第二章

 次の日、昨日の出来事が忘れられなくて、また公園に足を運んだ。昨日より少し膨らんだ月が、昨日と同じように南の空に浮かんだ。

 『美奈ちゃん』

 急に隣から声がかかり、目だけを動かして隣を見る。そこには昨日と同じようにガブが座っていた。

 『え?どこから来たの?気配全く感じなかった』

 『・・・。それじゃあ、昨日の続きを話そうよ』

 緊張感なんてまるでない声でそう言った。

 その様子に、ガブに驚かされて困惑した自分がばからしくなって、一つ息をついてから頷いた。

 『美奈ちゃんはいつもここに来るの?』

昨日と同じように月を見ながら、今日はガブの方から聞いてきた。

 私も月を見ながら答えた。

 『いつもは来ないけど、最近無性に月が見たくて・・・』と言った。

『昨日のことが忘れられなかった』なんて恥ずかしいことを言えるわけもなく、嘘をついた。

 ガブは『そっか』と残念そうにつぶやいた。

 どうしてなのかは分からない。

でも、気が付いた時には言ってしまっていた。

 『でも、明日からは毎日来るよ』

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