廃墟(村)

 時間をかけて崖に近い岩場を下っていくと、森林が伸びている。

 更に奥には、明かりのある集落が目についた。

 さしたる危険もなく、集落の入り口までたどり着く。

 そこは、農村だったのだろうか。

 人の姿は全くないが、森が伐採ばっさいされ、畑が開拓されている。

 ただし、その畑は雑草が生え放題であり、廃墟はいきょの村の中心部には墓石が数十以上、等距離で並んで四方形の墓地と成っていた。

 不自然なまでに均一な墓地だ。

 そもそも、誰がこのように死者(?)を埋めたのか。

 びて役に立たなくなっているであろうくわすきなどの農具が、複数の建物に立てかけられている。

 墓地の他に目につくのは、松明のある建物。

 進行方向から、一番奥にある一軒家だ。

 造りは他の農村の廃墟と、そう変わらない。

 ここを新しい拠点にして、何らかの探索をせよ、とでもいうのだろうか?

 まずは松明の建物に入ってから、他の建物も見てみよう。

 そう考えた。

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