17. 小説家さんと初デート
17. 小説家さんと初デート
今日は待ちに待った真白さんとの水族館デートの日だ。色々考えすぎて正直ほとんど眠れていない。
「集合時間は9時だよな。といっても真白さんの住んでいる101号室に行くだけなんだけど……」
うぅ……初デートってこんなに緊張するのかよ。オレの心臓が持つか心配なんだが? でも、この緊張感も楽しまないとな。これも恋愛小説を書くためだからな。
「よしっ」
気合いを入れ直したオレは部屋の電気を消してベッドから立ち上がる。そして部屋を出て階段を降りて真白さんの部屋に行く。
「おはようございます真白さん」
「はい。おはようございます北山さん」
うわぁ真白さんの私服可愛すぎる……。水玉模様のワンピースを着ていてめっちゃ似合ってる……。水色で清楚感が溢れているし。胸元には花柄のブローチをつけていて女の子らしい服装だった。
「あの……北山さん。そんなに見られるとすごい恥ずかしいです。」
「あっすいません!つい見惚れてしまいました!」
「み、見惚れた!?そ、その言葉はわたしにとって嬉しいものですけど……」
真白さんは顔を赤くしながら口ごもり始めた。……やばい、変なこと言ってしまった。今の言い方だとまるで変態みたいじゃないか!!違うんだ誤解しないでくれぇー真白さん!!
それからオレ達はアパートを出て電車に乗り、目的の駅に着いた。そこからはバスに乗って30分ほど。目的地である【海鳴水族館】に着いた。
道中は緊張してほとんど話すことが出来なかった……真白さん退屈だったかもな。はぁ。
「着きましたね。ここが水族館ですか……凄く綺麗ですね」
「そうですね。オレもここに来るのは初めてなので楽しみですよ」
「あの……私と北山さんはお付き合いしてるんですよね?」
「えぇ!?あっその……はい。擬似ですけど」
ど、どうしたんだいきなり?まさかやっぱり、おじさんとはこういうデートとかしたくないんですよね?とか思ってたりして……
「なら手を繋ぎませんか?」
「へっ!?」
突然の真白さんの発言にオレは間抜けな声を出してしまった。真白さんは少し俯いて顔を赤くしている…………可愛い。
でも。男のオレから言うべきだったよな。オレは意を決して真白さんの手を握る。
「そっそうですね!カップルですから!ははっ行きましょう真白さん!」
ダメだ。もう真白さんの顔を見れない。手汗ヤバいかも。あぁもうなんでこんなに意識してしまうんだよぉおお!!!
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