23. 小説家さんと訪問
23. 小説家さんと訪問
オレは今、真白さんを部屋に招き入れた。
「汚くてすみません。」
「いえいえ。一人暮らしの男性ならこのくらい当たり前ですよ。それじゃ少しお掃除しますね。」
真白さんはそう言って、床に散らばった服などを拾い上げて洗濯機の中に放り込んでいく。その手際の良さとか、綺麗な指先に見惚れてしまう……って!何を考えてるんだオレは!?
「私、適当にお掃除しているので北山さんはお仕事しててください。」
「あっはい。」
そう言われたオレは恋愛小説の続きを執筆することにする。執筆中、ふと気になって隣を見ると……なんとも言えない光景が広がっていた。
まず最初に目に入ってくるのが真白さんの太ももだ。そこから視線を上げていくと、胸元や下着が見えてしまいそうになる。そして顔を上げると真白さんの顔があって……。
「あの……そんなに見つめられると恥ずかしいです……」
「すっすみません!」
慌てて顔を逸らしたのだが、視界の端には真白さんの白い肌が映っていた。落ち着けよオレ。これは不可抗力なんだから気にしちゃダメだって……。
「このくらいですかね。それじゃ夕飯を作りますね?今日はハンバーグですよ」
「ありがとうございます。」
それからしばらくして出来上がった料理を口にすると、今まで食べてきたどんな料理よりも美味しく感じた。
「うまっ!!こんな美味しいハンバーグ初めて食べたかも……」
「そっそれは良かったです。」
照れ臭そうな表情をする真白さんを見て思わずドキッとする。やっぱり可愛い人だなって思ってしまうんだよなぁ……。
こうして二人で食事を終えたあと、真白さんは食器洗いをしてくれた。
「色々すいません。」
「気にしないでください。私が好きでやっているだけですから。あっ北山さんお酒飲むんですね?」
「ああ、たまにですよ。良かったら飲みますか?」
「いいんですか?私お酒飲むの初めてなんです!初めての晩酌ですね。」
え?マジですか?まあ酔わせてどうこうしようなんて思ってないけどさ……。真白さんすごい楽しそうな顔している……オレは絶対酔わないぞ。酔ったら絶対何かする自信しかないから!
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