36. 管理人さんと引っ越し
36. 管理人さんと引っ越し
今日は雪菜の引っ越しの日。私は雪菜とともに荷物を運んでいる。なぜか北山さんが手伝ってくれているけど。というか雪菜がなんで北山さんの連絡先知ってるの?なんか……気分悪いんだけどさ。
「これはどこへ運べばいいんだ?」
「適当に置いておいて」
「適当って……」
「ちょっと雪菜。それじゃ北山さんが困るでしょ?」
本当に北山さんに失礼なことだけはしないでほしいんだけどなぁ……。私だけでも迷惑かけてばかりなのに。申し訳ないよぉ。
「あれ北山さん?お姉ちゃんのこと見てないで次はあれ運んでほしいんだけど?」
「みっ見てないだろ!誤解されること言うなよ!違うんですよ真白さん。」
「え~?なんか『今日の真白さん、ポニーテールにしてて可愛い』みたいな顔してたけど?」
えぇ!?なんてこと言うの雪菜!?そんなことを思ってるはずないよ。そんな時、北山さんと目が合ってしまう。そして顔を背けてしまった。もう変なこと言うから、意識しちゃって恥ずかしい……。
「はいはい2人ともイチャイチャしない!」
「だからしてないだろ!?」
「私だって別にイチャイチャなんて……」
「ほらほらさっさと終わらせちゃおうよ!」
もうやめて~!雪菜それ以上暴走しないで、私の気持ちが耐えられないから!その後も引っ越し作業は続き何とか荷物を運び終わった。本当に北山さんのおかげだよね。やっぱり男手は頼りになるなぁ。
私はせめてものお礼に引っ越しそばを作ることにする。正直私が北山さんにしてあげられることがこれくらいしかないし……。
「お疲れさまです。今引っ越しそばを作るので良かったら食べていってくださいね。雪菜は北山さんに飲み物を出してあげて」
「はーい。」
そう言ってキッチンへ向かう。すると飲み物を取りながら雪菜が話しかけてくる。
「ねぇお姉ちゃん、北山さんと一緒に誕生日すごすの?」
「別に、あなたには関係ないでしょ?」
「あるじゃん。未来の義兄になるかもしれないのに」
「義兄!?」
そそそそっそんなことまで考えてないよぉ!だって北山さんは私のことなんて子どもにしか見てないはずだもん。でも本当にこの先……もしかしたら好きになってくれるかも?
そしたら……北山真白……いやーん。私ったらなに考えてるのよ!まだ正式にお付き合いもしてないのに!
とりあえずお蕎麦が出来上がったので雪菜に運んでもらう。
「雪菜~!お蕎麦を運んで~!」
「はーい。というわけだから頑張って!」
「頑張ってって何が?」
「ん?お姉ちゃんの誕生日。北山さん、お姉ちゃんに喜んでほしいから、色々考えてるんじゃない?」
えぇ!?北山さんが!?そんな……気をつかわなくていいのに。うぅ……どうしよう、なんかそんなこと言われたら、緊張してきたよぉ。とりあえず落ち着こう、うん、深呼吸深呼吸……。
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