24.　管理人さんと訪問

　私は今、北山さんのお部屋に初めてお邪魔している。

「汚くてすみません。」

「いえいえ。一人暮らしの男性ならこのくらい当たり前ですよ。それじゃ少しお掃除しますね。」

　はっ！なんか今の……私が男の人の部屋に入ったことあるような言い方しちゃったけど、違うの！本当に私初めてなの。誤解されちゃうよぉ。気にしても仕方ないし、とりあえずお掃除しなきゃ

「私、適当にお掃除しているので北山さんはお仕事しててください。」

「あっはい。」

　北山さんの執筆姿。初めて見たけど真剣な顔をしてて格好いい……あっ掃除掃除。でも気になるな……。そんな時私と北山さんは目が合ってしまう。もしかして私のこと見てた？

「あの……そんなに見つめられると恥ずかしいです……」

「すっすみません！」

　もしかして……エッチな本とかそういうのがあるのかも。あまり勝手に色々なところを掃除しちゃダメだよね……。北山さんのプライベートまで介入できないし。

「このくらいですかね。それじゃ夕飯を作りますね？今日はハンバーグですよ」

「ありがとうございます。」

　そのあとはハンバーグを作るためにキッチンに行く。すごく綺麗。自炊してないからだよね……。それからしばらくして出来上がる。美味しいといいんだけど。

「うまっ！！こんな美味しいハンバーグ初めて食べたかも……」

「そっそれは良かったです。」

　良かった。すごい美味しそうに食べてくれた。北山さんの食べている姿、なんか可愛いかも。食事を終えたあと食器洗いをする。ふとゴミ箱を見るとお酒の空き缶が捨ててある。北山さんお酒飲むんだぁ大人だ……。

「色々すいません。」

「気にしないでください。私が好きでやっているだけですから。あっ北山さんお酒飲むんですね？」

「ああ、たまにですよ。良かったら飲みますか？」

「いいんですか？私お酒飲むの初めてなんです！初めての晩酌ですね。」

　初めての飲酒は好きな人と一緒がいいってずっと思ってたから嬉しいなぁ。もしかして酔った勢いで……いやいや、いくらなんでもまだ早いよぉ。いやーん。真白ったら！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい