだ。
アラサー独身陰キャから脱するため、タイムカプセル企画では、がめつく翔太にアプローチでもすればいいのだろうけど、私にはそんな勇気はない。フラれて傷付くことも、いまの自分には耐えられない。
目の保養として、推しに会えるというだけでいいのだ。
使い道もなく貯まる一方であったお金をつぎ込んで、攻めすぎないおしゃれをしていこうと決めた。そうとなれば、早速ショッピングだ!
休日にワクワクする買い物をしに行くのはいつぶりだろう。ずっと肩に乗っていた重りがすこし軽くなった気がした。
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