異世界の召喚術士 〜チートスキルは付与で!?︎異世界から来ました!助けて下さい!〜

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

タイトル:異世界の召喚術士 〜チートスキルは付与で!?︎異世界から来ました!助けて下さい!〜

「…………何これ」


はぁ……

「まーた変な夢を見ちゃったよ……」

ここ最近毎日だ。何かの予知か、予言めいたものなのか。俺は昔から時々こんな夢を見る。別に予知夢でも未来視でもないんだろうけどさ……。

ただ、最近は本当に内容がリアル過ぎて少し気味が悪いんだけどね……。

だって毎回起きる直前まで何をしていたのかとか覚えてる訳じゃないから、気が付いた時にはもう違う場所に居るんだよな……。なんかこうやって思い返していると夢の中の話とは思えない程に色々と覚えている気がしてきたぞ。………… あ〜やばいやばいっ、早く学校に行く準備しないと!今日は何曜日だよっ!時間が無いって言うのに。

「おーす。またお前寝坊?」

はよ行かんかい、ボケ。

こいつは親友と言っていいのかわからない程の悪友である鈴木 悠介だ。顔はそこそこ整っているが、その性格のせいで全くモテる気配がない残念系男子だな。……それにしてもなんでコイツは俺と同じ時間帯なんだ?同じ家から出てきたとは到底思えないくらい時間に余裕がありそうだが。……あれ? ふと隣を見てみるとそこにあるはずの人影が無い。

(おかしい、いつもならこの辺で会っていたはずなのに)……そう思って周りを見ると少し先に後ろ姿が目に入った。

(おっせぇーわ。マジで死ねばいいのに)

(……そんな事を考えているなんて死んでも言わないから)

心の中で呟くと同時に向こうも振り返った。

こいつ、何言ってんの? みたいな顔をしてんのやめろや!

(あっ、しまった……声に出てたか?)

うんうん大丈夫だよな。多分大丈夫。

(はぁーまじか、絶対聞こえてんじゃねぇーか)

「え?いやいや何の話だよ」

おいやめろよ。

何考えてるかわかっちゃうじゃないか。

頼むぜ親友……。(いや、知らんし!何考えとんねんワレェ!!)

「なんでもないですよ」

よしこれで誤魔化せただろう、と思いながら返事をしたのだが――。

「そか。それより急げよ。遅刻するぜ?」

(いや待てや。なんじゃ今の思考の変わり様は。明らかに怪しいじゃろが。ええい、仕方がない、強行突破あるのみだ)

(ちょっと何やってるんですか、ダメでしょう!? ちゃんと説明してください。じゃないと私まで怒られますぅー!!!)

おいおい勘弁してくれ。今まさに俺は走ろうとしただけなんだってば。

(なにそれ意味わかんないし。っていうかなんでバレてるのよ!)

(当たり前ですぅ!何年あなたの幼馴染をしていると思ってるんですかぁ? もう慣れましたよ。というか隠す気も無いんですよね?)

あぁ〜はいはいわかったよ、説明するよ、説明すれば良いんだろ。

はぁ〜ほんっとにめんどくさいな。なんでわざわざ隠そうとするかね。俺の気持ちにもなって欲しいよまったく。まあ理由を言おうとしまいと関係無くこいつはついてくるんだろうけどね。

「ああもう分かったよ! だから一緒に登校しろ!!」

はいどうも、毎度お馴染み神崎 真守でございます。本日もご機嫌麗しゅうお過ごしでしょうか。あー嫌だ嫌だ、こんなクソみたいな口調はお止めしておきましょう。あーさっぱりした、やっぱり普段通りに喋らせていただきますわ。あー楽ちんらくちんだよ〜☆ という訳にはいかないらしいですね、すみません。でも俺は悪く無いよね? こんな風に考えちゃうくらいイライラしていたのです、はい。それは何故かと言いますとお分かりの方もいると思いますが先ほど起きたばかりだからなのです、はい。寝起きドッキリという事で許して貰える事を願っています。

さぁさぁ現実逃避はこれくらいにしておいて。とりあえず現在の状況を簡潔にまとめるとしよう。まず一つ目にここは見知らぬ部屋だった。次に二つ目に目の前にいる人達も見知らぬ人だった。さらに三つ目、全員知らない服を着ていた。最後に四つ目は、皆の容姿だな、はい終わり。どう考えてもこの人たちは日本人じゃないな。そもそも俺と同じ言葉を話しているように思えないからな。

(あれこれ俺終わったかも?)

(はぁ〜もう!本当に真守さんって人は〜)

そう言った後に、隣に居た幼馴染みの女の子に呆れられて溜息をつかれてしまったのである。ちなみにこの子は、名前は『アリシア』と言うらしく見た目は金髪のロングヘアーで綺麗なお姉さんの印象を受けるような女性なのだが中身はしっかりしていて真面目で優しい人なのだ。でもその分怒られる時は本当に怖いんだよ。

「はぁ〜」

またも溜息を吐かれたのだがこれは完全に怒っていらっしゃいますわ。やっべ〜なぁどうしたらいいと思うよ、お前?

(自分で考えて下さい。っていうか、早くしないと本当にマズイですよ。早く謝りなさい。そして私を助けて下さい!お願いします!)

(はいはいわかったわかったよ)

うぉっ!? めっちゃ早口になったなこいつ。

(ってかこいつ誰だよ)

(何言っているんですか!私じゃないですかぁ〜もう忘れちゃったんですか?)

ん? こいつ今何って言いました? なんか変な言葉を聞いたんだけど?

「おいおいちょっと落ち着けって」

あ、こっちの世界では普通に話せるんだな、良かったわ、これでまた謎の言語で話し出されていたらとんだピエロ野郎になる所だよ、まじあぶなかった。

「おい」

なんかめっちゃ殺気立ってる。こえぇよ、怖すぎ。

「お前は何をしているのだ? はぁ〜」

(ちょっとちょっと、何やってるんですか!? ちゃんと謝ってください! ほら頭下げてください!!)

「あ、はいっ、すいませんでした」

え?何この状況。めっちゃ怖えんだけど、めっちゃキレてるんだけど!

(おいこいつやばいぞ。早く逃げないと殺されるぞ。っていうか殺されたくない!死にたくありません! 誰か俺を守って!助けて!)

(何が命に代えても守るだ、バカタレ。ふざけるな、私はまだ生きていたい。っていうか、あなたが勝手に死んじゃえばいいんじゃなくて?っていうかなんでいつも私の事見捨てるのよ!!)

「はっ?お前何を言って――」

――ゴチンッ!!! いったあああ!頭が痛い。しかもこいつ本気で殴って来やがった。

(この馬鹿者! いい加減にしないと本当に死ぬぞ? お前には私が憑いている。それに、この子なら大丈夫だ。私は彼女のことを知っているからね。)

(あ〜そうなのね。でもこいつめちゃくちゃ怒ってない?)

(うむ、相当頭にきているようだ。だが今は耐えろ。あとで説教をするぞ)

(うえ〜勘弁してくれよ。お前俺の身体なんだぞ。もう少し考えて行動出来ないのかよ。はぁーマジでめんどくさいな、こいつの説教)

(なぬ?聞こえておるぞ! 貴様!)

(聞こえてんだよ。てか、俺の身体返せ)

「「あ?」」

あ?じゃねえよ。こっちだって言ってんだよ!! ったく、めんどくさいなー。

はい、どーも神崎 真守(かんざき しんすけ)です。只今の時間なんと朝の6時30分であります!まだ日も出ていない時間帯に目が覚めた俺は絶賛絶望しております。え?何故?どうして朝早くに起きているのか?その答えはこの家の中にあるんですよ、これが。まぁ、ぶっちゃけますと俺の家は一軒家で家族三人で住んでいました。父親は単身赴任中で海外に行っておりますので現在は母さんと妹と俺とで住んでいるわけですね。ちなみに妹の名は、真美でございます。

まぁーその家の中にいるのが問題なんですわ。何でこの時間に俺がこの家に居るのかって話ね。俺、この家から出ると何故かこの世界の人に認識されないんだよね。何でなのか未だにわからないし原因も不明だしでマジで意味がわかんないんだよ。俺も初めは何でだーとか思って焦ったりもしてたんよ?でもさー何回も外に出ようとした結果、何の問題も無く外に出ることが出来てしまうのよ、何故かなー。はい、ここで俺は考えます、え? そんな事あり得るの?っていうかなに?俺だけ見えて他の人には見えない的なやつなの?いや、マジで意味わからんし。

っていうかなに?ここどこよ?見た感じ中世のヨーロッパ辺りの町みたいだね、多分だけど、ううん絶対に日本じゃないよな、うん。

そんな風に考えていた時に家の扉が勢いよく開いたかと思うといきなり怒鳴られた。

「さっさと起きろ、バカモンが!」

そう言った声の方に視線を向ける。そこには鬼のような顔をしているおっちゃんがいた。

(おいおい嘘だろ?なんだよこのおっちゃんの顔。顔からして完全にヤバい系のおっさんじゃないか。って、お? あれ?もしかしておっちゃんだけ?あの女の人も、男の子もいない?)

(はい。いませんよ)

(うーわー、超ハズレくじ引いた気分なんですけど〜っていうかなんなんよこれ?)

(はいはい文句言わずに仕事に行ってください。っていうかそろそろ行きませんと本当に遅刻ですよ?)

(あああああああ、そうだった! クソォ〜)

俺って結構ギリギリに起きるタイプの人間なのよ。

「はい!おはよーございまーす!!」

「おはよう、神崎君」

あ、そういえば名前を言い忘れていたな。まぁいっか別に気にすることでもないしね、あははは。

まぁそれはそうと今俺は学校の玄関に来ておりまーす。まぁね正直に言うとだね、さっき起きたばかりで全然頭働いてないし、今日何があったかなぁーって思い出してる最中です、はい。あ、ちなみに俺が通う学校の名前『東聖高校』です。あーそうだね、これってなんて読むか知ってますかね? そう『とうせいこう』っていう読み方をするんですよ。え? あぁ漢字は普通ですね。ちなみにこの学校で俺は『勇者』として通っているんだぜ? かっこいいだろ?

(はいはいその通りですね、かっけーかっけー)

適当にあしらいやがってこのやろう。

(でも実際どうしようかね。これから)

(ん?どういう事でしょうか?)

(だってよ〜、このままこの世界に居たらいつか絶対捕まるだろう?いやだねぇ〜)

(んん〜それは否定出来ませんけど、それはしょうがない事だと思います。真守さんが悪い訳ではないので。ただ一つ言わせていただいてもよろしいでしょうか?)

なにを言われるんだろうか。なんか急に真面目な雰囲気になった気がするんだけれど、これって俺怒られるの?嫌だよ?俺の中身男なのにこんな女の子みたいな事されるって恥ずかしいし。

(あぁ構わないぞ)

(はぁ~、ありがとうございます。えっと真守さん? まずは自分がどれだけの有名人かを理解して下さい。真守さんはその世界で『伝説の勇者』って呼ばれている人なんですから、当然注目も浴びています。それに今現在あなたの存在は国の中ではかなり話題になっています。なのでいずれ捕まりますよ?覚悟をしておいた方がいいかと)

(はい、分かりました)

まじかよ。ってか何で?俺何も悪い事していないんだけど。それにしても、この子怖い。なんなのこの圧。なんかめっちゃ怖くなってきたんですが、この子怖い、やばいよこの子まじで怖い。っていうかさっきから気になっていたんだが。

(お前だれ?)

(私ですか?私ですかぁ〜ふふ、今それを聞きますか?)

(あぁ、なんか雰囲気が変わったので。あと、ちょっと怒ってる?かな?って思ったので一応聞いておきたいと思って)

(え? あ、はい、怒ってます。え?それだけで分かったんですか?あ、えと申し遅れました私は女神アリアと申します。えと神崎 真守さんの事を守護する者でございます)

え?なにその反応、もしかして神様?っていうことはここは神の世界なわけ?うーむ理解が追いつかないぞ。それに俺のこと守ってくれてるのか?なんという事だこれは!

(おいおい、そんな重要なことを教えてもらっていいのかよ)

(あーえとーはい、もう大丈夫ですよ)

(そうかい。俺の名前は知っているんだよな?)

(はい、もちろん存じております。)

(まぁそうか)

(で、では私は失礼します。えと頑張ってください!応援しています!また困ったことがあったら私に相談していただければ力になりますので、いつでも呼んでください)

(おう、了解した。まぁまた機会があればな)

え?めっちゃフレンドリーじゃなかったか?っていうかなんで俺の思考を読み取れるの?怖くない?

――ドッゴオオオオーーン!!!

「うわあ!なになに!?地震?」

なに?なんだ!爆発音が聞こえるんですが。しかもめちゃくちゃうるさいぞ。

ってかこれやばくね!? おいおい、俺の身体ってどんなチートなのよ?俺も見に行きたいのだがどうやって行けばいいんだ?うむむ、俺の身体って何者なんだよ!俺には全くと言っていいほどに心当たりが無いぞ。うむむ、こういう時はだなーよし。あの人に聞くしかないよな! よし電話するか。

プップップップップ

『もしもし、どなた?』

おぉ出たぞ。流石だなこの時間にも起きていたのか。いやー俺が起きてから2時間半ぐらい経ってるはずだけどこの人の寝起きはほんとにすごいよな。俺も見習った方が良いのか?いやいやそれはないな、うん。だって俺だぜ? うんうんやっぱりやめておこう。うん、絶対に無理。うん。あーでもこの人って俺よりも全然早く起きるよね。一体いつまで寝てんのよ?って感じでいつも思っているのである。

そんな事はどうでもいい。本題に入るとしようか。

『おはようございます。朝早くすみません』

『あら、珍しいじゃない真守から電話をかけてくるなんて。何かあったの? っていうか今外よね? なにしてんのあんた』

お?察してくれたのか。助かる。いやまぁ普通わかるよね?俺の家の近くって森じゃん?森の中にいるんだよ、うん。そして今絶賛戦闘中なのだ。この人が言うには俺ってめちゃくちゃ強いらしいんだよね。だから俺が戦えば一瞬で終わるのよ。だけど俺はなるべく自分から戦いに行くタイプではないんだよ。ほら、俺弱いからさ。

『あ、はい。そうなんですよ。実は俺、今魔物と戦ってるんですが助けていただけないでしょうか?お願いできますか?お姉ちゃん』

そう。おねーさんは俺の義理の母親に当たるのだ。年齢は俺と同じ25歳なはずなのに全くそうは見えない。まぁそれはそれで魅力的なんだけどな。見た目は身長165センチくらいで顔は美人、体型はモデルみたいな感じかな。うん完璧ですわ、ありがとうございます。髪の色は綺麗な黒髪を腰辺りの長さで切っていて少し茶の入ったようなそんな色をしている。あ、お化粧もしてるんだよ。でも俺の前では素の自分でいるのが一番落ち着くとかなんとか。

まぁとにかくそんな素敵な人です。でも、怒らせるとまじで怖くて、お化け屋敷で例えるならこの人はお化け役をやらせた方がいいと思うんだよ。それ程までに恐ろしい人だ。うん。でも優しい一面もあるんだよね。

『えぇいいわよ。ちょうど暇を持て余してた所だったから。今すぐ行くわね。それと今すぐに家に帰る準備をしなさい』

『はーい』

よーし終わったぞーって、あ、これめっちゃ楽しいやん!まぁね、俺が全力で殴ると大体のものは粉々になるんだ。それに相手は動物とモンスターだ。俺はただひたすらに殴るだけ。あ、そういえばさっき俺の拳ってとんでもない事になっていたんだけど、なんか衝撃波?っていうのが出て、なんか周りにいた鳥達がバタバタッて倒れたりしてて、ちょっとした騒ぎになってるんだよな。なんか周りの人からしたら、俺はいきなり消えたと思った瞬間には遠くで血を流しながら倒れてる奴がいる、みたいな状態だと思うんだよ。

あーなんかめっちゃ楽しかった!俺ってこんなに喧嘩っ早い性格してたか?いやいやしないね、断言できるね、絶対俺は暴力と無縁の平和な生活を送っていたよ。ん?あれってもしかしたらやばくないか?なんとなーく嫌な雰囲気が漂ってきたんだが。ま、まぁ気にしない方向でいこう。そ、そうだ!この調子で他の人たちを探せばいいんじゃないか?この世界に転移してしまった原因を知っているかもしれないからね。

よし頑張ろう。ん〜まずは誰に会いに行こうかな。

うーんやっぱり最初はあの人だよな。よし決めた。

プップップ

「あ、もしもしお久しぶりですね、神崎 真守と言います」ん?どうした?え、あぁ〜はい。

分かりました、今そちらに伺いますね。はい、分かりました。ではまた今度よろしくお願いいたします。

ん?どうした?って聞かれたんだが。え、あ、あぁ俺の名前言って無かったわ、そりゃ分かる訳ないよな。はは、恥ずかしいわーめっちゃ恥ずい、やばいぞ、めっさ緊張するんだけど。うぅやばい。どうしよう、どうする俺。えっと、名前を言う前にまず挨拶だな、うむ、それが良いだろう。あ、なんかすげー見られてる、なんか凄く見られてる。俺なにした!?なんなの!めっちゃ怖いんですけど!まぁ良いか、とりあえず名前は言わないとな。よし言おう、覚悟を決めた。俺は口を開いた、声を絞り出すように言った。

「こ、こんにちは。神崎 勇也です。よ、宜しく」

よし言い切った。うわ、すげー視線を感じるぞ。あぁなんかめちゃくちゃ見られてるんですけど。え?俺ってなにかしでかした!?え、マジなにこれ。え?ちょ、やばくね?え?これどうしよう。誰か説明してくれませんかね?え?俺が悪いのかな?え?も、もしかして俺が知らない間になにかやったか?え?まじかよ。はい?え、なにこの空気。やばくね?もう帰りたい。うーん。俺って本当に何やらかしたの?ねぇなんなのこの状況、やばすぎて俺の語彙力が無くなってきてしまっている。

――コンコン はーい。ってえ?はいぃーー?あ、あのーーどちら様ですかーー?え、なんでいるの?はい、そうですよー!この人は私の義理姉なんですよー!あ、はい、はい、そうなんですよー。はーいわかりまーしゅー!はいーはいはい、そうですよねーー!お世話になっております、いつもありがとうございます。今後ともよしなにしてやってくださいませー。はーーーい。はいーーー、承知しましたー!はーい!お待ちしておりますー! ふぅ終わったな。まさかお隣さんが義理姉の知り合いとはな。しかも仕事仲間だとは思わなかったわ。

「はぁぁぁああ、お疲れ、俺、あっちに行ってくるよ。」

俺の気力は尽きかけていたのであった。

『もしもしー?どうしたのー?え?あぁー!ごめん、私今日行けなーい。いやーその日用事が入っちゃったんだよねー。うんうん、そうなんだよ。はいはいはーい』

うぉーこれはびっくりだな、あの人がドタキャンとかありえんのか?明日世界滅亡しそうで俺超ビビったんだけど! でも良かったぜ、だってさー俺って1人じゃん?やっぱあの人と離れるのって結構寂しいじゃん? あーなんか久しぶりに独りぼっちだわ。でもなんか落ち着くんだよな、これが不思議だなー。まぁでもあの人が来てくれないのなら、他の人を探さないとダメなんだが。まぁとりあえずこの人についていって、それからこの世界を冒険していくのもありかもしれねーな。よし、頑張るぞ! あーどうやら俺達、森の中に居るらしい。この人、この森に住んでるらしいんだよな。なんかすごいよね、この人。なんでもできる人って感じでかっこいいわ。

この人に付いていく事に決めてから2時間くらいたったのだが、この人のスピード早すぎる。いや、早いのはまだ許せるよ?だけど歩く速さが尋常じゃないんだよ。普通の人なら30分位かかる所も、15分で着いたりしているんだよね。うん普通おかしいよね?でも俺には普通に見えるから別に問題はない。うん。多分これもスキルの影響だな、うん、絶対そうだ。

「おい勇者!いつまで待たせんだ!!お前はほんと使えない奴だ。俺に従えないっていうのか?」

え、急にどうしたのこの人、頭大丈夫なのかな。

俺って今ね、絶賛戦闘中なんですよ、だから待てないしそもそも俺には従う理由が無いんですよね。はい、無理ですね。というか貴方は誰ですか?俺には関係ない事だと思うんですが、それにあなたって魔王軍の関係者じゃなかったでしたっけ?え、なに、俺に攻撃する理由は?もしかして俺が邪魔な感じかな?うんうんうん。それは困る。

でもなんでこの人いきなりこんな態度に変わったんだろう。え、まじでなんでこんな感じになったんだ?え?意味が分からなさ過ぎて恐怖しか感じられないんですが。

え、俺なんか変なことでもやっちゃいました? やばいぞ、これやばい。え、まじでなに、俺殺されるかも。は?はいぃ?え、やばくね、俺、これ死ぬんじゃね?あ、これ終わったな、うん、俺終わった。さよなら現世。

俺は全力で走って逃げた。

「ちょっと待てよーー!あ、俺の奴隷にならなくていいから俺の配下に入れよ!」

俺の足って意外と遅いんだな。もっと速くなると思っていたんだけど。てかあの人から逃げ切れた事の方が驚きだったわ。いや、マジか、俺あの人からあんなにも距離離せれると思って無かったんだけど。あれ?やばくない?俺強くなってないか?いや違うな。俺は元からだわ。俺元々めちゃくちゃ弱かったもん。まぁとりあえず今は逃げる事が先決だ。俺は走る速度を上げた。そして走り続けて数時間が経過した時やっと俺達は街に着いた。俺はそこで一息つくために宿を取ろうと思い受付のお姉さんに話しかけるのであった。

「すいません、泊まれる場所はありませんか?」

『ありますよ!ここなんてどうですか?』

「あ、いいです。そこがいいです。」

『ありがとうございます!部屋は空いているのでいつでも入って頂いて構いません!それと当店は食事がとても美味しいですよ!お勧めです!』

おー!ご飯もあるのか。そりゃいいね、楽しみにしておくか。よし、じゃあそろそろ行くか。そう思って立ち去ろうとしたその時後ろから声をかけられた。

「ねぇちょっと、待ちなさいよ」

『お客様どうされましたか?』

どうしたのかな?あ、もしかして部屋を間違えてたりしたかな?うーん、もしかしたらそんな事があるかもしれないよな。いやー、あり得るなー。うん、きっとそうだ。

『あのーどうされたのでしょうか?』

あ、これはまずいな、どうすれば良いだろうか、うん。まぁいっか、とりあえず答えよう。それが一番良いと思う。俺ってめっちゃ良い子だし。あーどうしたんだろうね、俺に聞きたかったのかな?でもそれだったらわざわざ聞かないよね。もしかしたら本当にどうしようも無い事を聞いているだけかもしれない。まぁ俺って結構優しいからちゃんと考えてあげるんですけど。

え?どうしよう?まじでわからないぞ。えっとここは、こういう時に言う言葉はなんだ!?えっとなんだ?うーむ。あ、そういえばなんか忘れている気がしていたんだよな。なんだ?なんなんだ。思い出せない、うむ、まぁいっか。それよりも今は考えないと。一体俺はなにを聞きたかったんだ?え?え?え?まじなに言ってるか分からないんですが。どういうこと?え?あ、え?そういう?そういうことかなるほどね、はい了解いたしました!なぁんだ俺の事心配してくれてたんですね。

「あんた私達に何か隠してる事あるんでしょ?」

は?なに言ってくれちゃってんのこの人は。もしかしなくても俺って嫌われてますかね?でもなんでだろう。全く理由がない。あ、まさか!こ、この人も実は男だったのか?あ、あ、あ、あ!なるほど!だから俺と一緒で嫌な気持ちになっていると!なーるーほーどー。まぁとりあえず、謝っておくのがベストだな、はい。そうしましょう。俺って超良い奴だよなー。だって自分から先に頭下げるんだぜ?あー俺が女の子だったら絶対惚れるな、俺かっこいいわ。

「え、な、何のことか全然分からないんですが、」

『おやおやー、お客様、隠し事はいけませんよ?私はこの店の主人でこの国の宰相をしているんですよ?嘘は通じません。それに勇者様はいつもの事ですが他の2人もおかしいのは一目瞭然ですよ』

へー、この人は国王の側近だったりするんだな。

え、俺やばくね、やばくね。え、俺この人の機嫌損ねるようなことでもしでかしたか?でも正直何もしていないはず、なのよなー。なんか最近変な事ばっかり起きるなー。って思っていたら俺ってやっぱり呪われているんじゃないのか?って思ってしまっている。うん、呪いって怖すぎ。

あ、もしかしたらこの人って、俺達の事調べて、俺がここに居て、しかもなんかこの世界に来たばっかなのになんか凄いレベル上がってるし。なんか勇者っぽくなってるし、なんかもう、あれこれやばくね?みたいな事を思っているんだな、多分。でもさすがにそこまで考えて無いよね?え、でもこの人なら、やりかねないよな?やばいやばいやばい、なんかこの人なら俺達を消そうとするのが自然すぎる、あ、やばい、これって普通に殺されてしまう流れなのでは?やべぇ、やべえよ。でもどうやって切り抜ければいいんだよ。俺には全く思いつかないぞ。どうする、どうすりゃいいんだ。

「おい勇者お前、あの女の言っている事に心当たりはないのか?」

『勇者様は少し怪しい行動をしていますね。この国は勇者様に救われたというのにこの対応は何なのでしょうか。勇者様のこの力に怯えてしまっているのかもしれませんね。それに勇者様なのですからこの国を導かなければいけないでしょうに。勇者様はどうしてこんな態度を取ってしまったんですか?』

やばいやばいやばい、なんかどんどん話が進んでるんですけど。

てかなんだよこの人、普通に強いんだけど。てかこの国のトップよりめっちゃ強そうなんですけど。え?なに?もしかしてこの人って俺よりも圧倒的に強いんじゃないか?でもなんか雰囲気的にそんな感じがするんだよ。あ、でもなんかちょっと違和感がある。

『えっとですね、僕は確かにこの人達には言えない事があるんですよ。だからって殺そうとかしないでくださいね。それに、僕が皆さんに言いたい事って本当に簡単な事なんですよ。僕の事を見くびらないで欲しいんですよね。まぁこれは仕方ないかな、と思っているんですけど、あと1つ。この国の王とか宰相とか偉い人にはあまり近づかないで欲しいんですよ。これはまじで切実に願いたい。いやほんとまじで、まじですから!それだけはお願いしますよ!ほんとまじで!なんでかって聞かれても説明できないんですが、とにかくやばいんですよ!あ、え?あ、うん、そうそう。そういうわけなんです。ではそういう事なのでよろしくおねがいします!』

あーこれ終わったかなー?てかなんで俺って今めっちゃ流暢な喋り方しているんだろうな。自分で自分が怖いよな。いやーマジでこえーわ。

あーでもこれはまじで終わってしまうかも。

いやー、俺の平和な日常がぁぁぁ。俺がこれから頑張ってハーレム作って楽しく暮らすはずだったのに。

「ちょっとあんた!いい加減にしなさいよ!」

ん?今度は一体なんですか?俺もうどうしたらいいか分からなくて困ってるんですが?いやまじでどうしたらいいのよ?

「あなたね!私達は命の恩人であるあなたに対してそんな態度をとる気は無いのよ!」

「その通りですわ!」

『はい。申し訳ございませんでした。』

「あんた!もっとはっきりしなさいよ!なんなのよ!」

は?なんでこの人が怒られてるの?おかしくね?だってあの人たちの方が年上なんだよね?いやいやまぁ俺って結構子供っぽいからな。しょうがないかもしれないけど、でもなんで俺に言わずにいきなり怒り始めるのよ?

「あ、あの!私は全然気にしていないので!大丈夫ですよ?」

あーなんかめっちゃ怒ってるよ。なんか俺めっちゃ睨まれてるんだけど。なんか俺悪い事したっけ?いやしてねーな。だって別に何も言ってねーもん。なんか勝手に切れ始めてんだけど。まぁいっか、俺は悪く無いんだったらこのまま逃げてしまおう!そしてこの国から出ることにしよう。

「え?あ!待てこら!逃げるんじゃないわよ!!」

「そうですわ!ちょっと!待ちなさい!ちょっとー!!!」

『お客様失礼いたしました!何かあったら当店にすぐいらっしゃって下さい!サービス致しますので!!』

うぉ!?こっち来たー!こわいこわいこわいこわいこわい!! はーやっと撒けたか?なんとか上手く行ったようだ。あー怖かったー。まぁあんなのに捕まるはずも無いんだがな。でもあいつらも結構強かったよな。もしかしたら俺が本気出したら一瞬で倒せるかもしれねぇな。ははは。うん。そうだよな。まじでやばいわ。なんでこんなにレベル高いんだ?もしかして、もしかしなくても、この国のトップレベルの人にも勝てる自信あるぞ。はは。俺まじで何者なんだ?やばすぎるだろ。俺ってなんかとんでもない力を手に入れちゃった気がするぞ。

でもまぁ俺はこれからは平穏に生きていきたいのである。なんか俺に喧嘩を売ってきたやつがいて、なんかよくわからないけど、そいつらに復讐して、みたいな事をする暇があったら、俺がしたいことはただ一つ。

俺は女の子にキャッハウフフな青春を過ごしたいのである!そのためには、まずは金を稼ぐ事が最優先だろう。

俺は今までの人生において女の子に好意を持たれた事はないし、女の子と話す事もあまり無かった。だから俺は、女の子に告白なんて絶対に出来るはずが無いのだ。という事で、俺の野望を達成するためには金が必要なのである。

ということで今日からはバイトを始めようと思う。もちろんお金がたくさん貰えるようなところじゃないとだめだ。だが俺は高校生なので雇ってくれるところが限られているだろう。うむ、どうするか?やはりコンビニのレジだろうか?いや、そんな事でいいのか!?そんな事だったらすぐに出来てしまうので、全く面白みに欠けるし。でもやっぱり俺にはこれしか思いつかない。よし!ここは覚悟を決めていくしかない。頑張れ真守、負けるな俺。

さーどんなバイトがあるんだろうなー?楽しみだなー♪ ーーーーーーーーーーーー お知らせです!皆様に是非読んで頂きたいのですが、もし良ければ星を入れてほしいと思っています!よろしくお願いします!

☆とフォローぜひお願いします!!!! 真護達が去った後のお話です。

〜勇者side〜

『はー疲れましたわね』

『ほんとだよなー。まさかここまでとは思わなかった』

『ほんとよほんと。私たちが死ぬかもしれないって時に他の女の事ばっかり考えてるんだから。ほんと信じられないわ』

そう、彼らは先ほどまでの会話が、実は全部嘘だと知っている。というか教えて貰ったのであった。

彼ら2人は勇者としてこの世界に召喚され、この国の王直々に訓練を受けてきたのだ。

しかしある日、突然訓練中にこの国最強の剣士に呼び出され、そこで真実を聞かされたのである。それは彼らの勇者としての使命を完遂するために必要な事であり、その事を知らなければ、彼らは勇者としてはまともに機能する事ができないので当然なのだが。

『なぁ、この世界って思ったよりも平和なのな。』

『そうよね。私たちの出番無いかもね。』

『ほんと平和すぎるよなー。魔王が復活するまであとどれくらいの時間があるんだ?もしかしたら俺たちもう必要なくね?』『まぁまぁ、そう落ち込まないでくださいな。それにしてもあの方たちはいったい何なのでしょう?とても人間族のようには見えませんが。もしかしたらこの国に危機をもたらす敵なのかしら?そうなれば早く排除しないといけないですわね』

『そういえばさ、俺が聞いた噂ってどうなったの?』『あー、なんかこの国の王様とこの国の宰相が最近おかしいって奴ね。それならこの国のトップはあの方に決まりでしょう。それに、どうやらあの方は勇者様のお友達のようなので、勇者様の関係者ならばきっと信用できますよ。それに勇者様はこの国の危機を救うためにここに来てくださったのですから、信頼関係は必要になりましょう。それが例え偽りだったとしても。』

『ふーん。確かにそうなるのかもね。でもなんかあの男、胡散臭いのよねぇ。なんでか知らないけど凄い嫌な感じがする。』

『おいおい、やめてくれよ、俺にはどうすることもできないだろ。』

『あら、あなたでも無理なのね。じゃあいいわよ、諦める。でもこの国の王には気をつけなさいよ。絶対何か隠している。それに私達の事を利用するつもりなんだわ。だって私がいくら頑張っても全然手加減してくれなかったし、むしろ攻撃が強くなっていたし、多分だけど私達の成長率を上げるためにわざわざ強くしていたんでしょうね。だからあの方は絶対に油断できない相手なのよ。』

そう言うと彼女は王の部屋へと歩いて行く。

その部屋の中には王が座っていた。

「お主らよ。おぬしらが今一番欲しているものはなんであろうか?言ってみろ」

「そうですね。僕はお腹が空いているので食べ物が欲しいですね!」「私は武器でしょうか?」「僕はお金かな?欲しいものが沢山あるから!」

「おぉ、わかったぞ。今すぐ用意させる。ちょっと待つがいい。ところで貴女はどうなさるのですか?」

「私はお金があればいいですね!」

「そうですか、わかりました。すぐに手配いたしますので少々待っていて下さいませ。あぁ、そうそう。貴方達にこれを授けておきますので大切に使うといいですよ。これは身分証のようなものです。これを使えばどこでも入ることができるので是非有効活用して下さいね?」

王は懐から取り出した小さなカードを手渡した。そのカードはとても美しく銀色で輝いており、一目で特別だということが理解できるものであった。そこには自分の名前や年齢、性別や特技、スキル、ステータス、その他色々な情報が刻まれていた。しかしそれは真守がこの世界に来た時には持っておらず、そもそも持っていなかったのでこの世界の人が所持しているはずの物では無かった。そして何故かこのカードは自動的に文字が表示されており、誰の目にも明らかになっていた。それを見た彼らは、このカードは一体なんだろう?という顔をしながらもしっかりと受け取り、この国の王に感謝の言葉を伝え、この場から去っていった。

それからしばらくして食事が届くと勇者たちは食事を済ませた。その後は特にすることも無く時間が流れ、勇者たちが眠ろうとベットに入る頃。一人の男がやってきた。そして彼は静かに、そして優しく声をかけた。

「勇者たちよ。この度はよくぞ我が国に参られました。私はこの国の王、ダリアと言います。これからは何か困ったことが起きたり、相談事があったらいつでも私に相談してくださいね。勇者たちのためになることはできる限りしたいと思っているので是非遠慮なく頼って下さいね?それと私の事は気軽にダリアとお呼びください。では、お休みなさい。良い夢を。あぁそうそう言い忘れていましたがこの国にいる間は不自由の無いように過ごして下さい。それでは失礼します。おやすみなさい」と挨拶をして、王の執務室に戻った。

その後、彼がこの部屋を出たという者は誰もいないという。

〜真護side〜やばいやばいやばいっ!まじでどうしよう?まじでどうしたらいいんだこれ。

とりあえず、なんとか逃げ切ることが出来た。

いやー危なかった。本当にギリギリの所だったがなんとか切り抜けられたようだ。それにしてもなんであんなところにあいつらが居たんだ?それに、なんで俺はあんなやつらと一緒にご飯を食べてたんだろう?あれ?もしかして俺、洗脳されてるのか? まぁ、とりあえず、俺はこれからはあいつらに遭遇しないように生活しないといけないな。よし、決めたぞ!俺の目標! 俺は女の子とイチャイチャキャッハウフフの学園生活を送るぞ!そのために、まずは、女の子と出会って仲良くなって恋愛感情を持たせて俺と付き合いたいなーって思うようにさせなきゃな!よし!頑張るぞー!! あ、なんか急にやる気がなくなってしまった。俺のテンションおかしくないか?なんか疲れたわー。

俺は寝ることに決めて布団に潜り込んだ。

〜〜side〜〜end〜〜 真護side〜 やばいやばいっやばすぎやろ。なんでこないな所に魔王の幹部がおんねん?しかも二体とかありえへんやろ。

あ、魔王っていうのはこの世界を恐怖のどん底まで落とそうと企んでいるやつの事ね。そいつらは魔王の部下みたいなもんで魔王の命令で俺達勇者を倒すのが役目みたいやな、でもまさか幹部とこんな所で会ってしまうとは思ってもみなかった。これはかなり運が悪いな。でもまぁ倒せないこともないよな。多分。

よしっ。俺に任せとけって感じで行ってみよう!いざ行かん魔王のもとへ!!ってなわけにはいかないよなー。流石に今のこの状況で突っ込んで行ったら確実に死ぬよな。うん、どうしよ。あーでも、このまま放っておくのもなー、まぁ、今は様子見かな?よし、今日はゆっくりして明日から頑張ろう。

〜〜side〜〜end〜〜

『あー、お腹すいたなー。』

(もう!なんなのこの人?なんなのこの男!?なんでいきなり目の前に転移してきたのよ。意味わかんないんだけど)

そんなことを考えながら、彼女は心の中で怒りをぶち撒けた。しかし、いくら心の中の声を出しても彼に伝わることはないのである。その事実を知ってしまった時どれほど彼女は驚いた事か、想像もしたくないくらいであった。なぜなら彼女にとっては今までの人生において初めての経験なのだ。この世界の住人にとってこの世界が当たり前なのだが、しかし、彼女の常識から考えると有り得ないのだ。だから、この世界に突然現れた彼の事を彼女は"理解が及ばない者"と認識してしまったのだ。そしてこの日を境に、彼らは出会う事となる。それは必然だったのかもしれない。

〜side〜はsideって読むんですよ。わかりにくいかな? なんか久しぶりに小説書いたなー なんか変なところとかないよな?うーんまぁ大丈夫かな? よし!次こそヒロインの登場だ!!!! 皆さんこんにちは、こんばんは?おはようございます?とにかくおはよう御座います、僕です。このたび僕はついに、女の子とイチャイチャキャッウフフの学校生活を送ります!ということで今まさに僕の教室に向かっているところですがどうしましょう?なんかドキドキするんですが。あ、ちなみに僕は1年生で、2年の先輩たちとは同じクラスで隣の席になる予定なので、楽しみにしておきます。そしてなんと言ってもあの子はかわいいはずなので是非とも仲良くしていきたいです。それにこの学校に居る他の女子たちもなかなか可愛いと思うのですが如何なものでしょうか?あ、もちろん僕はロリコンではないのでそういう目線で見ている訳ではありませんよ?

『あ、あそこに見えるのは先輩たちじゃないですか?』

(ほんとうだ、あの人達が私のご主人様候補なんだ。なんかちょっと緊張するな。でも見た目的にはとても頼りになりそうな感じするな。でもあの方はなんだか怖い雰囲気がするな。でもこの方となら楽しく過ごせそうだよね!私としてはやっぱりご主人様が欲しいなー。だって私はあの方の使い魔なんだから。あの方はきっといいご主人様なはずだ。)

ん?なんだろうか?一瞬視線を感じたのだが。それにしてもなぜ俺があの人のことを見ていたことがばれたのだろうか?いやいや気のせいか。それじゃ、今のうちにこの子をどこに隠そうかな? まぁ隠さなくても、ここに来たらすぐ分かるけどね。でも今はまだそのタイミングではないんだよ。今すぐ出て来てしまうとその効果がなくなってしまうからね。だからその瞬間まで我慢だよ、俺がしっかり守るから安心して。

よし、着いたよ。

僕は自分のクラスの扉を開けるといつものようにクラスメイトから歓迎の言葉をかけられた。そして僕はいつものように軽く返事をしながら窓際の席に着くと、一人の少女が話しかけてきた。

「ねぇ、貴方、ちょっと来て頂戴。」

僕はこの子が何をしたいのか大体の察しがついていた。そして、この子の行動によって今後の流れが大きく変わってくるということにも。だからこそ僕はここで選択を間違えてはいけないと思ったので少し考えた。

どうするのがいいんだろう。とりあえず素直に従っておこうかな?それともこの子に嫌われるのもいいのか。

この判断は大事になってくるだろうから慎重に選ばないとダメだと思うんだよね。よし、どうせやるのであれば全力でやった方がいいんじゃないか? ならばここは、とりあえず従っておいた方が良さそうだね。あぁ、あとこの女の子には、後々のことを考えて少しきつめに当たっておこうか。

とりあえず従うことにする。この女の子から呼び出しがかかることは珍しいことではなかったから特に気にしていなかったが今回の呼び出しはかなり急なものであったため少し疑問に思っていた。しかし今考えてみるとこれが運命だったのではないかと思っている。そして、この時から既に、この世界ではありえない事が起ころうとしていたのだった。

「それで話っていうのは一体何だい?」

「単刀直入に言うわ、私に力を授けなさい!」

あぁこのセリフを聞いた時点でこの子が何を求めているのか、そして、どうしてこんなにも必死なのかもわかった気がした。つまり、この子は元々こういうキャラでは無いのだろう。そしておそらく、僕に助けを求めようとしているんだね。

だけど僕に力なんて与えても意味が無いんだよなー。それにそもそもの話この子自身が強いという訳ではないんだ。僕に頼ったとしても意味がない。そう、ただ単に、君自身の力があまりにも弱くて助けてあげる価値がないんだ。それどころか、むしろ足手まといになってしまう可能性が高い。これは僕にも言えることではあるんだが、僕の場合の場合はまだマシな部類なんだよなー。何故だか知らないけれど、この力は自分では制御できない。それ故、周りにいる人を危険に追い込んでしまう可能性があるのだ。だからこそ僕のこの力は誰かを守るためだけに使おうと決めたんだ。まぁその決意をした時から随分経ってしまってしまったが。あーやばいなーもう時間があまり残されていない。このままだと間に合わないぞ。なんとかしないくては。

でもまぁとりあえずこの子との話は終わりにしなくちゃいけないよなー、そろそろ時間だし、早く終わらせなくっちゃね。でもどうやってこの場を収めよう?とりあえず適当な嘘ついておけばいけるかな?よし!これで行こう。

よし決まった。まずはこの子を落ち着けてからゆっくりと話し合うとしよう。あ、なんかこれデジャブ感があるような。

そして彼女が落ち着きを取り戻した時に俺は話しかけた。

「うん。わかったよ。僕に出来る事があったらなんでも協力するよ」

まぁ本当は俺には無理なんだけどな。俺は別にチート持ちでもなければ特別な何かを持っているわけでもない。

俺は平凡な一般人として生きていきたいだけなんだよ。なのにこんな世界に呼び出されて、魔王を倒さなきゃいけないって言われて正直戸惑ってるし迷惑してるんだよな。しかも俺はこの世界に来る前まで学生生活をエンジョイしてたんだがな。いきなりこの世界に転移させられた時は、この世界がゲームの中だと思い込んでしまっていたよ。あー懐かしいな、あれ?おかしいな。

なんで泣いてるの?俺?涙? なんで止まらないの?なんでこんな時に出てくるの?やめてくれ!俺を泣かせないでくれ!頼むからこれ以上思い出させないで欲しいんだ! あぁもうダメなんだ、もう諦めろって?俺も分かってるよ。だからお願いだ!もう俺を解放して欲しい。そして楽にしてくれ! 〜side〜はsideって読むんですよ。わかりにくいかな?

『ふー、ようやく終わったよー』

『よし!それじゃ、そろそろ行くとしますか!』『よーし、頑張るぞうー!!』

そう言って意気揚々と魔王の所へ向かおうとした時である、後ろから声が聞こえて来た。どうやら、勇者の仲間達がここにやって来ているらしい。しかし彼らは知らなかった。自分たちが魔王を目の前にした時にはもう既に手遅れだったということに。

ん?なんなんだこの違和感は?まるで、どこか遠くで誰かが悲鳴をあげているみたいだ。この世界に居れば誰でも気づくであろう異変が起こっている事に誰も気づかないなんておかしなことだ。この世界で生きる者ならば、例えそれがどれほど小さく、そして微弱なものであっても決して見逃す事はないだろうに。

『うっ!うぅうわあああああ!何だこれは!おい!お前たちは無事か?』

『はい、私たちの方は特に何も無かったです。しかし、仲間たちの様子がおかしくて。急に苦しみ出したかと思ったら倒れてしまったのです。そして今も苦しんでいます。』

そう言って仲間の一人がこちらに来て報告をしてくれた。その表情は不安そうであり、今すぐにでも逃げ出したいといった顔をしている。その瞳の奥にある感情を見てみるとそれは"恐怖"と"絶望"の2つであった。この少年にとって今のこの状況はとても恐ろしい事だろう。自分が信頼し、そしてこれから戦わなければならない相手が突然、今まで感じた事もないような気配を発しながら現れたのである。

そんな状況の中で彼は冷静に状況を判断し、行動しようとしているのだ。本来ならば、このような状況下でまともに判断できる人間は殆どいない。

なぜなら人は本能で生きていくものだからだ。そしてこの世界において人の本質とは生まれ持ったものでしか変えることは出来ないとされている。だからこそこの子は今まで生き残ってきたのだろう。たとえ自分以外の全員が死んだとしても、自分は絶対に生き延びるという意思を持って生きているからこそここまで成長することが出来たのだろう。この世界には様々な才能を持った人間がいるが、それでも彼のような特殊な存在は稀だろう。彼の才能は、とてもじゃないが言葉では表せないようなものだ。だからこそ彼が生き残る可能性は十分にあったのかもしれない。しかし、今回は運が悪かったと言わざるを得ない。いやこの場合は、神が悪いと言った方が良いだろう。

あーなんか面倒臭いことになってしまった。どうすれば良いだろうか?とりあえず適当に対応しておいた方が良さそうだな。あ、そういえばあの子のことをすっかり忘れてしまっていた。

僕は慌てて彼女を探すとそこにはなんとも奇妙な姿になっているあの子の姿が目に映った。一体どうしたらそのような事になるのだろうか?あの子は一体何を考えているのかが全くわからない。

あの子は僕の目には狂いがなければ普通の子にしか見えないはずだ。あの子に特別な力を感じることは勿論出来ない。だからこそ、僕としては、あそこまで強くならなくてもいいと思ってしまったのだが、そうはいかなかったようだ。彼女は自分の力に気がついた瞬間から自分の限界を超えてまで力を磨こうとし始めたのだ。

僕は彼女の成長速度を見た瞬間からこの子が僕の後を継いでくれるのではないかという期待を抱いたのだが、どうやらそういう訳にはいかないみたいだ。この子は、僕のようにこの世界を楽しんでいくつもりは全く無いらしく、どう見ても使命を果たす事だけを目的に動いているように思えた。

僕はこの子が、僕のようにこの世界を楽しむことなく使命だけを遂行していくだけの機械になってしまう事が少し残念だったが、それと同時に僕はこの子が僕と同じ末路を辿ることを確信してしまった。そう、これはある意味での必然だった。僕はこの子を助けてあげようと思っていたのだがこの子を救う事が出来なかったのは、この子の覚悟の決め方に問題がある。どうやらこの子は最初から最後まで自分自身の事を"兵器"として扱っていくことに決めたのだと思う。その決断の速さは見事と言わざるを得なかった。きっと、この子がこの世界に呼び出されたのも偶然ではないのだろうと今更ながら思ったがもう遅かった。

〜side終了〜

「あ、あの大丈夫ですか?何か悩みでもあるのでしょうか?」

「いえ、少し頭痛がしただけです。ご心配おかけして申し訳ありません。ところで、あなたはどうしてここに?」

あ、良かった、なんとか誤魔化せそうだ。それにしても本当に良かったよー。この人が来てくれていなかったら俺は間違いなくやられていたと思うからな。

あ、そうだ、一応名前を聞いておこうかな?

「私の名は『アリサ』と言います。それでどうしてここに居るのかという話なのですが、私もあなたと同じくこの城に呼ばれたのです」

なるほど、やはりそうだったのか。ということはおそらく、この城の中に俺達以外にも呼ばれて来てしまって困惑していた者達が居たのだろう。しかしどうして俺たちがこんなに奥深くにいるのか、また何故この人達が俺に近寄って来たのかは皆目見当もつかない。とりあえずこの場から立ち去るべきだと判断し、彼女に挨拶をしてから俺はその場を離れようとした。その時だった。俺がこの部屋を出ようとする時に、彼女が俺を呼び止めて話しかけてきた。そして俺は何故か彼女と会話をする事になったのだ。

〜〜 俺は正直な話この女性をかなり怪しんでいたがここで無視をして逃げるというのも良くないと判断した為俺は仕方なく彼女と会話することにした。そしてまずはお互いの状況を確認することにしたのだ。その結果わかったことがいくつかあった。まずは彼女についてだがこの国、つまりはこの城の関係者では無いらしい。そもそもこの国は身分の高い者が住む街と、それ以外の平民が住む場所とで完全に分けられており、この城は貴族など高貴な身分の者が集まる場所で、一般市民の立ち入りは禁止されており基本的には入れないようになっているとのことだ。だから彼女はそもそもこの城にいること自体がおかしいのだという。次に俺についての情報なのだが、この国の王女様の護衛を務めている人物でこの国からの信頼度も高いらしい。そして最後に俺がこの城から外に出たいと思っている理由についてだ。

俺は、彼女が信用に足る人物である事を信じ、全てを打ち明けることにした。俺はこことは違う世界の出身であること。俺自身に特別な力は無く普通の学生だったこと。しかしある日俺が寝ていたら急にこの場所に飛ばされていて魔王を倒さないければ元の世界に帰ることができないと言われているということを伝えた。この話を聞いていた彼女の反応は俺が予想していたものとは大きくかけ離れたものだった。「あぁなるほどね、それは確かに困るよね。それじゃ、私が手伝ってあげる。私にも魔王を倒す手伝いをさせてよ。貴方には助けられた恩もあるしね。うん、これなら誰にもバレないし、良い方法だわ!あ、ちなみに、私は勇者の補佐をしている『アリア』よ、宜しくね!じゃあ早速、作戦を考えてみるからちょっと待っていてちょうだい」

ん?なんだって?え?今、俺の耳が変になっていなけりゃ今『勇者の補佐をしてくれ』って聞こえた気がするんだが?気のせいだよな? 気のせいであってくれよ?マジで、いやだってほら俺って普通の一般人だし!いきなりこんなところに呼び出されるなんておかしいって思ってたし!そんな俺がこの世界の為に働けるわけないじゃん!というかさ、普通俺みたいな奴がこんなところに来た時点で気づくはずなんだよ! それなのにこの人は気づいてないのか!おい、気づけよ!なんでそこで自信満々に胸を張ってるんですかねー。

そんな風に考えながら頭を抱えながら俯いている時だった。突然、部屋のドアが開かれて一人の人物がこちらにやって来ている事に気づいた。そしてこの人は誰なのか?と考えた次の瞬間である。この女性がとんでもない発言をしたのである。

この発言によりこの世界に激震を走らせる事になろうとは、この時誰が想像出来ただろうか。そしてこの後この二人が起こした行動によって更に世界が動き出す事となる。それはまるで歯車のように、ゆっくりと音もなく静かにそして着実にその回転を進めていくのであった。

〜〜side〜 うーん、まさかこんなに上手くいくなんて!いや、まだ油断は出来ないわ。でもこれはかなりの好感触じゃないかしら?あー!楽しみだわー!これから勇者と一緒に行動が出来るのなんて初めてなんじゃないかしら?いやーテンション上がるなー。まあとりあえず勇者には感謝してもしきれないぐらいの事をしてもらったんだもの。今度は、私達の番なのよ。頑張らないと。

とりあえずこれで、私の計画に1歩前進する事が出来た。ここから先の戦いは、きっと厳しく苦しい戦いになることだろう。そして何よりも、一番の強敵になるであろう"彼"は、一体何を思い、そしてどのように行動して行くのだろうか?それは誰もわからないことであろう。だからこそ、私は"未来の可能性"に希望を抱くのであった。そしてこの出会いが新たな歴史を生み出すことになるのである。それは、後に語られる伝説の始まりであり、世界を変えるほどの衝撃をもたらす事になるのだがそれはまた別の機会に語ることにしよう。

〜sideend〜 あ、ヤバイぞ?これ多分、この人と行動する事になるのだろうけど、俺、絶対にこの人の正体に気づいているのを隠し通せないと思うんだけど。それにこの人が、もし俺の考えていたような人間だった場合、確実に厄介なことになってしまう可能性がある。どうにかならないか? そう思いながら、目の前の女性に対して色々と提案をしていたのだが、結局の所良い案は何も浮かんではくれなかった。ただ一つ言えるのは彼女が本気でやる気だという事とこの国の王に会うために協力してもらえるという事だった。これは大きな進展と言っても良いのではないだろうか?とりあえず今日は、城の中で休むことになり、明日この城の主、つまりこの国の王に挨拶をするために一緒に城の中を回ることになっているのだ。しかし、ここで疑問点があった。そう、この城になぜ俺のような一般庶民が入れるのかということである。

「あの、質問なのですがどうしてあなたがこの城に入れるのですか? あなた程の力があればすぐに追い出されそうなものだと思いますが。それに、この城は平民は入れません。ですから本来であればあなたの様な人が入っていい場所ではありません。だからこそ不思議に思ったのです。もしかして、どこかの貴族なのでしょうか?」

彼女は、しばらく考えた後にこう言った。

「私の名前は『アリシア』といいます。実は、とある事情からこの城に一時的に居候させていただいているだけなのです。ですから身分とかそういったものは、あまり関係ありません」

俺は彼女のこの返答を聞きあることを思い出した。

あ、そうだそういえばいたね、確か。『アリシア』さん、って言ってたかもね。うん覚えてる、めっちゃ美人なお姉さんですよね、この方。でもこのお方は本当に一般人なのかね?見た目は凄まじいまでの美女だが中身があまりにも残念すぎる。こんな残念美人な人なんて早々居ないだろう。俺はこの人を信用することにしたのだがそれでも少し不安だった。しかし、ここで俺はこの人の実力について少し知ってしまった。そして、彼女が本気になればこの世界でも相当上位の戦闘能力を有している事がわかってしまう。そしてそれと同時に俺自身もこの世界に呼ばれたことで身体能力が向上していた事がわかっていた。

「なるほど。それならこの城にいるのもおかしくはないですね。それとあなたが私と行動を共にしたいというのであれば、あなたは私の"家族"のようなものになります。あなたが望むならあなたはこの国において、私が信頼を置く部下となりましょう。しかし、あなたはこの世界で生きていける力がありますか?」

正直この問いかけはかなりキツかった。この世界のルールを知らないのは事実だったからだ。この世界の常識すら知らないのにこの世界の人達が知っている事について俺が説明できる事は無いのだろうと思っていた。しかし俺は、彼女からの申し出に心が躍ると同時に自分がこの人にどれだけ助けられているのかを痛感してしまった。だから答えた。この人の誘いを受けようと。そう答える事で俺もこの人のために尽くせるのだと思ってしまったのだ。この決断が正しいかどうかは俺にも分からなかった。

こうして俺の波乱万丈で奇妙な生活が始まった。

〜side アリサ〜 この子はなかなか良い子ね。私が勇者の補佐をしているなんて言えなかったのにこの子には全てを話してしまって、しかも、自分の正体についても正直に教えてくれたわ。

この子には何か特別な物があるんだと思うのよ。私が見てきた人たちの中でもトップクラスの逸材よ。だから私はこの子を徹底的にサポートしてあげたいと思っているのよ。この子とは仲良くなっておいて損は無いわよね?だって私の大切なパートナーになる予定の子なのだから、今のうちからこの子が私を裏切らないよう絆を深めておく必要がありそうだもの。まあとりあえずこの子の人柄を見極めてからかしら。そして私は、彼がこの城から出て行かないで済む理由を作り出した。彼はおそらく勇者の力になれる人材なのではないかと思っている。だからこそ彼をこの城に留めておきたいと思ったのだ。そしてその理由を作る上でこの城に入れてしまう事は必要不可欠だったのである。彼のおかげで私はかなり楽が出来てしまった。まさか城の中に侵入まで出来てしまえるなんて思わなかったのよ。だから、これはとても運が良いことだと思った。これで彼にはもっと協力してもらうことが出来そうだ。私はこの時かなり気分が良くなっていた。それは私自身が勇者の仲間になれたという事実によるものが大きかったのだろう。

そしてその日から数日間、私は彼と過ごした。まず最初に私がやるべきことはこの城のシステムを把握することだった。その為にはまず情報収集だわ。そう思い色々なところに顔を出したりした。そうしていくうちに、この国の王は相当な曲者だという噂を耳した。そしてそれに加えてその噂を裏付けるように勇者に対する待遇の良さも耳に入っていた。

私はそんな情報を聞いてからますますやる気になった。私は絶対に負けないわよ! 〜sideend〜

「勇者殿!これから宜しくお願い致します!」

俺達が城を探索している最中突然俺達の方に走ってきた女性がいた。俺とアリアはその人が走って来た方向へ視線を向け、彼女が一体どんな目的でやって来たのかわからなかったので、とりあえず話を伺う事にした。

「えーっと。どちら様でしょうか?」

俺はこの人に失礼が無い様にと丁寧な言葉遣いをしようと意識しながら彼女に話しかけた。しかし何故か彼女は驚いた様な顔をしていた。え?俺なんかおかしなこと言ったかな? そう思った次の瞬間であった。俺の目線には信じられない物が写り込んでいた。それはなんと、アリアが土下座をしていたのである。それはもう見事なくらいに、美しいと言えるレベルでの土下座であった。俺はもちろん、目の前の女の子は驚きで完全に固まってしまっていた。なんでいきなりこんな状況になっているのか全くわからないのである。そして俺が戸惑っている間もその状況は続いていった。

「この度、我が主より貴方にお仕えするようにと言われておりましたが、どうも最近様子がおかしかったものですから。心配になってしまいこうして確認に参りました。

本当に申し訳ありませんでした!まさかこんなことになってるとまでは知らずに、私はなんてことを!あぁ! 許してもらえるとは思っていません! ですがどうか謝罪だけはさせていただきたく!誠に!本当に申し訳ございません!!」

その女性は、そんな事を言った後に、頭を何度も地面に叩きつけていた。いやいやいや!やばいよこの光景。何この状況、怖いんですけど!!そして、この人も多分あの人が連れて来たんだろうけどこの様子じゃあ全然わかってなさそうじゃんか!やめろよ!? マジでやめてください、やめてくれよぉおおお!誰か止めてよぉ。そう思っていた時だった。この騒動を止めてくれる存在がこの部屋に現れたのである。そう、アリシアさんである。

俺はアリシアさんがこの騒ぎを止めるのかと思っていたが、この人は予想の上を行く人であった。彼女は、まるで天使の様な笑顔を見せて、こう言ったのである。

「まあまあ。アリサもそんなに気にしなくてもいいのよ? あなたがちゃんとお世話してくれたって聞いているし。それにこの人は別に悪い人でもないしね。むしろ今はこの人が居ないと、勇者も困るでしょうし、あなたはあなたの仕事を果たしなさい。いいわね?」

「そ、そういう事でしたら分かりました。」

彼女はそう言うと渋々ながらどこかに行ってしまった。

この人マジか。いやいや、流石にちょっとヤバくないか?というか、この人絶対この人の扱い分かってやってるよね?いや、多分分かってやっちゃってますよね?この人はやっぱりヤバイ。そして、多分この人の力は本物だ。そう思わせるだけの雰囲気を纏った人物だと俺は思った。

「さあ行きましょう。あなたの事について色々と教えて欲しい事があるのですから。大丈夫です。あなたはこの城の中では勇者の次に偉い方ですよ。あなたがこの城に居る間は私が責任を持って面倒見てあげますから、しっかりとついてきて下さい。あ、でも私の事は内緒にしておいて欲しいですから、気をつけてください。

いいですか? わかりましたね?」

はい、了解しました。俺達は、アリシアさんの後ろを黙って着いて行った。アリシアさんは俺の想像よりも遥かに凄まじかった。この世界における身分制度の頂点、王族。それと同等もしくはそれ以上の地位を持った人物がこの国では当たり前の様に存在しているのだという。俺はそれを知って愕然としてしまった。そして同時に俺がこれから生きていくにあたって最も重要となってくるであろう知識が手に入ったのだと確信した。しかしそれと同時に疑問にも思うことがあった。それはなぜこんなにも凄まじい人が存在しているにも関わらず今まで俺達の世界の人々が気付かなかったのか、だ。確かに今はまだ気づかなかったとしても、何かをきっかけにその存在に気づいていたのではないか、と思ってしまう。それぐらいには衝撃的な事実なのである。そしてそれを俺が考え始めた直後アリサが声をあげた。

「あの、どうして私たちを城の中に入れたのでしょうか? 私はアリシア様に信用されていると自負していますが、それでもこの城の人達全員からの信頼を貰っているわけではないはずです。それに勇者様だって城の外にいた方が安全に暮らせるはずなのでは?」

その通りだった。この城はどう見てもおかしい。俺の勘はそう訴えているのだ。だから俺はこの場をすぐに離れたかった。しかしアリシァが俺の考えを見通していたかのように言葉を紡いだ。

「私は勇者の"お世話係"を任されていますから、この城に勇者を連れて来れる権限がありますし、あなた方についても勇者から事前に聞かされていました。それと、私がここに居れば勇者も危険に晒される確率は減りますしね。まあ、この事は勇者に知られたくないんですが。ま、この子はきっと言わないでしょうし良いでしょう。

ま、とにかく、そうですね。理由はいくつかありますが。1つ目、勇者を城に連れて来る時にあなた方の事を"お迎え役"としてこの城に呼んでいます。

これはあなた達が城の警備を突破出来る程の力があるかどうかの確認のためです。もしあなた達が勇者について行ける程の強さを持っているようなら私が直接勇者の元に案内します。そしてそこで私も共に勇者を守ることになりましょう。

その時、勇者の力になりたいと思ってくれている人材なら私は歓迎致しましょう。」

この人はやはり強い人だ。勇者の力を一番知っているのも、恐らくはこの人だった。俺達の目的、俺達が強くなるための手助けをしてもらいたい、と言うのは本当だったが、俺達が本当に求めているのはそれだけではなかった。それは、この人がこの世界でどの程度の存在なのかをこの人に教えてもらおうとしていたのである。しかし、その質問に対する回答はとても有益なものであった。

「2つ目の理由として私は勇者と共に行動してはいけません。それは勇者を私のような化け物にしないための手段で、勇者を守るためでもある。勇者の力になれる存在であれば尚良いが、そうではない場合は勇者と一緒に行動するべきじゃない、そう思っているのでね。

3つ目は、この城の連中は信用ならないのよ。

勇者を利用して利益を得ようとしてくる輩はいくらでもいるわ。

それはもうたくさんいるわ。私はそれが嫌だから、私は自分が信用した相手しか勇者と会わせないようにしているの。だからその点は安心してくれていい。私は勇者を守るために全力を尽くしてみせるから。」

そう言ってくれたアリサに少し違和感を感じたが、俺もアリアも感謝の意を伝えることを忘れない。

「アリサさん。ありがとうございます。本当にお優しいのですね。

あなたがそこまで勇者の事を大切に思ってくれていることに感謝を。」

「はい。私はアリシア様に救われましたから、当然です! そして私はこれから勇者殿の為になるよう尽力していきたいと思っている次第です。

私にはその力が有りますから、どうか頼ってもらえたら嬉しいです!」

アリアが本当に心から喜んでいる様に見えた。そして、そんな会話をしていた時、この国のトップと対面する事になった。

〜sideend〜 side 王様 最近忙しい日々を送っており、正直疲れが溜まりすぎていた。だから、気分転換も兼ねて自分の娘に会いに行くことにした。最近よく娘の話を耳にする事があったからだ。そう言えばあいつに会った時はまだ赤子であったが今ではもう15歳になったのか。確かあの時から俺に似てかなり整った顔立ちをした子供であったと思うが今はどれほどのものになっているのだろうか?楽しみだな。そう思って会いに行ったのだが、部屋に入った瞬間に俺を出迎えてくれたのは思いがけないものだった。

「お父さん、お久しぶりね。元気にしていたかしら?最近なかなか時間が取れなくて、今日はこうして久しぶりに話せそうなんだから、しっかり聞かせてもらうわよ?」

この威圧感とでも言える様なものを出している人物は俺の娘、そうこの国の王女であり、俺の姪に当たる者なのだ。そして俺には彼女が一体何が目的でここまでやってきたのか分からなかった。彼女は俺のことを親しげにお父様などと呼んでいるし、そもそも何故この様な事態になっているのか理解できなかった。だが、この空気に飲まれてはいけないと思った。そう思って言葉を口に出した次の瞬間、俺の言葉を待たずに彼女の口からとんでもない一言が出た。

「ふーん? 貴方は何も変わっていないわねぇ。

やっぱり貴方にはこの世界の管理者になって貰う事にしようかしら?貴方は昔から私の言う事を何でも聞いてくれる、良いお父さまだったけれど、まさか私の命令に逆らおうとするなんてね?残念よ。

でも大丈夫。私がちゃんと導いてあげるからね。

じゃあ早速始めるとしましょうか。さ、そこに寝転がって?」

俺はその言葉を聞いた途端に、身体が固まったように動かなくなった。そんな事を思ったのは一瞬だけ。その後は、まるで催眠状態に陥ってしまったかのように俺の意識は遠くなって行ったのである。

「あぁあ、またやっちゃったよ。今回はちょっと失敗ね。

ま、良いわよね?どうやらとてつもない力を手に入れたみたいだし、後は勇者がなんとかしてくれるでしょ。

それに、私達の目的を果たす為にはその程度の力は必要だと思うし。」

私は今、自分の父親に対してとある術を発動させて操り、強制的に眠らせている最中である。本当はこんな事をするつもりはなかったのだ。だけどつい口に出てしまったのである。それにしてもやっぱりダメだ。

これくらいではこの男を止める事が出来ないようだ。全く、困ったものだ。まあ仕方がないからもっと強く洗脳を施しておくことにしようか。

「やっぱりダメだな、この人では私の目的を達成出来そうに無いな。さあ勇者くん、私がこの世界を支配する為の手伝いをしてもらえるかい?」

私がこの男の目の前に立ち、話しかけるだけで、この男は簡単にこちら側に着いてくれるだろう。なんたって私は神だ。しかも最上位に位置する。それ故にこの世界にいる全ての人間は私に従うのは当たり前、ということになっている。

さあ始めようか、私の物語を。

私が世界を支配出来るような力を持つためにはまずはこの国を掌握しなければならないな。幸いこの国は私の言いなりみたいなものなのだ。

私がこの国で絶対的な権力を持つのは、私がこの国で最も優れた存在であるからである。それはつまりこの国で一番力を持っているのはこの国の中で二番目に優秀、ということであるのだ。この国が栄えるのは必然と言っても過言ではないだろう。この国の人間たちは皆私の為に働いているようなものなので当然と言えば当然であるが。

しかしここで問題が一つある。それは勇者と呼ばれる者が、この国を支配しようと動いている事である。私はその者の事は詳しく知らない。だが、どうも勇者と呼ばれている者は、魔王を倒した後にこの世界の支配者となるつもりらしい。そしてそれはこの世界に住む誰もが知っている常識であるそうだ。しかし、その事は誰も信じてはいない、いや、正確には勇者を疑う事は禁忌となっている。勇者様がそんな事はするはずがないという風潮が出来上がってしまっている。だから、もし仮に勇者が世界の支配を目論む存在ならばそれを止めなくてはならないと、勇者に使える人々は思うようになったのであろう。

だが、私にとってそんな事は関係ない。私が目指すのはこの世界に生きる者達全てに恐怖を抱かせ、この世に存在する全てを支配下に置くことである。その方がより確実に私を崇拝する者を増やし、最終的には私一人で全世界を支配した方が効率が良いのでは無いだろうか、そう考えたのだ。しかしそれはこの方法だと時間が掛かりすぎるのだ。だから勇者の事は無視するしかない、と私は思っていたのだが、先程この国の大臣と謁見の間で話し合っている勇者を見かけた。勇者とは、あの見た目からして恐らくこの世界の人間の誰かの子供なのでは無いのかなと、推測出来る程度の姿をしていた少年だった。そしてその外見を見て私に名案が閃いた。彼はまだ若く、力も無いが何故かとても大きな力を持っているような感じを受けた。これは利用できると直感的に思った私は、彼を利用し、この国を手中に収まるようにするべく動き始めたのであった。

勇者は、私に力を貸して欲しいと懇願して来たが私は丁重にお断りした。

だってこの私が、勇者をこの国に引き止めているのである。勇者の邪魔をする様なことはしたくないから、私はこう答えることを選んだ。

「勇者、お前の力になりたいという思いはあるし、実際私はこの城の中では勇者の味方として振る舞うつもりではいる。

だがそれでも勇者が城から出て行ってしまうなら私もそれを追いかけるわけにはいかない。」

勇者はそれを聞いて落胆しているように見えた。そしてその後私は城の外まで彼を護衛した。

私はこの時、彼にチャンスを与える事に決め、城の中に残した。その判断は間違っていなかったと言えるだろう。私はこの時この国の中、この城の内部のどこかに、私の敵が潜んでいることを知っていた。

それは私の勘がそう告げていたため、その敵がいつ勇者を始末するのかは予測不可能であったがその敵をどうにかすることが出来たので良かったと思っている。その時に勇者は城に残っていたからその敵の存在を知らず、勇者に被害が出る前に私はそいつを排除しておいた。私は自分の身内を守りたかっただけなのである。

「勇者くん、君はこれからこの世界の管理を行う事になるが、君にまずは教えておきたいことがあるんだ。」

「は、はい。なんでしょうか? 教えて頂けることは全て学んで行きたいと思っています。」

「うん。それは良いことだ。では話を始めようか。

君のその能力には欠点がある。それは"死ねない事""老化する事ができない事"、"睡眠をとる必要がない事"」

私はこの勇者に、私の知る知識を全て与えようと思っていたのである。

この勇者にはこれからこの国の人間全員に、この国の真実を、嘘で覆い隠されていたこの国の本当の姿を知らせ、それを理解させる義務が生じることになるのだが、それについては勇者は私に任せておけば良いと思っているので大丈夫だ。だからこれから私がする話は少し別の話だ。私がこの国の人々にこれからする事はただ一つだ。この国は私の言いなりになるように暗示を掛ける事によって、支配が完了する。そうすればこの国はもう私のものになったも同然になるのだから、あとはこの世界の他の国々も同じ事をするだけだ。

さあ、これで私の物語は始まったばかりだ。

これからどんな事が私に起こるのか楽しみだな。

俺はアリアに案内されながらアリシアが待つ部屋の前に来たのだが、やはり緊張してしまう。何故なら相手は俺の事を知らないのである。俺からしたら初対面のようなもので緊張するのは当然の事だろう?それに、アリシアになんて言えば良いのかも分からない。俺が扉を開けると、俺の姿を見た途端、彼女が笑顔を向けてくれたのだが俺はどうすれば良いか分からずにそのまま立ち尽くしてしまったのだが、「まあまあお座りになって下さい!」と言われてしまったのでとりあえず椅子に座って話を切り出そうと考えていたその時、彼女の口から信じられないものが出た。

『あなたにはこの国の真の国王になっていただいた後に色々とやっていただく事がありまして、その説明をしたいと思います!えーっとですね、まずこの国には二つの秘密があるのです。』

彼女はそんな事をいきなり言ったかと思うとその瞬間には彼女の顔から微笑みが消え、そして真剣な表情へと変わってしまったのである。そして俺にこう問いかけたのだ。

「あなたのお名前は?」

と。そして次の瞬間――

【スキルを獲得致しました】

「な、なんだと!?まさか本当に?しかし、こんなに急に取得するとはな。よし早速確認するか、 えーっと?〈情報〉?うぉ?なんかすげぇもん見れたぞ。これが神の目、って奴なのか?それにしてもなんというステータスだよ、おい。流石俺の嫁だぜ。ま、それは良いとして、一体何が分かったのかというと、この世界にはどうやら裏の顔があるようだ。それにしても俺の嫁は強すぎるだろう、どう考えてもおかしいだろこの数値。」

どうせこの国に来てしまったのならばしょうがないと思いながらも、一応念のために、 この世界に来てからの事を彼女に話すことにした。

俺が今の状況を説明するため彼女に伝えようと思った時、何故かこのタイミングで、あの男が突然現れてしまったのである。しかもこの男、何か企んでいるようだ。しかし、その事を知らなかった俺は、咄嵯の判断により彼女を護ろうとしたのであるが、この男に阻まれてしまい、結果、彼女は連れ去られてしまうという事態に陥ってしまった。この男は、おそらく勇者なのだろう、しかし何故この男はこんなに余裕そうに笑っていられるのだ?そしてどうしてここまで冷静さを保っていられているのだ?そう思っているうちに男は何処かに去っていってしまった。

「あはは、やっぱり君は面白いね、勇者くん、いや今は元勇者くんと呼んだ方が良いかな?」

あははははは、笑い声が止まらないな、こんなにも楽しい気分になれたのはいつぶりだろう? まあいいか、そんな事はどうでもいいんだよ、それよりも勇者くん、この国の真実を知れば君はどうなってしまうのかなぁ〜。この国は本当は勇者くんを召喚する為だけに造られた国なのに、この国はそんな事はおくびも出さずに勇者くんを騙し続けていた、という事を知ることになるのだからねぇ、

「ああ、そうだ、私の名前は魔王と言うのだがよろしく頼むよ。」

私は彼に自己紹介をし、彼もこの国の真実を知っていく中で、勇者くんにどのような心境の変化が起こってくれるかとても楽しみである。

私が彼に対して興味を抱いたきっかけはあの時に勇者くんに話しかけられた時からだと思う。彼は私の正体に気づいた訳では無い。だが私の事について何かを知っているようで私と同じような匂いを勇者くんからは感じていたのだ。その匂いを感じた理由は、私が人間ではなく魔族であるからだと思われる。そして勇者とは言ってしまえば私達の仲間なのだ。

「私は魔王だが宜しくお願いします、と言おうか。私は勇者くんに興味があるのだ。だから是非とも仲良くしてくれ。」

そして私は、勇者に挨拶をしてその場を去った。勇者は戸惑ったような顔をして私の事を見ているだけであったがそんなのはどうでも良かったので気にしないでおこう。

〜 そして勇者に案内されるがままにこの部屋に入って来た。そして私は、目の前の少女と勇者の関係についての説明を聞いた。それはあまりにも酷すぎたのだ。勇者をこの国の傀儡にするだと?この国の国民全員が勇者に忠誠を誓わせ、この国の王は誰よりも強くなくてはならない。そんな決まりを作ってしまっているのだ。そんなのを誰が受け入れようというのか。そんなものを受け入れようとしている勇者が馬鹿すぎて哀れだとさえ思ってしまっていた程だった。そして勇者はこの国に洗脳されるような仕組みになっている。この国は勇者を使って私達の国を滅ぼし、そしてこの世界の全てを支配しようと考えているという事に、私は気づいてしまっていた。だからこそ私は、その話をしている途中でこの勇者は私の手で殺すことに決めたのである。そして私は勇者を殺し、この世界の全てをこの私が支配する。私はその為の準備をしなければならない。

まずはこの国から逃げなければ。そう思った私だったがこの城の外までの護衛が居ないことに私は気がつき急いで逃げることにしようとしたのだが、そこで私達はある男と遭遇してしまった。

『勇者さんにアリアちゃん。ちょっと良いかしら?』

そう言ったその女性こそが勇者のお仲間なのだろうが、その人はどう見てもただの女性でしかなかった。

だが私はこの女が私に攻撃しようとしてきた時、私に恐怖を感じさせた程の殺気を放っていた。これはこの人がかなりの実力者であるということを示しており、この私を一瞬にして怯ませて来るほどの実力を持っているので私はこの女の敵で無いということをアピールした方が得策だと思いその人の味方になろうと決めて行動を開始した。そして勇者にはその人と会話させて私はその間に逃げた。それがベストな判断だと思っていたのでそれを実行しただけなのである。

私を逃がしてくれると言ったこの人を信じないわけが無い。それに私はもう既に、その人に勝てないことを察していたので抵抗もせずに従っていたのだがここで一つ問題が浮上してきた。勇者はどうなるのか。もし私がこのまま逃げれば私は勇者を殺すことは出来る。しかし、この女と一緒で、私の事を逃してくれるのかどうか分からなくなってしまった。

私が逃げても、この二人に殺される未来しか想像出来なくなった私はこの二人と一緒にいるしかないのかと考えてしまっている。〜 俺は何故かこの魔王を名乗る女の子の言っていることをすぐに信用出来た。その理由は、この子の目には曇りが無く、嘘なんか付いていないことがはっきりと分かるくらいに真っ直ぐで強い意志を持った瞳をしていたからかもしれない。この女の子の話し方からはとても威圧感が溢れ出ているのだがそれは嫌なものでは無く心地よいものだった。俺がそんな事を考えている間にもこの子は話を続けていった。

『私は君を逃がしてあげるつもりだ。だからこの国では大人しくしていてくれないか?この国では君の力が使えなくなってしまう。それに加えて、この国の者達に捕まってこの国の真の王に仕立て上げられる可能性もあるんだ。それは絶対に避けたいのでな、』

この子には本当に悪いと思ってしまうがこの国にいる以上はこの国の法律を守らないといけないのだ。俺はまだ死にたくないのである。そして俺の命を狙ってくる者がいたとしたなら俺は迷わず戦うだろう。例えこの国を守る為に俺を殺そうとしてくる者が居るとしても俺は自分の身を優先してしまう。俺が死んで悲しんでくれる者はきっと少ないだろうからな。

俺はこの魔王と名乗る少女が何を考えているのかを少し知りたくなってしまい彼女に色々と質問する事に決めた。そういえばまだ俺は名前を名乗っていなかったので自己紹介も兼ねつつ色々聞き出してみることにした。すると彼女はどうやら魔王と呼ばれるだけの能力と力を持っていたようで俺が想像以上にヤバそうな奴に狙われていることに気づいてしまい、焦ってしまっている自分がいたがそれを必死に押し殺したのであった。

『あ、あなたの名前なんていうんですか?』

俺は彼女に質問するのを諦めて自分で調べる事にしたのである。だって怖すぎるだろ?この国で権力持ってるって言われている人達よりこの子の方が断然強そうだぞ?この子に聞いたら俺の個人情報丸裸にされそうじゃね?って思ったのだ!しかし彼女の口から出てきた言葉は予想外のもので、しかも衝撃的なものであった。なんとその彼女の名前は、アリスと言うらしいのだ。そして俺は彼女の目を見て確信してしまった。この子が俺の運命の相手だという事に。この子の俺に対する気持ちは間違いなく好意であり、それも友達としてとかそういう類のものでは無いように感じられたのである。この俺がそんな事を見抜けないとでも思っているのだろうか?俺が彼女に興味を持ったのはこれが理由だと言えるのだろう。

『私はアリスと言います。よろしく。えっと、あなたの名前はなんというのでしょうか?』

え、何こいついきなり話しかけてきて馴れ馴れしいんだけど、まぁ良いやどうせこの国にはあんまり居られなさそうだしこいつに付き合ってあげようかな。

『俺はユウキって言うんだよ、よろしくな!』

俺が元気良く返事を返すとアリスは何を企んでいるのか分からない様な笑顔を見せ、この場から離れようとした。

しかし俺の勘が正しければ彼女は何かを企んでいる。そう思い彼女を行かせるまいと俺は、彼女を引き止めたのである。すると彼女はこちらを振り向き、口角を上げながら、まるで俺を嘲笑うかのようにこう告げてきた。

「この世界では私は勇者です。私に逆らって無事な者などこの国には存在しないのですよ?今ならまだ謝れば見逃してあげますよ?さあ早く私の前から消えなさい。」

俺はこの言葉を聞いて彼女が何をしようとしているのかを大体把握する事が出来てしまった。

「おいお前!もしかしてこの国を滅ぼすつもりなのか!?やめとけ!!流石に死ぬだけだぞ!」

この国には俺が全力で守り抜きたいと思えるほど大切なものがある訳じゃないが、やはり見ず知らずの赤の他人を庇おうとは思わないし、そもそもこの国に愛着すら沸いて無いのだ。なので別に俺は、殺されても良いかなー程度に考えていたのでそこまで心配はしていなかった。それよりも俺の事を心配して欲しいのはアリスの方であると思っている。何故なら彼女の目的はこの国を乗っ取る事なのだ。その目標を邪魔するような存在は、たとえそれが善意の者であったとしても容赦しないのは間違いない。それに彼女はこの国の人間なのだ、だからいくら自分を犠牲にしてもこの国を守り抜こうとするはずだと、そう思っていた。

『私は勇者であるこの私を殺せる程の力を持つ者が存在するとは到底思えない。よってこの国が滅ぼされることは無いと私は考えているのだ。それに私はこんなくだらない世界に飽きてきてしまっていたのだ。そして私は、私の理想郷を創りたいのだ。』

「そうか、でもだからといってこの国は滅びるべきだとまでは思っていねぇよ。だからこの国を滅ぼすのは辞めてくれ!!」

「ふっ。勇者様がこの世界を滅ぼそうとされているのならば、この国の民である私は勇者様の為に、この国の命運を絶つ覚悟を決めました。私は、この国を守る為だけに存在しているのでこの国の王の命令に背く事は許されないのですよ?だから、ご安心下さい。この国の全ての命は私が守って見せましょう。この国の王がどんなに強くとも、必ず私は殺さずにこの国の王を操り続けてみせますから。ではまたいつかお会いしましょう。私は、もう行くので。」

『ちょっと待ってくれ!!』

俺は思わず声に出してしまったがそれでも止まろうとしない彼女に、俺は咄嵯の判断で転移を使う事にした。俺もあまりこういう手は使いたくなかったが、このまま放置してしまえば本当に大変な事になってしまうような予感がしていたので俺は彼女を強制的に止める事にした。そしてその効果は絶大な物であった。そういえば忘れていた事があるが実は俺はチート能力持ちだったので俺の力に対抗できるほどの実力を持った人がそう簡単に見つかるとは思えないので多分大丈夫だろうと思いつつも念のために、もしもの場合を考えて俺はこの城全体を一瞬で包み込めるくらいの巨大な結界を張ることにしてから実行に移すことにした。このスキルを使えば俺の能力が発動するまでは誰にも気づかれないから俺に害を与える事が出来ないはずなのである。だがこのスキルは結構魔力を消費するし、その消費量が多いのだ。そしてその効果時間がとても短いので俺がこの城全域を囲えるかどうか微妙なラインだ。俺が、この城の全域を覆うほどの巨大結界を展開する為に大量のMPを消費し続けていると、どうにも身体に違和感を感じて来てしまったのである。そしてそれと同時にこの城の外から何者かが攻撃を仕掛けてくる気配を感じた。その攻撃の正体が何だったのかは未だに俺にはわからなかったのだがどうにもこの結界の内側に侵入されたようで俺の意識はその攻撃に集中してしまい他の事を考えられる状況ではなかったのである。俺はその攻撃を何とかして防ごうとしたがその前にその攻撃で、俺は、完全に、意識を失ってしまった。

〜アリス視点〜 あの勇者と名乗る少女の力が弱まっていたおかげで、なんとか私は逃げ延びることが出来た。私達はこの世界の理から、この世界を救う事が出来る可能性を持つ、この世界で最強の力を秘めている人物の居場所を探る事にした。そして、勇者と名乗った少女の言葉を信じるならおそらく勇者が言っていた人物が、勇者の求めているものを手に入れることが出来る唯一の希望であり、その存在はどうやらまだ子供らしいということが分かった。

そして勇者は、自分の力でどうにか出来そうも無いと判断したのか私の元を訪ねて助けを求めて来たのである。そこで私は、ある計画を実行に移そうと思うので手伝ってくれないかと言われた。私はもちろん断ることなど出来なかったのですぐに了承をしたのだが何故かその時は何故か私の中にある本能的な部分がこの子について行った方が良いと言っている気がしたので、私もこの計画を手伝うことにした。この子にはどうやら人心掌握の才能があるようだし、私はそれを利用しようと考えているのだ。〜 俺は目を覚ますと見慣れない景色が広がっていることに気づいた。

そして、なぜか俺は自分の意思では全く動かせなくなってしまっている。これはもしかして、金縛りとか言う奴ではないだろうか?まぁいいかとりあえずこの状態から抜け出さないと何もできないのは確かなのでまずは抜け出す方法を探す事に専念してみることにする。そして俺の頭の中には様々な疑問が湧き上がってくる。何故この様な現象が起こってしまうのかという事からなぜ自分がここにいるのかと言うこと等、とにかくたくさんありすぎて困ってしまう程だ。そしてまずは、この状況の打開策としてまずはこの縛っている紐みたいなのを切ろうとしてみる事にしたが俺はここで予想外の事実に直面してしまうことになるとは思いもしなかったのである。

俺が縄の拘束から逃れようと、力いっぱい腕を引っ張ったり足を動かしたりしながら色々と試行錯誤を繰り返していた時にそれは起こった。俺が自分の体の感覚が段々と戻って来る様な不思議な体験をしていた時だ、急に全身に今まで感じたこともないような強い激痛に襲われたのだ。

俺は必死に痛みに耐えてみようとするが全くの無意味だった。それどころかどんどん強くなっているように感じるのだ。しかしそんな事は気にせず俺は自分の体を無理矢理に動かし続けると今度は体が軽くなったように感じられたので俺はかなり嬉しかった。

俺は今の状況を確認してみると、先程の痛みの原因がなんとなく分かったので俺はこの現状を理解し、さらに今の自分に起きていることについての予測を立てられる程度には冷静になっていた。まぁこんなことをするやつはあいつしかいないよなぁ、はは、うん、もう確定だよこれ。って事は俺これから死ぬんじゃねーの?まじ?いやそんな訳ないよなぁ?だって俺なんかしたっけ?いや普通に考えればこのタイミングでこんな事が起きるって事は俺が寝てる間に何かあったと考えるべきだろ。あーやっぱりそう言う事ね。はぁーまじ?マジでやばいってばこれ。って言うかさっきまでめっちゃ痛かったんだけど今は全然なんだけどなんでだ?え、まさかこれもスキルの効果って事なのか!?え、じゃあこれずっとそのままって言うのかよ!?うそぉ、、、。まじ最悪だわ、俺ってこの世界に来てから良いとこなしじゃないか?ってか今って何月なの?いやまぁこの部屋にカレンダーはないんですけどさ?って言うかここ何処?いやまあ俺が居るってことは多分城の中のどっかの部屋なんだとは思うけども。いやでもほんとどこなんだよここ、俺は確か勇者に殺されかけた筈なのにさ。いや待てよもしかして夢なのか?でもさっきまでの俺の体の自由の効かない感触があまりにもリアルすぎたんだよな。って事は俺は本当に殺されたのか?それで俺は幽霊になってこんな所にいるわけなのか!?だとしたら納得できるかも。

「はぁーとりあえずこの部屋を出るしか無さそうだし出るか」

俺が扉を開けようと思ってドアノブに手をかけてみるとあっさり開いたのでびっくりして少し固まってしまったがその後急いで外に出ることにした。

ん?あれ、こっちの方に誰か走って行ってる、、。しかもあの鎧、見覚えがあり過ぎる、絶対この国の兵士だよね。やべ、俺のせいかな。めんどくさい事になる前に逃げちゃうか。俺はその兵士に気付かれる事無くその場から逃げることに成功して無事に城からの脱出を果たすことが出来た。俺はひと安心した気持ちでいたがどうにもまだ安心していられないような雰囲気を醸し出している国を見て嫌になりながらも仕方なく城に戻ってくる事にした。俺は自分の姿を他人に見られる事が無いようにして城内に入る事にしたのだが俺の予想を遥かに超えるほど警備がザルだったので、特に苦労する事も無く中に入れることが出来ていた。そして城の中に入るのに成功したので早速俺は情報収集の為の手段を探し始める事にした。俺は城の中から情報をかき集め始めた。そして、俺はこの国の王であるこの国の王が現在どのような状況にあるのかを調べ上げる事にしたのである。その結果分かったのがこの国の王はもうすでにこの国の王としての責務を全う出来ないくらいに病んでしまっていたということだけだった。そして俺がこの国の王に会いに行くことに決めた理由が俺をこんな目に陥れた原因の人物である可能性があるという事も大きな理由に含まれている。そして俺にはもう一つ気になっていることがあったのでこの国の住民全員の情報を集めることにした。

俺の集めた情報がこの国の全ての情報に当てはまるかどうかは定かではないのだがとりあえず全ての人に聞いてみて、もし当てはまった人が居たら、この国を滅ぼすという目的で動き始めようと思っている。

まず初めに俺はある人物に会おうと思いその人の元に向かった。その人物は俺のことをこの国に招き入れてくれた張本人であるこの国の王様なのだ。この国はどうやら本当にこの人が全て一人で行っているようだ、それに関しては正直かなり驚いていたのだが俺にはまだ調べたいことが沢山あるのだ。だからこの人は、本当に悪い人では無いかもしれないがまだ信用できるかどうかの判断材料が少ないのでこの人の行動を見極めて判断をしようと思う。

〜??視点〜 俺はいつもの様に仕事をしていた。だが最近は仕事に対して全く集中できていないのである。何故なら俺は自分の妻がこの国の王妃になる前から知っているし、幼馴染でもあった。だが最近の彼女の様子が明らかにおかしくなっていたのだ。どうにも俺は彼女が浮気しているのではないかと心配になってしまったのである。まぁ俺には彼女を責める資格なんてものは存在しないんだがそれでも俺は、どうしても気になってしょうがないのだ。そして今日俺はついに意を決して彼女の元を訪ねる事にしたのである。俺には今すぐ確かめなければならない事が山ほどあるのでこの問題を解決しなければいけないのだ。俺は彼女の部屋にたどり着いたのだが彼女はとても悲しそうな表情をして涙を流していたので、俺は彼女に声をかけずに去ることにしたのだがその時に後ろから彼女に抱き着かれて俺の心はとてもドキドキしてしまったのである。俺はこの瞬間俺はもう完全にやられたと思ったのである。なぜなら、この状態で俺を行かせる訳にはいかないとでも言いたげに必死に引き止めてきたのである。俺は流石に我慢が出来なくなってしまってその場で強引に押し倒そうとしたら、急に視界に何かが見えて来るのを感じたので、これはおそらく俺がスキルを使っていて見ているものだと思うが、そこにはどうやら俺の妻が映っているように見えた。

俺は一体どうなってしまっていて、何が起きているのかが全く分からなかったのである。

〜アリス視点〜 俺はこの世界の王のところに向かおうとしたのだがそこで一人の女性が俺の前に立ちはだかった。そして、俺に向かってこの女は言った。

「お前はこの国が何をしようとしているのか分かっていながらそれを阻止しに来たというのか?」

俺はこの女性の質問の意味が全くわからなかったのでこう返答するしかないだろう。

俺はただこの国がどういった経緯でこの状態になっているのかを知らなければならないだけであって別にこの国自体をどうにかしようなどと微塵も思ってはいなかった。

俺の言葉を聞いてこの女の人はとても悲しい顔をしていてそして怒りに満ち溢れた目をしていた。俺は今すぐにこの場を離れなければ殺されると思いすぐさまこの女性から離れようとしたがこの女性はそんな俺の動きについて来て俺に掴みかかってきた。その時、また俺は先程の現象が起きてしまった。今度は先程よりも早く起こっていたため、何とか避けることが出来たが、俺ももう限界なので俺はすぐにこの場を離れることにした。

〜??????視点〜 俺はあの男を追いかけたがもうこの国からは出て行ってしまっていた。何故この様な事態に陥ってしまったのか俺がその理由を考えるとやはり一つに絞られてしまうと思う。それはこの国の王が変わってしまっていることが一番の原因だと思われるがこの事に関して俺が口を出せるはずも無いので諦めて俺は、俺の仕事に集中することにした。

俺の仕事はこの国の民を正しい道へと導き、導いた者だけが辿り着けるという最高の幸福を手にする事が出来るとされている【賢者】と言う職業を持つ者にこの国の王が代わっているかを確認し、その事実が本当だった場合はこの王からこの国の未来を奪う為に動かなくてはならない。

俺はそんなことを考えている内にどうすれば俺の望みが叶うようになるかを考えてみた。しかしいくら考えようが何も思いつかなかった。

俺の願いが叶うようにするためにはまず最初に王に会わなければならないが俺は今王の元へ向かう手段を持っていなかった為今度会う機会があった時に必ず王を殺すと心に誓った。

〜??視点〜 俺は今日もまたこの国のために必死に働く事に決めたのである。俺にとってこの国の国民とは守るべき大切な宝の様な存在なのだ。だからこそ俺は必死になってこの国の民を守ろうとしているのである。だが、最近はそんな気持ちが揺らぎ始めて来てしまっている。その原因は俺が俺自身で選んだ部下である俺直属の特殊部隊に所属しているあいつのせいだ。俺は最近あいつと話す度に俺の心の中にある黒い感情が強くなっていくのを感じる。このままではいけないと思って俺の部隊に所属する他の隊員たちと共にあいつが何かをやろうとしている時には全力で邪魔をする様にしてやったが結局の所あいつのやりたい事を止められる奴はいなくて俺達もこの国を守るためなら多少はあいつに協力しなければならない。

この国を守ることは俺の人生における最大の使命だ、この国に仇をなす者には誰であろうと容赦するつもりはないのだ。

〜勇者視点〜

「俺は今からお前に復讐を果たしに行ってくる」

俺は今自分の国をこの国の王のせいで壊されそうになっているのでこの国の王を殺しに行く事にした。そして俺は今、城の外に出るために歩いている途中である。そして俺は城から外に出るため城門まであと数メートルのところまで近付いたところで門番らしき人に呼び止められてしまった。しかし何故か相手側から攻撃を仕掛けて来たので仕方が無く応戦する事にしたのだがなんと相手がいきなり土下座し始めたのである。そしてそいつは自分が勇者であることを名乗り出した。

どうやらこいつらは本気で自分こそがこの国を救う唯一の存在だとでも思っているようだ。俺は、少しばかりこの馬鹿な奴らの思考を覗かせて貰ってみるとこの国の王は本当にこの国の為に行動していたみたいだったので俺は、こいつらがあまりにも可哀想に見えたのでこの国を救うのを諦めて俺に殺されてあげようと思った。だが俺はここで一つの疑問が生じた。なぜこいつは、わざわざこんな大それたことを仕出かしたにも関わらず、あっさりと捕まる事を受け入れたのだろうか?普通ならば、少しでも抵抗を試みようとしてきて当然だと思うのだが、、。

〜??視点〜 俺はついにこの王城を抜けることに成功した。そして遂に俺は、長年の悲願であった魔王の討伐に向かう事を決意する事に成功したのだ。そして俺は魔王を倒すために自分の持っている力全てを使い切ってやると心に決めている。だが俺一人だけで挑むという事は正直無謀すぎるだろう。俺はまずは仲間集めを始めることにした。

〜??視点〜 俺には夢がある、それはいつか自分の作った武器を売って金を稼ぐ事だ。そのために俺は毎日必死になって努力を重ねていた、その結果俺が作る武器は少しずつではあるが確実に良い物になってきている。そして俺がついに自分の工房を持ち始め、そこに住み込みで働く事になった。そして俺の店の名前は【鍛冶屋ツクモガミ堂】という変わった名前で最初は変な名前の店が流行ってしまったとかなり恥ずかしい思いをしてしまった。しかし俺はこれから自分の腕で金を稼いでいける事が凄く嬉しかった。

〜アリス(元王女)

side end アリスが王を殺そうと決心してから数日後、 俺は今ある問題に直面していてかなり困っている。というのも俺は今まではずっとソロで活動していたのである。しかし、俺にもこの世界にはもうすぐ結婚する予定の恋人がいたのでこの世界を一緒に旅をしてくれそうな人材を探しているのだ。しかし、なかなかこれと言ってしっくりくるような人は見つからなかった。俺はこの数日間ひたすらその人の事を待ち続けたがとうとうその日が来てしまう事が確定したので俺はある作戦を実行することに決めた。それは俺はこの数日の間で俺の仲間になりたがっている人を徹底的に調べ上げ、そして俺の店である鍛冶屋ツクモガミ堂の宣伝係にして、そしてその人に俺が作った武器を販売してお金を巻き上げるというかなりあくどい手法を取る事にしたのである。俺はこの世界では基本的に俺しか出来ないこと以外に関してはほぼ無双できる状態であるのでこのやり方はかなり効率が良い。しかも俺は、今の時点でこの国の人達に知られている実力以上の物を売ろうと思っている。何故なら、この国はどうも平和ボケしすぎていて俺の力を見抜くことすらできない奴が多すぎたのだ。俺としてはこの世界の人達を全員まとめてぶっ殺そうと計画していたので俺の力を見せ付ける事ができれば必然的に敵が減り、結果的に楽にこの世界の人間を全滅させる事が出来て非常に便利になるだろう。まぁ流石にこの世界にはまだレベルが1桁の人もそれなりにいるのでその人達はなるべく見逃してあげようと思っている。俺がこの世界にきたばかりの頃にこの国の人達には色々と良くして貰ったからね。

〜??視点〜 私はとても暇を持て余していた。何故なら私は、ここ最近のこの国の様子を見てみるとどうにも嫌な雰囲気を感じ取ることが出来てしまい、どうにも気分が沈んでしまっていたからだ。私は私達の王が何故あのような行動に出たのかについて理由を考えながら、私の中にあった王の行動を阻止しなければという気持ちが日に日に増していったため私は王に直訴しようと考えたのである。

そこで私は王の部屋にたどり着く前に、王が部屋にいるかを確認させてもらおうと思って部屋の外にいた衛兵に尋ねたところ、王は今部屋にいないと言われてしまったのである。そこで私は王に早く伝えなければという思いがあったので王の帰りを外で待っていたところ運悪く、私が王に会おうとした時にちょうど王が帰ってきて王の部屋でばったり遭遇することになってしまったのである。なので俺は王に対して今から自分がすることについて話そうとしたが、その時に俺はいきなりこの国の兵士達に拘束されてしまったのである。

そして俺はそのまま兵士によって王の元へ連れて行かれ王の前に放り投げられてしまいそして俺は王に向かって俺はあなたの部下の者たちに反逆者として捕らえられていると伝えたら、この王は何故か俺のことを酷く怒っていた。

だが、どうしてなのか俺には全然分からなかったのでその理由を聞いてみた所どうも最近何かしらの動きをしている者達が俺の元部下の中にいたらしくそれが関係していたみたいだった。そして王はその後、俺を捕らえていた奴らを即刻処刑すると宣言して何処かへ行ってしまったがおそらくその者に会いに行ったのだろうと俺は予想していた。

〜??視点〜 私はとてもイラついていた。何故この国の人間はあんな愚かな男に従っているのであろうか。何故この国では誰も王がやろうとしていることに疑問を抱く事すら無く当たり前のように従っているのかが不思議でならない。この国の連中はその男に支配されることに快楽を感じるようになってしまっているのではないのかとさえ考えてしまった。なのでそんなこの国の奴らに少しだけお灸を据えてやるつもりで私はその男が最近使っているらしい訓練所に一人で向かう事にした。

そして着いた先にはこの国の中で一番の強さを持つとされる者が居た。

どうやらこいつも王に使える為に強さを求め、日々修行に明け暮れてきたようでその力は既にこの国で三番目に位置する程にまでなっていたのである。そしてその男は、私が話しかけた時いきなり攻撃を仕掛けてきて危うく死ぬところだったのだが何とか避けることが出来た。だがその後もこいつは全く手加減する事も無く本気で私を倒しにかかって来たが正直この程度の攻撃ではとてもではないがこの国の奴らが従う様なレベルのものではないのでやはりおかしいと思ったのである。そしてしばらく時間が経つとその男が急に戦うのをやめてしまったのである。私はこの国の中では結構強い方であるから戦えば少しくらいは時間を潰せるのではないかと考えていたがまさかこいつはすぐに勝負を投げ捨ててしまうとは思っていなかったので正直かなり腹が立っていたがそんな事を言っている場合ではなかった。何故ならこの国で二番目に強い奴が現れ、そいつがまたこの国の中でも一位の強さを誇る奴と戦って負けてしまっていたからである。

そんな状況の中この国で最強の奴が現れるのと同時に、この国で最も力を持つ奴が現れたので恐らくこの国ではこれ以上の実力者が居なくなってしまったと思うのでもうこの国は終わりだと思い私はすぐに逃げることにした。

だがその時私達は突然目の前に突如として現れた一人の少女により邪魔をされ、さらにこの国の王を呼んでこいと言われてしまったためにこの国で一番強く王を呼びに行ける者は誰かと考えてみるとそれは私であった。

だがしかし私はこの国の人間を全員殺すつもりだったので、正直今更こんな小娘の命令を聞く気にはなれなかったが王を呼ぶまで戻ってくるんじゃねえと言われたので仕方が無く戻ることにした。

〜??視点〜 俺が戻って来ると既に王の姿はそこにはなく、そして俺はこいつらの言い分を聞いていたのだが、こいつらの話しはなんとも嘘くさかったので適当に受け流す事にした。ちなみに俺の仲間になりたがっているこいつらが王を呼びに行っている間俺とこいつらは王が来るまでの間ずっと話をしていた。俺はこいつらの話しはなんとなく嘘っぽいと感じた。何故ならこいつは俺の事をやけに上から目線で見ているので多分俺を下に見たか何かしたいという思惑があるのでは無いだろうかと予想できたのだ。

だがしかし俺のその判断はある意味で正解であり俺はこの後王が来た時にその事をしっかりと確認したのであるが、この王はやはりこの国に蔓延る腐った根性を持っていた為この世界に来てからの俺が受けた屈辱を全て返した上で俺が直々に手を下してやる事を決めた。そして王達が戻ってきた後王に対して俺は、これからこの王を殺す事を宣言し王達の前で実際に王を殺してみせ王達にその事実を認めさせるように仕向けた。だがここで予想外の出来事が起きたのである。それはこの俺の行動に激怒した王がこの俺に襲いかかってきたのだ。正直言って俺はもう王などは殺したいと思っていたのでこの機会を逃しはしなかった。だが俺が殺そうとした瞬間俺はこの王に首を跳ね飛ばされたのであった。そして俺は死んだ、はずだった。

(え!?ここは?どういう事なんだ?)

俺はなぜか今意識を取り戻したので何が起こったのかわからず戸惑っていると俺は、今この体の主がこの王をどうやって倒したのかが分かったのでとりあえず俺の体に起きていることを理解しようと俺はこの体を自分の体のように扱える様にする為にこの身体に俺の魂が定着できるようにした。

そしてその後この王が死んだという情報を聞き付けたこの国のトップに立っている奴が俺を殺しに来るかもしれないから気を付けるんだぞと言うメッセージを伝えようとしたがその途中でこの肉体の主導権が無くなったせいか俺はまたあの真っ暗な場所に戻っていたのである。

そして俺はこの暗闇の世界でひたすら待ち続けついにその時はやって来た。そしてついにこの世界での最後の敵である【勇者アリス】との決着がつくのである。そして俺が最後に放った最後の言葉の本当の意味を知ることが出来るのである。

〜アリス(元王女)side〜 私、アリスは今ある問題を抱えている。それは私の元にこの国の王を裏切って魔王軍に入るように指示を出してくる使者の人が最近よく来るようになったことだ。しかも私は何故かその人達がとても怪しくてどうにも警戒してしまうのだ。そしてその人達の目的はおそらく私が王に不信感を抱いているのを悟って、この国が滅ぶきっかけを作ってしまうかもしれない事を防ごうとしているからだと思うのだけど。だからその人たちはどうにかして私に取り入ろうと必死に私の興味を引きそうな話をしてくる。でも、そんなもの私にとっては全く魅力の無い話でしかなかったので全て無視していた。

そうしている内に私は遂に王を殺せばその王の力を受け継ぐ事が出来るという情報を手に入れた。その王を殺した時に王の力を引き継ぐことが出来るなんて本当にその通りになるのかどうか疑わしいけどそれでもその方法しか無かったので、結局私がその王の命を奪うことになってしまった。その時に何故か私の中の黒い気持ちが溢れ出しそうになるような感覚に陥り私は一瞬パニックになったけれど、その後はその感情を無理やり抑えつけてその人について行き、そしてその人は王の居る部屋の前に辿り着いた時にその扉は勢い良く開け放たれた。その光景を見ていた人達はその部屋に居る王に向かって次々と攻撃を放っていった。そして私の方にもその人達と同じタイミングで再び刺客らしき人物がやってきたので私は急いでその人達が放ってくる魔法の中へと飛び込み、その攻撃を何とか避けようとした。その結果何とか避けられたんだけどその代わりに私を狙っていた人に私は背後から攻撃されてしまった。

私は完全に死んでいた、はずなのに私は生きていた。

どうして?どうして私は生きて?もしかして私はこの人達によって生き返らせられた?もしかして今ならその王の力をこの手に? 私はそう思い私はその男の人から力を奪い取った。

「この力は?この能力は?私が望んでいた力?」

この能力の使いどころを考えないといけなくなったがまずはこの城にいる者達を全員殺す事が先だ。

〜アリサ視点〜 どうやらあの王が私達の力を奪ったようだ。まあそれは予想の範囲内だしむしろ想定内なので全く問題は起きていないので特に問題は無いだろう。それよりも今は、これから起こることが重要だ。

私はその前に、あの男についていく前に少しだけ話を聞いてみようと思ってその男に話し掛けた。そして男は、その前にお前の事を試させてもらっていた。俺の仲間に相応しい実力を示せたならば仲間にしてやろう。と言って来たので私は当然それを断った。するとその男は、この国の民に被害が出るのは嫌だろう?なら、大人しく言う事を聞いた方が賢明ではないか。と脅してきた。確かにこのままでは王を殺せるチャンスがどんどん無くなっていくと思い、私は何も言わずにその場から去った。

その後私はすぐにこの王の元へと向かった。そしてその男に私は王に止めを刺す許可を貰ったので早速実行に移すことにした。そして私が王にそのナイフを突き立てようとしているとそのナイフが王を庇う様に飛び出して来た男の手の中に吸い込まれるように消えてしまったので私は、少しだけその男を警戒していた。そして男は、俺を王だと勘違いをしたまま私に攻撃を仕掛けてきたがその程度の攻撃などは今の私には効かないどころか、そもそもその男は私の相手としてさえ不十分だったので私がその程度の攻撃は余裕で避けるとそのまま王を守る為だけに存在している様な女とその男が戦いを始めたので、私はその二人の様子を見ながら、今のうちにある事をやってしまう為に王の方へ向かって行った。

だがしかし私の目の前に、突然見たこともない少女が現れたと思ったら急に王を殺そうとしてきた。流石にこの状況は見過ごせなかったので、私は王の前に立ちはだかる様に少女の前に出て、何とかこの少女が王の所に行くのを防ぐことに成功した。だが私はその時少し油断してしまっていたようで少女の攻撃を避け損ねてしまった。そして私が再び死んだ時この肉体の主導権が無くなり私は再び意識を取り戻してしまうのだった。

〜??side 俺の目の前で王を殺す事に成功してしまったアリスが突然王の元へと走り出して行ってしまったのを見て俺は焦りを感じていた。なぜなら王の近くにはまだあの王を守ろうとする連中が何人か居てその者達にまだこの体に慣れていない俺が勝てるとは思えなかったからである。そして案の定その連中に返り討ちにされ殺されてしまう。俺はその事をすぐに理解したのでこの体が動くうちに俺は俺がやるべき事を果たすためにすぐに動き出した。

そして俺はその体を動かすことに大分慣れてきた頃俺の体は何者かに操られてしまい、そのせいで俺の仲間達は次々とやられていってしまい俺はなんとか意識だけは保っていたのだがそれももうそろそろ限界を迎えそうなくらいまで消耗してしまいいよいよ覚悟を決めないといけない状況に陥ってしまった。そしてそのタイミングであの男が現れたので俺はあの男の狙いが王では無いという事は分かったので俺は俺の身体を操る男から王の事を守れる様にと全力を尽くしていた。

俺はその後あの男と王を殺すために行動を開始した。俺は俺をこの世界に連れてきてくれたあの神様のおかげである程度俺がこの世界の人間よりも強くなっていることは分かっていたが、やはりこの体の主の力は異常すぎるのである。この世界にやってきて最初に王を俺がこの手で殺そうと思っていたがその時既に俺は既にその王の息の根を止めていたのでその役目は既に果たし終えていて正直俺の目的は果たせないのである。だが俺が俺をこの体の中から追い出しても多分この体は止まらない。この体を動かしているのは俺だがこの体に宿る俺の記憶は全てあの男に奪われてしまっているからだ。つまり今俺がこの体を抜け出したらおそらくこの世界は滅んでしまうと思う。俺が王を殺してからもう既に時間が経ちすぎているのでもう今から俺の力がなくてもその国の崩壊は免れないだろう。それにもしこの俺の意思を乗っ取っている奴が王を殺すことに成功していてもその王は今の王では無くなっていて新しい王がそこに君臨しているだけだ。なのでこの国はいずれその国に滅ぼされるのが確定している。だがそんな事に俺は一切興味は無かったので俺はただ自分の目的を達成することしか頭に無かった。だが俺の願いは叶いそうにも無いのが今の状態で、このままでは何もかもが無くなってしまう。それだけは何としても回避したいと思っていたが俺はその思考さえもこの体に取り込まれていった。

俺が俺自身の意識を取り戻すとそこには、なぜか知らない間に王を殺そうとする刺客らしき者が俺の身体を使って王を攻撃しようとしており俺の身体は俺の制御を完全に失い勝手に動いているようだったが俺の体から出る事が出来なかった。そして俺に残っていた僅かな力でどうにか俺の体から抜け出して刺客が王にトドメをさそうとしているのを見たので俺はその刺客に向かって斬りかかり、王を守りつつ、王への攻撃を防いだ。だが、その代償として、俺は再び完全に動けなくなってしまいこの体をこの世界で動かすことが不可能になったのだ。

その後、この体の持ち主であったはずのこの男の人格がいつの間にか無くなっておりこの体の支配権は完全にこの王へと移っていた様でこの王は今までにないほど喜んでいた。そしてこの場に居た者を全て殺し、その力を王に受け継がせようとしたが、それは何故か失敗した。王が死んだ事で王の能力を受け継ぐ事が出来ないと分かると、あの男は諦めて帰っていった。俺はとりあえず一命を取り留めたので安心していた。

〜??sideend〜 〜??side〜 どうやら私達の王であるあのお方がまだ生き残っているのを感知した私は、急いであの方の元へ向かい王の元へと向かうと何故か王と護衛達が死んでいるのを確認した。私がどうして死んでいるのか分からないまま私はしばらくその辺りを調べていたが特に何も無く時間も惜しかったのですぐにその場を離れた。そして私の任務は終了した。私はその事を報告しなければならないと思い一度自分の拠点へと戻った。そして報告をすると私は今回の事について色々と聞かれる事になってしまった。私は素直に全てを話し全てが終わると私の担当している場所に戻され、そこで私はしばらくの間休むように指示を受けてしまった。その指示は別に拒否するつもりはなかった。何故ならその期間はとても退屈だったからだ。私は何か暇潰しになるようなものは無いかなと思いその辺を見回したが、その日はたまたま私以外の人間が全員外出していてその建物の中には私以外誰もいない状態だった。私は、せっかく外に出てもいいという許可が出ているし久しぶりに外へと繰り出した。

〜アリサ視点〜 あれから、私はあの男が私にやった行為によって意識を失った時にまた別の人の体へと入れ替わっていて今は、私ではない私によって動かされているという奇妙な感覚を感じて過ごしていました。私が今居るこの場所で私は、私ともう一人の私という二つの意識を持ったような状態で過ごすようになりました。私がここに居続けて、もう一人の私がここから去って行く、その入れ替わりの時間は約半月程度であり、それが終わる頃にはもう一人の私は完全に私の意識の奥底へ隠れていき私には記憶としてしか存在が分からなくなるのです。

〜アリサsideout〜 〜アメリ視点〜 私がアリサに会ったのは私が初めてアリサに出会ったのはまだ私も小さかった頃の話で、アリサはその頃まだ王ではなくその部下の騎士でした。私はその頃のアリサの事は全く知りませんでした。でもアリサの方も私に興味が無い様子だったのであまり話したことはありませんでした。しかしある時、私の父が突然病気になってしまい、そして死んでしまった後、父は生前に言っていたある言葉を思い出し、それを叶えるために私は勇者と呼ばれるその男を探し始め、遂に見つけることに成功しました。しかしその男は私が勇者と呼ぶに相応しいだけの力は持ってなくむしろ逆と言っていいくらいに弱い男でした。しかし私はそんな事は関係無く男の仲間になり一緒に旅をする事となりました。

その後私はその男から色々な技術を教えて貰って、それから私は少しの間だけ男の元を離れる事を決意しました。その男が私の事を大切に想ってくれていたのは知っているけれど私はどうしてもやらなければいけないことがあった。私は男に別れを告げる事にした。男は最後まで私がどこに行くかを聞かなかった。

私は男の元を離れ、一人で目的の場所へ向かっていた。その目的地は男に教わり自分で決めた所だ。そこに着いた。その街は、昔、その男の住む国が戦争をする前にその国の人達が住む最後の砦となっていた場所だそうだ。私は男の仲間としてこの国から王を倒すためにここへ来た。だがその男は私の事を全く信じてくれていなかった。それどころか男はこの国に対して怒りの感情を持っていた。その男の感情は私の身体にも伝わり私はその怒りに飲まれそうになったがなんとか持ちこたえた。そして私は王を暗殺しようと企んだが、男の仲間達に妨害されてしまったので私は逃げるようにしてその場から立ち去った。

私は逃げ延びてからずっと男達を撒く為に森の中を走り続けていた。だが、ついにその時が来てしまったようだ。突然私は何者かに狙われてしまったようで攻撃を食らってしまった。だが私はこのくらいの相手では死ぬ事は無い。私はすぐさま相手の姿を確認して攻撃してきた相手があの時の仲間の一人である少女だと分かり一瞬驚いた。

そして私が攻撃を避けられずにそのまま少女に殺されてしまうと私は少女の攻撃により意識を失いその場に倒れ伏していた。そして少女は私を殺すために近づいてきた。少女がもう私を殺す寸前で意識を取り戻した。だが既に手遅れで私は殺されてしまっていた。

〜アメリsideend〜 〜アリスside〜 あの時、私の仲間を殺したこの少女を目の前にして俺は、その事を許せないと思っていたが俺はその前にやることがあるので、まずはその事を先にやってしまおうと思っていたのだが俺の仲間達はその必要が無くなった事を俺に伝えるかのように皆次々と目の前の少女によって殺されていった。そして最後に残っていた仲間は目の前で殺されたのだがその仲間の仇を俺は取ろうとしたがそれは失敗に終わった。俺は自分の弱さに悔しさを感じていた。俺がその事に関して後悔をしていると俺の中であの男の気配を感じたので俺の中の意識は一気に引っ張られ俺は気がつくとまたあの男の中にいた。だが今度はあの男に乗っ取られるという事はなく俺が主導権を握っている様なので、あの男に乗っ取られた時のことを教訓に今回からは自分の意思で行動する事にしていた。俺はこの体から出ていこうとした。俺はこの男の記憶を探ったが、この男の名前は、 この男の本当の名前はアリエスと言うらしい。だが俺はこの男の身体に長くいすぎたせいかその事実に俺は気づいて居なかった。

「ん?なんだここは?さっきまで俺と一緒に居た筈のこの子まで消えてる!?」

どうやらあの男が目覚めてこの男の精神が俺の中から抜け出し、それと同時に俺の体の所有権も戻ってきたらしく、この体の中の空間の主導権を俺は再び取り戻すことが出来たがあの男はどうやら俺から追い出されてもこの体からは抜け出せていないみたいだった。だが俺はあの男から俺自身を取り戻すまではあの男の体でこの世界を支配する事に決めた。だが、俺は今の状況にとても違和感を感じている。なぜかといえば俺の今の体はなぜかいつもより力が増している感じがあるのだ。それは何故かは今の時点では分からないが何となくだが俺の中にある力が増した様な気がするのだ。もしかしたらこれが何か関係しているのかと思った俺はステータスを確認するとそこには予想を遥かに上回る程の膨大な量の力を手に入れている事が判明してしまい俺の身体には一体どんな力が宿っているのか不思議でたまらなくなった。

そして俺はこれからどうするかを考えるため自分の部屋から出ようとした。そしてドアを開けるとそこには俺がこの体から追い出したはずの俺の体がそこには居座っていて、しかもその身体には俺よりも圧倒的に多い力を感じるのである。これはおかしい、なぜ俺が体を追い出された後に俺と同じ力を扱える様になっているのかが理解できなかった。それに俺はこの俺自身の肉体を完全に支配していたと思っていたが全くそんなことは無かったのだ。何故ならこの俺は完全に操られている状態のようだったからだ。俺は何とか自分の力でどうにかこの状況を打破したいと思って、俺はその身体の持ち主が俺に何かをした理由を考え始めた。

そういえばあいつらはどうやってあの状況を切り抜けたんだ?確か、あの男が言っていた言葉に聞き覚えのあるものがあったな、、そうだ思い出したぞ!あの男は自分の体で相手を殺せばその相手の力を使えるという事を言いやがった。という事はこいつは俺を殺そうとしてきて返り討ちにされてしまいその結果こうなっている訳か、そしてこいつの性格と行動原理から考えて俺はどうすればここから逃げ出せるかを考えた。どうすれば逃げれるのか、そもそもここから逃げ出すという事は可能なのか、そしてこの身体はどうすればいいのかと、色々と考え出した時に俺は一つだけ思い浮かんだ案があった。この方法を使う事で俺はこの状態から逃げる事が出来るのではないかと俺は考えた。そしてその方法は成功した、つまり俺は自分の意志で再び元の自分の体に戻れたわけなのだがその時は自分が何故戻ってこれたのかが分からず戸惑っていた。

だがその後、すぐにこの部屋に他の者達が入ってきた為一旦この考えは保留にすることにした。

〜アリスsideend〜 この世界に存在する国の中でも大国と認識されている国家は五つある、その内の一つが王国でこの国は昔から勇者と呼ばれる存在によって建国されたと噂されておりこの国には他の国と比べて特別な力を持った人間が産まれやすいと言われていて勇者と呼ばれる存在が生まれるのは珍しい事ではなかった、そしてこの勇者がまた新たな伝説を創り出す事になるとは、この時は誰もが予想出来なかったであろう。そして勇者と王によるこの物語が始まりの物語であった。

〜プロローグ〜 私は、今日も変わらず訓練に明け暮れています。でも、その訓練の内容が最近少しずつ変化しています。そのおかげなのかは知りませんが私の能力の精度が上がったと実感出来るようになっていました。でも最近はそれだけではありません、私の能力の精度が上がるにつれて何故かはわかりませんでしたけど私が使っている武器の能力が私にも反映されてその力が強化されていくのです。そして私は、私の能力は更に向上するだろうと何となくですけども確信しておりました。私はこの事について深く考えるのをやめていました。だって、もしこれ以上の威力が出てしまったら大変なことになるからです。でも私がこの先も強くなっていくのだと私は心の中では確信してしまっているのかもしれませんね。だからといってその事に甘えて何もせずに怠惰に浸ってしまうのだけは避けたいとも思っています。

そんな日々を過ごしていある日の事、その事件は突然起こりました。

〜勇者sideout〜 〜アメリside〜

「おい!そこの女、その男は勇者のお前の仲間だろう。早くその男の息の根を止めろ。それがこの国の為でもあるんだ。その男が生きている事はこの国に悪影響を及ぼす事になりかねない、だから殺すんだ!」

と、その男は言って私の背中を押してきた。私はそれに従いその男の言葉に従おうとしていたがその時、 その男は私からその少年の体を奪うように奪っていった。そして私は抵抗する暇も無く意識を飛ばされてしまっていた。

そして私が意識を取り戻し目を開くと見慣れない景色が広がっていた。そこは何処かの建物の中のようで私が今いる部屋の外からは誰かが言い争っているような音が聞こえてきていた。私は状況を判断しようと思い、この建物から抜け出すことにしたのだが私がこの建物の出口だと思っていた扉を開けたらそこには見た事も無い街があり、そしてこの建物がなんの為に建てられていたのかわかった気がした。この建物はこの国を守護するための城で、私はこの国の王になるはずだったのだ。だがその予定が崩れたのだ、それはこの国で起こる筈のない事が今まさに起こっているのである。それはこの国の民達が突如姿を消したのだ。それも、一人残らずこの王城の外に存在していた森の中にいきなり現れ、そして消え去った。この光景を見て私には、ある人物の顔が頭に過ぎった。その顔は以前私の事を殺しに来て返り討ちにあった少女だった。

そして私は、これから何をするべきなのだろうか。このままここにいればいずれあの男が現れる。そしてその男を倒さない限り私はこの国からは出られないのだ。ならば私がとるべき道は一つだけだ。あの男を倒すしか他に手はないのだ。

そして私が決心をしてから少し経った頃にあの男が姿を現した。あの男が現れた瞬間から周りの空気が重くなり、あの男を中心にして禍々しい雰囲気が辺り一帯に漂っているのを感じ取れてしまった。そしてあの男がこちらを見た時私に向かって微笑みを浮かべた。そして次の瞬間に私の視界は真っ暗になっていた。

それからしばらく時間が経ち目が覚めると同時に目の前の空間が一瞬歪みそこに一人の少女が姿を現した。そして少女の容姿を確認した私は驚いてしまった。なぜならその少女の髪の色は金色で、私よりも遥かに美しい輝きを放っていたからだ。そして少女は私に何かを語りかけようとしていたが、その少女が私の事をじっと見ていた為に、何故か少女は急に顔を赤くしてしまったのだ。その理由がわからずに私が困惑していたのだが、それを遮る様に目の前のその少女は口を開いた。そして、そこから出た言葉は信じられないものであり、そして、それはまるでこの世界が終わるかの様に思われてしまうものであった。

〜勇者side〜 そしてあの男と出会ってからの時間はかなり短くてあっという間にあの男を討伐するという目的を達成するために行動する事にした。そしてまずは男の行動を把握しなければならないと思った私はあの男から離れてあの男の動向を把握する事を優先し、あの男の監視を開始したのだ。すると私はあの男に異変が起こった事を知ることができた、そして、それは私が思っていた事よりも最悪な事態だったのだ。あの男は突然自分の仲間と思われる人間を殺す事を決めたのだ。

そしてその行為には当然だがあの男も予想をしていなかったのか動揺を隠せていない様子だったのであの男の隙を伺うために、あの男の動きを観察しているとある事に気づいた。その事というのはあの男からは殺気を一切感じられなかったのだ。もしかしたら、あの男はまだ自分の行動に気付いていないのか?だが何故気づいていないのにも関わらずこんな行動を起こしたのかという理由が分からなかった。なのでその謎を解くためには、やはり直接あの男に問い質すしかないと思いその考えをすぐに実行に移す事にした。だがどうやってあの男と話す機会を設けるべきかを考えている内にあの男の周りを奇妙な存在が囲んでいた。

それはこの世界に存在してはいけないものだった。

〜勇者sideout〜 そして俺がその正体を知った時には既に手遅れでありその異様な存在が動き出そうとしていた。俺も動かなければ確実に命を失うという事は分かっていたが、身体が全くと言っていいほどに動かず俺は完全に硬直していたのだ。そして俺は恐怖に怯えているだけで全く身体が動かないでただひたすらに迫り来る死を受け入れようとしたその時、俺の身体が勝手に動き出してその異形の存在を一撃で斬り裂いていた。俺の身体はその攻撃を防ごうとするが一切反応出来ず、そのままその攻撃を食らってしまった。その攻撃を受けた俺の身体は吹き飛ばされてしまい壁に激突してしまう。俺が痛みに耐えながら起き上がるとその場所に俺を吹っ飛ばした奴が立っていた。そいつは黒い甲冑を身につけている上にその手に持っている槍が明らかにこの世界の物ではなく俺はこいつが俺の敵だという事が分かりこいつを倒しにかかった。

そしてその男が何かをする前に気付いた事がある。その男が持っていたあの剣は俺の愛剣で間違い無く、あの男から俺の力が流れ込んできているという事は俺とあの謎の存在が繋がってしまっているという事になるという事でつまりは俺自身が俺の身体に乗り移られている状況になってしまった訳でつまりはこの状況を打破する方法を考えないと俺はこのままこの身体を操られ続けてしまいこの国にとって良くない事を起こしてしまいそうになってしまうのだ。

〜アリスside〜

「貴方のその力を貰いますね」

〜神崎真守side〜 はぁー疲れた、まじだりぃよもう無理、やめてぇ〜って、言っても無駄なんだよねぇ〜☆ というか何でこの俺がお前なんかに従わなきゃいけね〜のかが意味わかんね〜んだけど。ま、とりあえず今はこの体の支配権を何とか取り戻さないとマジでやばいから早くこの女から奪い返そうとしないとだね〜。

でもさっきこの女と繋がった時わかった事が一つあるんだよね〜、多分だけど俺とこいつは精神干渉系の能力を持っている可能性が高いんだよね〜。だから俺がこの体を取り戻すにはこいつの精神に直接触れなきゃいけないっぽいんだよな〜。でもそんな事ができるのかどうかわからないしそもそもできる保証なんて無いから試しにやって見ようかな〜とか思っているんだよね〜、だから今すぐ試してみても大丈夫だと思うんだ〜、でもこの方法でやるとなるとこの体が傷つくかもしれないしこの女の体も壊す事になるかもだからあまり使いたくないけど今の状況だとそんな事も言ってらんないし仕方ないけどこの方法を使おうと思っているわけですよ。

「おい、その力よこしやがれ!」

よしこれで準備万端、んじゃ始めましょうか! 〜アリスsideout〜 〜神崎 真守(アリスの精神)side〜

「貴様、私に触れようとするな!汚らわしいな、そんな下衆がこの神聖なる王城の、この私の部屋に侵入してくるとは言語道断だ!早く立ち去れ、さもなくばその不届き者の身の安全を保障はしないぞ!早くその汚らわしい腕を退けろ!今ならまだ何もしていない、早くその男を何処かに捨て置いてこい!」

ん、なんだろうこの展開、何か俺に対して凄く怒っているみたいだな。だがここでこの少女に逆らっても恐らく勝てる見込みは無いのでここは一旦引いておこうと思う。それにこの少女から早く離れたいという思いもあったのでこの部屋を出ようと試みる事にした。そしてこの少女の後ろ側にドアがあったのでそのドアに手をかけてその少女から距離をとる為に走り出したのだがその時俺は何かを感じ取り急いで少女に向き合いそして、

「ちょっとタンマ!」

と叫んでしまった。

するとどうだろうか目の前の少女の顔は更に怒りの感情が露わになっており、今にも殺されそうな程だ。だが、ここで殺されるわけにはいかない。そして今この状況で俺が生き残る方法を模索していると俺の手が何かを触っているのに気づきそれが何なのか確認しようとしたのだがそれは何かの液体で俺が触ると指にその液が付着してしまった。その液が付着してしまった手を見てみるとなんとも言えない感覚に陥り少しの間手が震えてしまっていた。それを見た俺はその液体の事がとても気になってしまいその手についたその謎の物質を口に運んでみたのだ。そしてその謎の物質を口に入れた途端、全身が燃えてしまうのではないかと思えるくらいに身体全体が熱くなったのだ。そして次の瞬間にはその謎の物質は消えてしまっておりそれと同時に身体中に激痛が走った。それと共に俺の意識が遠くなっていくのがわかった。そして完全に意識が飛ぶ前に見たのは、少女の顔は真っ赤になり目から涙が出ていながらこちらに向かって走ってきている光景であった。

そして俺が完全に意識を失ったと同時に身体から魂が抜け出ていった気がした。

それからしばらくの間気絶していたがふと目を覚ますと目の前の空間に少女が一人立っていて、俺が目を覚ました事に気づいたのか少し嬉しそうな顔をしてこちらを見つめてきたのだ。そしてその瞬間に、自分が誰に殺されたのかを理解出来てしまった。

そう、俺はあの男を殺した奴によって死んだのだ。

そして俺はその男に殺意が湧いた。それは当然の事である、なぜならあの男は自分の仲間を殺しただけではなく自分の事を殺そうとして来たからだ。これは許せることじゃない。俺はあの男を許さない。

〜アリスside〜

「貴様よくもこの私を騙してくれたな。私は絶対に貴様だけは許さん。覚悟しろ!」

私はこの目の前のこの男を許す訳には行かない。何故ならこの男は私がずっと待ち望んでいた力を、勇者になる為の力を持っていたというのに、その力がどれほどのものかを知らずにその男の力を利用して私は魔王になろうと計画していたのにその力を奪おうとしただけなのにその男が私の事を裏切って殺そうとしてきた。私は今までこんな酷い扱いを受けた事は殆ど無いのだ。この世界に来てから私は周りからはいつも優しく接されて生きてきた。そして私は、あの男を勇者として育ててその力で世界を救いたいという願望を持ってしまったのだ。あの男の事は嫌いだ。しかしそれでも私はあの男と一緒に旅をする事で得られる仲間との絆、信頼感に期待をしてしまい、いつかあの男を心の底から信じる事が出来るようになりそしてその男と仲間の為に戦えるような日が来るのではと思ってしまいそして、あの男を信じてあげたいと願ったのだ。だからあの男には死んで欲しくなかったのだ。あの男は私がこの世界で初めて信じても良いのかもしれないと思った男だったのだ。だからこんな形であの男に殺されてたまるか、と強く思っていた。その為にまずこの男がどんな存在だったのかをしっかりと調べなければならないと心に誓ったのだ。

「さぁお前の正体を聞かせてもらおうか。お前は何者なのだ?」

だがそんな質問をした所であの男が答える筈も無い事は分かっていた。そしてあの男からは強い威圧を感じるのでその実力が確かなものだと分かるのだ。そして、この男はおそらく私が勇者の力を手に入れた後に私を殺すつもりだったのであろうという事も察する事ができるのだ。そして私はその力を手に入れる為にこの男を殺すという結論に至った。

「おい、お前に聞きたいことがある」

「何でしょうか」

だがこの返答を聞く限りだとやはり、私にこの力を渡さないようにする気だな。だがそうはさせない、必ず力を手に入れてこの国を滅ぼし、その後にあの男を私だけの奴隷にしてこの国の者達を根絶やしにしてくれる。そして私をここまでコケにしたんだ、きっとあいつは死ぬ間際になって私に感謝の念を抱き涙を流してくれるのだろうな。その時が楽しみだ。

まぁそんな事はどうでもいいんだ、今はこいつの能力を把握する方が重要事項だろうから、今はこいつからこの力をどうにかして取り返す事が最優先目標で良いんだ。

〜アリスsideout〜 〜アリスside〜 さあこいつはどんな攻撃を放ってくるか、だがこいつの戦い方を見ている限りでは剣で攻撃してくるか魔法の攻撃のどちらかだとは思うが果たしてどちらなのだろうか、それともまた別の攻撃をしようとしている可能性も有るか。

そしてこいつが何かをしようと動き始めたのだが何故か私の顔がどんどんと近づいてきているのだ。まさかこの男は私のこの美しい美貌に見惚れてしまったのではないだろうか、ならば仕方が無い。この美しさに惹かれる気持ちは分からなくもないが私の美貌の前に屈してしまうとは哀れだな、まぁいいだろう。これからたっぷりとお仕置をしてやろうじゃないか。

〜アリスsideout〜 〜神崎 真守(肉体アリスの精神)side〜 目が覚めたら目の前に超絶美女がいるんだがどういう事なんだ? しかも俺を凝視しているしなにこれ新手のイジメですか?って、思ってたんだけど、今更思ったんだがなんで俺ここにいるのって話じゃん。って今更って言うよりも普通に考えれば当たり前のことじゃん。うん、馬鹿だね俺。

それでとりあえず俺は何をしたら良いのだろうか。えーっと、取り敢えず、なんか謝っときますか。うん。取り敢えず謝罪大事!ということで、

「あのぉ〜」

うん、なんか反応がない、ただそこにあるのは無だけだぜ!みたいな状態ですね、はい、もう、なんかどうすれば良のかわからないんですけど、なんかめっちゃ睨まれてるしさ、まじどうすればいいんすかね。

〜アリスside〜 この男は本当に私に気づかずに私を眺めていたと言うのかい。それならば私の魅力がどれだけ凄いかわかるよね。この男だって、今にも私のこの体に触りたい!舐め回したい!って顔をしているではないか!全くしょうがない男だな。この男は私に気づかないフリをしているだけで本当は気づいているのではないか?と思う。

そう言えばこいつにはまだ名前を言って無かったはずだ。私は今ここで、この男に私のこの美しい名前を教えてあげようと思う。

この私の美しく可愛い容姿からその名を聞けばこの男もさぞ驚くだろうな。ふふ、だが、驚いている姿をこの目で見ることが出来ない事が残念でならないがこの男が驚く姿を見てみたいものだ。この私の魅力は人間を簡単に堕とせてしまうほどの威力があるからこの男は既に虜になっている可能性もある。そうなれば私に従うようになる可能性はあるのだ。それなら少し試してみるのもありだな。

よし!やってみるか。

〜アリスsideout〜 〜アリスside〜

「貴様の名前を聞いておこうか」

するとこの男はすぐに答えてきた。それも、とてつもなく美麗で端正で可憐で清楚で優雅で艶やかな表情をしながら。

「あぁすみません、申し遅れました。俺は『東聖高校二年 一組の勇者です。』とでも名乗らせて頂きましょう。俺がこの学校で唯一勇者と呼ばれている生徒で勇者と呼ばれるに相応しい力を持つ人間であると言っておきましょう。あなたの名前は?」

「貴様のような下等生物に私の名前を知られるのは非常に不愉快だ、私に二度と近付くなよ? わかったな?」

「はぁ? あんたが教えろっていったんでしょ。なんなんすか、マジで。何様なんすか、ホント、なんなんですか。ふざけんじゃねえよこっちこそ、こんな事されて俺が怒らないわけねぇんだよ、調子にのんな、このクソアマが。殺すぞ。」

「ひぃ、ごめんなさい。私が悪かったわ、だから許してちょうだい。だから許してちょうだいお願い。貴方は私にとっての希望そのものだから、どうか殺さないで欲しいの。何でもしますから。」

私はこの時思ったのだ。やはりこの男はこの世界で生きて行くには必要な人物で絶対に殺しては駄目な存在であると、そして私の為に命を投げ打ってでもこの男に尽くすべき存在なのだと。そして私は、この男に対して今までの行いを全て詫びなければならない。だから私は、土足でこの男の心を踏み躙ったのだから。そして私はその男に向かって深々と頭を下げ謝罪したのだ。

〜アリスsideout〜 〜真守(肉体アリスの精神体の真守の心の声)side〜

「貴様名前はなんて言うんだ?俺はお前の名前を知ってるのに、お前が俺の事を知らないままじゃ嫌だから教えて欲しい。それに俺はそんな事を言われて傷ついてしまった、許してくれないか?」

「はい、もちろん、お詫びとしてなんでもする覚悟です。」

「そっか。ならまずはこの世界はどこの世界なのか、そしてお前達が存在している理由を詳しく説明して欲しいな。」

「分かりました。では先ずはこちらの説明をしなければいけないのですが、この世界の名前は、『アスタナ島国』『グランシャリオ帝国』の二ヶ国がありまして、この2つの国は長年戦争を繰り返しています。そしてその二つの国が戦っている相手こそが魔族と魔王軍になりますのでこの世界には現在魔族によって支配されている大陸があります。この世界の人間はその支配された大陸からやってきた者の子孫なのです。そして我々人族はこのアスタナ島国に住んでいる種族となります。そして私はこのアスタナ島国の王の娘である第一王女なのですよ。」

うわーこいつやべぇな。完全にこいつ自分が王族って自覚無いのかな?てか、こいつの話聞いてて思ったけどやっぱりこの女の人があのアリス姫って事で間違いなさそうだな。てかこいつがこの女の正体を隠してたんか?てかこの女の人を自分の手駒にする為に俺を利用しようとしたのかもしれねーな、こいつは、そういう事か、つまりこの人の事が好きだけど立場上付き合うのは難しいと分かったのでそれを誤魔化す為にこんな風に行動したのかもしれない。まぁ別にいいさ、こいつの事情なんて知ったことでは無いんだ。まぁ俺に危害を加えようとしなければどうでもいい事なんだけどな。俺に何かしてきた時は容赦しないがな。俺が殺されそうになった場合はその相手が例え王様であっても殺しにいくぜ、そして復讐するんだ。

「へ〜、成程。まぁいいや。とりあえずこの世界はあの世という事だな。まぁ、それに関しては納得は出来ないけど、一応理解はしておく。て事は俺は死んだって事だな。それは分かったが何故俺を召喚する事が出来た?普通は勇者をこの世に呼び出したりはしないだろ。それとも何だ? 実は俺の事は前々から勇者が召喚できると分かっている状況だったが、いざって時の為に準備をしていたって訳か?まぁそんな事は今はどうでもいい、それよりこの世界はどんな世界なんだ?この世界を案内してくれ。まぁ取り敢えず俺は元の世界に戻りたいと思っているから早く戻れるように協力してくれると嬉しいんだけど。」

〜アリスside〜 この男は完全にこの私の美貌に見惚れているようだな。だがまだ油断は出来ぬ、今のうちに少しでもこの男の機嫌を損ねないようにしなくては。

そして私はこれからこいつについて行き、こいつの力になってあげなくてはならないのだ。だが、こいつは恐らくだが相当な実力を持っているだろう、こいつがこの私をどう思っているのかは知らないが私の美貌に虜になったのだろうな。だが私の魅力の凄さを思い知る事になるのはまだまだ先だろう。

そしてこいつはこれから私の城に行きこの世界での身分を証明してもらう事になっているのだ。

〜アリスsideout〜

「ふむ、な〜るほど、それで俺を呼び出したってわけね。でも俺はこの世界でもかなり強い方だと思うんだけど、なんでわざわざ勇者を呼ばなくても大丈夫だよね。だって、俺ってこの世界の人達に敵なしって感じじゃん。だから俺は必要じゃないんじゃないかな?」

俺はアリス姫に向かってこんな質問をしてみた。だって普通に考えればそう思うよね。だって俺はこんなにも強くなっているし、なんだったら俺はもうすでにあの世界で一番の強さを手に入れているのだ。だからあの世界での一番強い奴でもこの世界で言えば最弱レベルなのではないだろうか。

そして俺は、あの世界での最強の力をこの世界で使うつもりはない、そもそも俺はあの世界で無双してやる!っていう意気込みがあまり無かったしな、だからもう、俺は俺が一番強ければ良いと思ってる。まぁあの女にはもう会わないと思うけどな、もう関わりたくも無いし、あいつがまたちょっかいを出してきたとしてももう二度と俺の邪魔はさせないしな。

そしてアリスは俺が言った事に反論してきた。それも物凄く大きな声でだ。まるで自分に言っているような気もするが気にせず続けていこう。

「何をおっしゃいますか!確かに貴殿の言う通りでございますが、しかしそれでも、貴殿に頼らないと言う選択肢が無いのも事実なのですよ。

そう、私は貴方の事を、この世界での勇者と認め、この世界を救う英雄として、貴殿の力を借りて魔族の討伐、及び魔族の侵略を止める事がこのアスタナ島の平和に繋がります。

だからこそお願い致します。この世界を助けて欲しいのです!どうか!このアスタナ島国を、そして私の愛する国を! どうか!」

いやまぁさすがにそんなに大袈裟に頼まれたら断れねぇわ。まぁ、別にそこまで嫌ではないのだが、ちょっと恥ずかしいな。うん。よし。なら、こうしよう。俺は今からこの国に行ってアリスのお父さんに話をしに行くことにするよ。だからそれまでアリスは少しここで待っていて欲しい。多分すぐ終わると思うけどな。

「分かった、でもその前に俺と一緒に来てくれ、アリス。俺はお前の親父さんに会いに行くぞ。俺が直接話すんだ。俺は、お前らの味方になるって、俺はお前らの事を助けるってな。お前らが嫌なら仕方ないが、もし嫌で無いのならばお前らに協力してやって欲しいんだよ。俺はこの国の人達の事は全然分からないからな。俺に協力出来ることがあるなら是非手伝ってやりたいんだ。俺もこの世界に来たばかりでよく分かってない事が多いんだよ。だから、お前の父親が嫌だと、お前は娘じゃないって言っていたのなら、諦めるしかないが、そうで無いならお前の親父の所に行かせてもらうぜ。まぁダメと言われても行くつもりだったんだがな。そして、お前の父親に会う為の許可を取ってくれるか?」

よし、完璧。なんかこんな事を考えてて思ったんだけど、なんでこんな上から目線みたいな事言ってんの?いや、別にそんな事を言う気は無いんだけどさ。なんかつい口から出ちゃったんだよなー。あ、そうだ!許可貰えるまで待ってればいいだけじゃーーん!やっちまったーー!まぁしょうがない!うん!てかこの人めちゃくちゃ驚いてるな。

でもすぐに正気に戻って、俺に対して深々と頭を下げながら謝罪をしてくれたのは流石だな、ちゃんと礼儀をわきまえてるのは素直に凄いと思ったな。

〜アリスside〜 私は一体何に感動しているんだろう。彼はなんて素晴らしい人なのだろうか。私は彼に、いやそのお方の力になりたかったんだ。そしてそのお方は本当にその事をおっしゃり、私達に協力して下さると、しかも私の願いを聞き入れてくれた。そんな優しい方が私の旦那様となってくれて本当に嬉しいのだ。

そして彼の行動を見させて頂いたが、正直驚きました。まず私が先程彼を自分の部屋に連れていった時の事を覚えていらっしゃるでしょうか?私は彼と話をしている時に、とても楽しくなってきてしまいました。それに私はつい興奮してしまいました。彼が自分の事を『俺』と言っていましたが、その瞬間私に電流が流れました。あぁ〜私ってこんなに乙女思考があったんだ〜と、そしてその感情に浸っていると、彼がとんでもない事を言いました。え?俺の嫁さん?はいぃ〜?な、なにこれ、な、なんなのこの人?わ、わたしの心を盗んでいった。もう絶対に離さないもん!とその時の私は思っていたでしょう。しかし、そんな夢心地気分な時間をぶち壊す一言を言われてしまい、現実に引き戻されたのです。そして、彼への印象がガラッと変わり、そして彼の事を考える度に心が締め付けられるような痛みに襲われるようになったのでした。そしてそれから私はずっと考えていた。彼の事を、そして私は決心しました。この気持ちは恋なのだと。この思いに偽りは無いのだ、と。そして私は決意しました。この思いを胸にしまっておくのではなく、伝えると。

〜アリスsideout〜 俺がアリス姫の部屋から出て自分の部屋に戻るとそこには俺の義理姉の女がいた。どうやら俺が部屋を出て行った時からいたみたいだ。

「おい、俺がいない間、何か変なことしてないだろうな?」

「へぇ〜あんたはこんな時になってもあたしが何も出来ないような奴に見えるのかしら?いい度胸ね。表に出なさい。決着をつけましょう。この世界でどちらが強いのかはっきりさせようじゃない。」

ふぅーー、この世界に来て初めての戦いはどうなるかは分からないが全力でやらせてもらいますかね。

〜アリスside〜 私達は、彼の提案に即決で乗らせていただき、そして今現在城の外に出てきていた。そして周りには大勢の兵士と国民がいる。この世界は、私の予想以上に危機的状況に陥っているのだ。なので今すぐにこの国の王様に謁見し、事情を説明しなくてはならないのだ。

〜アリスsideout〜 さてさて、俺達の勝負の前に少しばかりルールの説明をしなくてはならないようだ。

まず俺がこの女と戦う前に決めなくてはならない事が三つある。

1つ目はこの戦いが終わるまではお互いに本気で戦おうという事だ。

そして二つ目が、殺しはしない。

三つ目に、戦いが終われば元の世界に帰してもらえる。

この四つだけだ。まぁ他にも色々あると思うが、とりあえず今はこのくらいにしておこうかと思う。

そしてこの四点を決めた後にこの女との戦いをはじめる訳だが、俺としてはこの世界ではまだまだ強くなったとはいえまだまだ強くなれると思っている。そしてこの世界の住人は俺よりもレベルが低いだろうから俺が負けることはまず無いだろう。

しかし相手は俺と同じで"神からの加護""勇者の加護"を両方とも持っているのだろう。この世界ではそれがどれだけの強さを持つのかまだ俺は知らないが、恐らく相当強いのだろう。そして、俺はまだレベルの上限を開放していない。俺がまだ上限を解放していない理由はただ一つ。限界を超えて強くなる事で強くなっていく過程が面白くなくなるからだ。なので俺の限界値もそこそこ高い。

この世界にレベルの上限解放が出来る者がどれぐらい存在するのかはわからないし、この世界の奴らもそんなものを知っているとは思えないが、それでもやはり、俺は強くなりたいのだ。俺は自分が強者だという自信を持っていてこそ俺は楽しめると思っているしな。

それとこの女にもこの事は伝えなくてはいけなくなってくるだろうな。だってこいつはこいつ自身のステータスを知らないからな。それを教えないのは俺にとって不公平だと思ったし、そもそもこいつは俺の力を過小評価してやけになっていると思うからそれを正してやる必要がありそうだからな。

そして今、俺達が向かい合っているのは王城の裏にある訓練所みたいな場所でやる事に決まった。何故このような所で戦うことになったかというとその場所に俺達以外人が全くいないのである。だからそこしか使うところがなかったのだよ。

そして今、審判役の人が俺達の真ん中に立っており、その人の指示に従って動く事に決めた。

「さぁ、この国最強の力を持つ者を決める戦いを始めます!両者、前に出て準備をしてください!それが終わったら試合開始の合図をする!」

そして俺は剣を構えると女は大盾を取り出してきた。

な、なにこれ、どういう事だ?なんであんなにデカイ物が入ってたんだろうか?まぁそんな事はこの際置いておこう。それよりあいつをぶっ倒せばいいだけの話だ。まぁ俺が勝つことは確定しているがな。

「では!開始!」

そうするとまず女の方も剣を抜いて向かってきたが、そのスピードはとても速く俺には反応出来なかった。そして次の攻撃に繋げる事が出来ず、そのまま腹を斬られそうになった。

そして、そこから俺は必死に避けていたが、俺の攻撃は全くと言って良いほど当たらないのだ。俺は今自分の速さに振り回されている状態だった。自分の力に、その自分の力が制御出来ておらず、体がついてこなかった。しかし、俺もこのまま負けるわけにはいかないので再び攻撃を仕掛けたが、その時には俺の体力が無くなっており結局一撃も入れる事ができずに終わった。

〜アリスside〜 あ、あの男は一体誰なんだ!?︎今までこの国で戦ってきたどんな剣士とも違った動きだったぞ。そして私はその男の攻撃を受け止める事すらできなかった。私は男の動きが見えていなかったのだ。まるで自分の体では無いように勝手に動いていくのだ。私はこの国の王女でありこの国一番の力を持っているのだ。なのに、この私が一方的に追い詰められている?そんなのありえない。そんな事があり得るはずがない。そして私達は同時に自分の体に回復薬を使い自分の傷を完全に癒していた。これでやっと対等にやりあえるだろう。

そして私達は再び戦いを再開したが、今度は私が攻めるターンになりどんどんダメージを負わせていくが一向に決定打を入れることが出来ないでいた。そして、私の息が上がり、肩で呼吸している状態になったところで私の勝ちは無くなった。

そこで私は一つの事を考えた。この男の隙をついて背後をとり私の剣を心臓めがけて刺そうと試みた。私はこれなら勝てると確信していた。そう思っていたのがいけなかったのでしょう。なんと、私に反撃する暇をあたえずあっさりと私の攻撃をよけると背中を斬りつけてきた。私はここで死ぬと思ったが何故か生きており、目の前に男の笑顔が映ったと思った途端私は意識を失った。

俺はアリス姫にトドメを刺しかけた瞬間にアリス姫の後ろに転移して後ろを振り向く暇も無く思いっきり殴ってやった。そして、気絶したアリス姫を抱えて地面に優しく寝かせてあげた。流石にこの場で俺の女にするって言う訳には行かないし、何より俺自身がそういう気分じゃ無かったのだ。それに、こんな大勢の人達の前で俺にお持ち帰りされるっていうのが可哀想だと思ってしまったのだ。俺がもしそんな事をされて嬉しいと思えるのは自分だけが見ているときだけで他人の目があろうがお構いなしにイチャイチャするようなバカップルではないのである。そして、そんな事を考えていると周りから沢山の人が集まってきて歓声をあげたり拍手をしたりしてくれた。そしてその中を俺の嫁さんと俺の義理姉がこちらに来て、話しかけてきた。俺達はお互いの事を紹介しあったりなんかの話をしたあと、俺はこの二人のステータスを確認することにした。

〜アリスside〜 私はアリス、今、信じられないものを目にしています。私はこの国の中で、いや、世界で五本の指に入るであろう程の実力を持っています。しかし、私は今現在、この目の前にいる、名前とステータス以外は分からない男によって全く歯が立ちませんでした。私は悔しくて泣きたくなってきました。

するとその時、

『称号"無謀な挑戦状を受けし者"を獲得しました。』

え?どういうこと?この男が一体何をしたの? 〜アリスsideout〜 え、ちょっと待って、この女ってそんなに強いの!?︎マジかーー。

まぁ確かにこの女の装備はそれなりに強そうな物だしレベルもそれなりなのか?それと俺の称号の効果でレベルが下がったのか?そしてこの女は俺に挑んで来たみたいだけどまさか俺に勝てるとでも思ったのか?まぁ、いいや。とりあえず今は俺のレベルを上げるために利用してあげるか。俺に勝ったつもりになっちゃったようだしね。まぁ、一応俺もまだ本気を出してはいないし、これからも出すつもりは無いが、それでも少しだけ本気で相手してやるか。

俺は女との戦いの最中にあることを考えていた。この女は俺を舐めきっている。俺にはまだ奥の手を残しているのにも関わらずに。だからまずはこいつに現実というものを見せてやる事に決めた。俺は、この女との会話の最中にこの女にわざと聞こえる様に"俺の奥の手"を使うと言ったのだ。すると、この女は自分の事のように嬉しがっていた。

俺が自分の事じゃないのに喜んでいたらそれは俺に"手加減してくれてありがとう"と言っているようなものであるのにな。まぁ、もう遅いがな。

そして俺の作戦を実行するべく行動に移った。この女に攻撃する時にあえて大ぶりしてみせた。女はそれに合わせようとしていたがそんな事は関係なく全力で腹に殴りつけたのだがやはり女はその攻撃を受ける事も避ける事も出来なかったのでそのまま倒れた。

俺はこの女が意識を失っている間に近くにいたこの女の側近達に回復ポーションと水を持って来させた。この国の医療技術はそこそこ発展しているのか、すぐにこの女は目覚めたので、俺はこの女に自分が負けたという自覚を植え付ける為に俺に質問を投げかけてみた。すると案の定自分が俺よりも強いと思っていたらしく自分が負けたことを認められず、この女が俺に対して、

「もう一度だ!次は絶対に勝つ!」

などと言っていた。俺にはそんな戯言を吐いている時間が無駄にしか感じなかった。しかし、この女に俺の力の凄さを見せ付けてやりたいと思った俺はこの女に提案した。

俺と勝負しろと。

しかし俺は自分のステータスを見せないで戦ってやると嘘をついた。しかし女はそんな俺を馬鹿にした様な目で見つめてきた。なので俺もその目を潰す事に決めた。俺は俺の力では敵わない相手を"力で捻じ伏せて無理やり屈服させる"ことに快楽を感じている。そしてこの女のプライドをへし折るためにまずこの女に大剣で攻撃を仕掛けたが簡単に避けられてしまったので剣をしまい女に向かって走り始めた。

そして俺の大剣は見事に女に当たると思ったので俺はそのまま女を斬り裂いた。しかし俺はこの時、この攻撃は当たるとは思ってはいなかった。そしてその証拠に女は俺の攻撃を盾をうまく使い受け止め、その攻撃を利用して俺から距離を取った。しかし俺の攻撃が盾に当たってから、盾が吹き飛んだ事に疑問を感じたのだろう、この女は不思議そうにしていたが俺はそんな事にお構い無しに女の元へ駆け寄った。

そして俺とこの女は再び戦いを始めようとした時だった。女の顔が恐怖で歪んだ。そして女はすぐに立ち上がり、一目散にこの訓練所を後にしようとした。女を逃さないために、俺の女に手を出しておきながら逃げるなんて許さねえと思い女の首を掴み壁に叩きつけてやった。

俺は今、この女に屈辱を与えようとしているが、それと同時にこの女に興味が湧いてきた。だって、こいつってば、自分の力の限界値を知っているのだもの。

そうすると女が突然、俺に何か話しかけてきたが、よく分からなかったので女をそのまま地面に置いて俺は観客席にいたこの国の王の元へと向かった。

そして今、王が目の前にいる。

王は俺がいきなり現れても特に驚いた様子を見せなかったが、女が急に逃げ出した事でとても焦っており、その表情はとても面白かったのでつい笑ってしまった。その様子に俺の機嫌が悪くなるのを恐れたのであろう。その王の態度はとても面白いものであったので俺もこれ以上機嫌を悪くする事をやめた。

俺は王に一つだけ頼みたいことがあった。

この国で一番偉いのはこの王様だと言うのに俺は、俺の頼みを二つ返事で了承してくれた。しかしその代わりに、この国に、この城に住んでくれと言われた。そしてその報酬として金、地位、力全てが与えられるとも言ったのだ。そしてこの条件ならいいかとも思えた。それに今のこの国では一番強くなれるとも思っていたからだ。だから俺は承諾した。そして最後に女について聞き出したが何も知らないらしい。それどころか名前さえわからないのだそうだ。そして女には名前すら付けてもらえていなかった。俺に負けたあの女には、名前すら付けられていなかった。俺ならそんな事はしない。なぜならそんな事をしたらその子の人生が大きく変わるからなのだ。俺には子供が出来たら絶対に名付けようと思っているのだ。子供の名前は俺がつけると決めているのだ。だからこそ俺が名付けてやりたかった。そして俺がそんな事を考えていたその時、俺の心の声が聞こえてしまったのか、この女は涙が溢れそうになっていた。しかしそれを堪えたのであろう。顔から涙を流していたのだ。その姿を見てこの女のことが少し可哀想になってしまった。そしてこの国を滅ぼそうと思った。だが俺はそんな事をする意味が見つからなかったのでこの考えは諦めたのだが。

その後俺は、この女を連れて帰ることにした。そして俺の家に連れて行き、ベッドに寝かせた。この女が起きた時には俺は既に居らずこの国から姿を消していると思わせてやった。

この日から一週間後、この女の容態が回復したという知らせが届いたため再びこの城の闘技場に行き俺がこの女と戦い、この女に負けるふりをしてやろうとしていた時の事だった。俺にはこの女の実力がどれ程あるのか知ることが出来ないのでよく分からなかったが、今戦えばおそらく俺が負けるのだろうと悟っていたのである。この俺の勘が正しければこの女は、俺よりも遥かに格上の存在だということが分かっていた。俺はその日、俺の奥の手を使い戦うつもりだった。この奥の手は、俺の全力を出したとしても俺自身が耐えきれなくなるので今まで使ったことは無かった。しかし俺の実力の殆どを使わずに勝てるであろうこの女相手に奥の手を使えば確実にこの世界は救えると確信していたので使うことにした。

俺は、まず初めにこの女が、この国のトップに立つための試験のようなものである事と、この女が、まだレベルも1だという事と俺の奥の手を使った場合はステータスが大幅に下がってしまいこの女もステータスが下がってしまうということを女に説明した。この女は、この俺の説明を最後まで聞いていた。そして理解が出来なかったのだろう、困惑した表情を浮かべていた。そして、この女のレベルを上げればステータスが上がって俺に近づけるということもこの女に言ってあげた。するとこの女は、この俺に勝つことだけを考えて、そして俺を倒す為に、この国をもっと大きくして強くなりたいと、この国の国民のために働きたいという強い意志を持っているということが伝わってきたので、俺もこの女に協力しようと決意できた。

〜sideout〜 〜アリスside〜 私にこの国を託してくれると言った男の名はカイト。そして彼は、私の実の兄にあたる存在であります。兄と言っても義理の兄妹なのですけどね。そしてこの男もレベルが上がりきっていないはずなのに、何故か、この男からはレベル50程の強者の風格を感じることが出来る。

私は彼と戦うことになりました。彼のステータスを見たとき正直驚きました。だって、ステータスの値が全くもって見えないんですもん。私はレベルは100以上は超えていましたがステータスの方はあまり高いとは思ってはいなかったです。しかし、そんな私でさえ彼の本当のステータスを知ることが出来ませんでした。しかし、この男が弱いわけでは無いと思います。何故ならこの男のステータスの伸び率が異常に良い。だからまだ完全に使いこなしているとは言えないかもしれませんがきっとこれから更に強くなると直感的に感じられました。そして彼が戦いを始めようとした時でした。

「おいお前、名前はなんて言うんだ?この国のトップに君臨するのならば、それなりの強さがあるという事だよな?」

彼が突然私に向かって質問して来きた。

しかし答えられる質問ではありませんでした。

なので彼にも名前を聞かれたので私は本名を名乗った。すると今度は彼がこの国で一番偉い王様に会わして欲しいと言ってきました。流石にそれは無理だと伝えたのですが、どうしてもというので、この王様に謁見させてあげることにしました。そしてこの国の一番偉い王様が私たちの前へと出てきました。そして私がこの王様の名前を教えようとした時でした。この王様は私の名前を呼んでくれました。そしてなんとこの国は、私がこの人に仕えることを前提としてこの人に統治を任すと伝えてきました。そして最後にこの人の願いを聞くために何でも一つだけ叶えてやると言うことです。そこでこの人が言ったことはこの人は自分と一緒に旅に出て欲しいと言い出したのです。

私はそんなお願いを聞いてしまった事に戸惑いを覚えてしまいました。だってこの人は私に、家族を捨ててこいって言ってきたようなものでしたもの。でも、こんな優しいお方で良かったと思い、このお方に着いて行ってもいいと思いました。しかし次の瞬間この方はとんでもない発言を残して何処かに転移してしまいやがりました。しかもこのお方は、今の状態で、私の力が必要だから助けてほしいとも言っておりましたし何より私の心が貴方の傍に寄り添いたいと思っているような気もしてきてしまって結局断れずに了承することになってしまいやがったのですが本当に大丈夫でしょうか? とりあえず今はこのお方が帰ってくるまで、私はここで待ち続けるしかないですね。

そしてしばらく待つことに決めてからは早かったです。ただ待つだけというのも暇だったので王様との話し合いの最中に見つけた訓練所で体を動かしていました。

一通り体が動くようになったところで王様の所にお世話係の人と向かいますとこの王様は私をこの国の姫としたいと言い出して来た。

そしてこの国のトップは勇者だと言うのだ。そしてその男は私の実の兄なのだと言うのだ。しかし私には全く見覚えがなかったのだ。そしてその兄がこの国を救ってくれたのだと言うのだ。

そして私はこの国に、この城に留まることになったのだ。

まずは城の中にある、この城の全ての兵士が使っている部屋に入り兵士たちの顔を確認してみるとそこには知っている顔が一つあった。その人物は私の兄の従者である人物であったのだ。だからこの男に話しかけてみたのだが無視されてしまった。まぁ仕方ないかと思い、次に訓練所に向かう事にするとそこには私に戦い方を伝授してくれている先生がいるのだ。そしてその先生は私の力を認めてくれておりとても丁寧に教えてくれたのであった。そして、訓練が終わるとこの国の王がこの国のトップはお前たちに任せたと言われてしまったのだ。だから、私は今すぐにこの国のトップになることを決めてしまった。それから数日たったある日のことこの城に勇者が来たらしいのだ。しかし、この国の王も何か用事があるらしく勇者に、自分がこの国で最強の存在である事を自慢しながら会いに行かれたらしい。しかしその王は私達の目の前で殺された挙句、その王の娘を人質に取られてしまった。そしてその人質を助けて欲しかったら自分の仲間になれと言われたのだ。しかしそんな条件を出されたらもう断る理由が無いじゃないですか。

そして私たちはこの国の王と王女の命を賭けられた状態でこの勇者と決闘することになったのだ。この国のトップを賭した大一番だ。

だから今こうして闘技場にて勇者と対峙しているのだ。だが、そんな事よりも、この男、今私に向かって攻撃を放ってきた。そんなこと出来るのは、この国に二人いるうちの片方のみだと言うことは既に分かっている。そしてもう一人の候補者はこの男に負けた。

だから、今ここに居るということはつまりこの男は私の義姉だと言う事になるのだ。

そしてそんな事を思っていると勇者からまたも攻撃を仕掛けられて来ました。なので私は反撃に出ようと思って攻撃を繰り出そうとしたら、あの男はなんと、この一撃で終わらせようと本気で向かって来たのだ。しかし、私はこの一撃を受ける事はしないことにした。何故ならあの男のステータスを見れば一目瞭然だったからだ。あの男は恐らくこの世界に存在する全種族の頂点に位置するほどの強さを持っているのである。そんな相手と戦って勝てる自信は皆無だった。

そして、あの男はこの私の実力を測る為か手加減をしていた。

それに、私はまだ全力を出してはいない。

そうこう考えているとどうせ負けるんだろうという思考に陥りそうになった。しかし、この国には守りたいものがある。それには私が負けるわけにはいかないんだ!そう思うと自然と体に力が入り始めそしてついに全力を出せる状態となったのである。

そこから私は、今まで隠していた技をいくつも出していった。しかしあの男は、それについてきて尚且つ対応してくるという化け物っぷりを見せてくれた。

私は今迄全力を出す時はいつも本気を出していた。しかしこの男には私が持つ奥の手を出しても敵う気がしなかった。そして私達は、決着が着く前に勝負がついてしまってしまったのである。それは私達が互いにぶつかり合い戦っていたその時、突然勇者が光に包まれていったのである。そして、その光の後には勇者の姿は消えていたのである。私はこの男を、こっち側の世界に呼び込んでしまったのではないかと少し後悔していたが、そんな心配は無用だったようでこの男の口から、私と勇者が戦う前までの記憶があると聞いた。そして私は確信した、やっぱり私は、間違ってなかったのだと。

それから数日後に私はこの国の王とこの男と共に、ある場所へと赴くこととなった。そこは私達の故郷である、日本と呼ばれる場所だった。

この男の故郷に、私の兄と会うためと、この男が兄を殺さないように説得する為に私も同行することにしたのである。しかしまさか、あんなにも簡単に説得できてしまうなんて思っていなかった。でもこれで、この国の平和をこの国の民を守ることができると思うだけで私は嬉しくなってきました。

しかしまだ安心できる状況ではないので私とこの男は日本に帰ってからもしばらくの間、この世界の事については誰にも言わないようにする事を決めたのである。そして私達は元いた世界に戻ってきたのだが私も、兄もこの男もお互いに違和感があったのは気のせいではないだろう。

まずは兄と再会を果たすために兄とこの男が住む家に私と、兄は向かったのだ。そこでこの男と初めて対面を果たした時に思ったことがある。やはり兄は、私の知らないこの男を信頼しきっていおり、この男がこの家に来てから私に対する警戒感が無くなっていたのが凄まじかったのだ。そんなに、この男の事が信用できたのだろうかと思った。でも私もその男を信頼してしまっているのだろうなとも自覚してしまったのである。そしてその後直ぐに私達にこの世界での出来事を話し合う事となったのである。

私が今思い返してみて気づいたことはこの男と、兄が、二人で話す時だけお互いの名前を呼ぶようになっていたのに驚いた事ぐらいか?そしてこの男の呼び方は何故かお義兄ちゃんと呼ぶことになっていたのだ。まぁ私は気にしないけどね。

私はこの男が兄に話した内容を殆ど把握することは出来なかった。なぜなら、私が理解できないような話をされていたからである。しかしそれでも私は、この男がこれからやることだけは分かるのだ。

私はこれからこの男の手足となって動くことになるだろうと予測が出来たのだ。それは私が望んでいることなので特に何も問題は無いのである。

私はこの国の王様と、兄を救い出しこの国の王に、この国のトップの座を譲ることが決定したのだ。それから私と、勇者は、一緒に旅に出ることとなった。しかし勇者は旅の途中で様々な国に行く度に私との時間を長く過ごすようになっていったのだ、その時間はとても幸せだったが私としては複雑な気持ちでもあったのだ。そして私達が今どこにいるのかは私にすら分からないのだ。ただ一つ言える事は、今の私はとても充実していると言えるだろう。だってこの人とずっと一緒に居ることができるのだから。そして今、私は、お腹の中に新たな命が宿っていることを実感したのであった。そして私は心の中で願った。

私達の大切なこの子が、この男のような素敵な男性になります様に。そしてこの子を、お腹を痛めながらも出産することを楽しみにしている私であった。

(あとがき)

ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!まだまだ未熟者ですが今後も精進致しますのでよろしくお願いいたします!感想も受け付けておりますので、ぜひコメントの方お書きくださいませ! ープロローグ

「やぁやぁこんにちわ!君たちにとって初めましてだね、ボクは神さ」

いきなり話しかけてきた目の前の人型をしたナニカは、そんな風に名乗ってきた。俺は、そんな奴を見て思ったことが2つある。まず、コイツふざけんな。

次にお前みたいなの見た事無いから多分初対面だぞと。そして最後にコイツに会ったら聞かなきゃいけないことがあったから丁度いい。

「おい自称神さんよ、お前俺を元の世界に返してくれないか?」

そう言うと目の前にいる自称神様(仮)は明らかにイラっと来た表情になった後こういった。

「え?嫌だけど。そもそも君は死んだんだし帰すも何も無いよね!」

「は?死んだ?じゃあ俺は死んでここにいるわけなのか?というかお前本当に自称だろ?なんで人の生死決めてんだよクソガキが。お前の勝手でこの世に生まれた人間がどんだけ不幸になってるか分かってんのかコラ」

俺の話を聞いたこいつはまたも怒りの感情を出し、声を荒げた。

「ハァ!?誰がクソガkッ ゲホッ、ゴホっ、オェエ、ちょ、ちょっとタイム。」

急に喉を押さえてうずくまった。その光景を見た周りは騒然としていた。そして、その騒ぎを聞き付けた警備員がこちらに向かってくる。まずいな、これは。とりあえずここから離れよう。そう思って走り出そうとすると後ろから誰かが俺に声をかけてくる。その声で一瞬体がビクつく。振り向かずに耳だけを澄まし聞いてみる。

「な、何かありましたか?」

その聞き覚えのある女性の声を聞いた途端思わず振り向いてしまう。するとそこにはやはり知っている人が立っていた。

「な、なにかトラブルでしょうか?」

そこには予想通りの顔がいた。俺の知っている彼女はこの学校の生徒会長だ。名前は、桜庭綾乃という、とても可愛らしい名前だ。そんな彼女の顔を見るなり俺はつい呟いてしまった。

「天使だ··· って痛ぇ!!!なんだ?どうした?足でも攣ったか?」

俺の足を何かが強く蹴った。その痛みで悶絶しているとその犯人はこう言い放つ。

「あら?この方のお知り合いですか?でしたら丁重に扱いなさい!失礼ですよ貴方。ほら、もう行って良いですよ」

俺はその言葉で正気に戻ると同時に彼女から距離を取ろうとする。が、

「は?なんで逃げるんです?まさかまた私になにかしたんですか?今度はどんな手を使いましたか?」そう言って、逃げようとする俺を腕力で抑え込む彼女、一体なんのつもりだ!この怪力はなんなんだ!そして彼女が言った『また』という言葉、それを聞くと、もしかしたら、と思い至る。しかし、それを否定するように頭を横に振ろうとするが出来ない。そこで、ふと視線を感じ前を向き直すと、先程の女が何事もなかったようにこちらを見つめていた。しかし、口の動きだけでわかった。

こいつ、 タスケテ、と言っている。

俺は必死に抵抗するが、彼女の力の前では無力も同然であり、結局連れていかれる事になった。しかし抵抗を続けると彼女はため息をつきこう告げた。

「仕方ありませんね。貴方が抵抗するのでしょうがないのです。」

(あとがき)

第1話いかがだったでしょう。次回より本編スタート致しますのでどうかご覧下さい! ここはどこだろう。気がついたらどこかの建物の中にいる。それもなんか豪華そうな部屋だ。そして何故か俺の体は拘束されていた。何故だ! 確かあの後、俺はあの怪しい人に連れ去られて何処かに放り出されたのだ。それから、なんとか脱出しようと奮闘したが無駄だったのだ。あの人は、

「大丈夫、すぐに帰れるから。少し待っててくれ。」とだけ言っていたのを覚えている。そしてそのまま意識を失ったのだった。

しかし今は何故か身体の自由がきいている、なぜだ?

「おっと!やっと起きたようだね、少年よ。おはよう」

突然、後ろから声を掛けられる。それに驚いて振り返るとそこに居たのは、やはり見慣れた顔がそこにはあった。

そういえば自己紹介を忘れていたが、彼は 【柊真】と言う。ちなみに高校二年生だ。

俺はこの男を知っている。というか同じ学校の同学年だから知っていてもおかしくはないのだが、そういう意味ではない。この男も俺と同じ転生者なのだ。つまりは前世の記憶がある、ということだ。しかもその前世は日本に住むごく普通の大学生だったというではないか。信じられないことだが事実らしい。それで色々話したりしたものだ。しかし今思えばこの世界はゲームの世界そのものと言っても良いかもしれないのだ。なぜなら、その証拠に、俺達の通っている学校は"神月学園高等部第10科"通称、総合科の生徒が通う学校でその全生徒数は500人も超える程大きな学園である。そんなところにただの一学生である彼がいるということ自体、おかしいのだ。だから、多分ここは、彼のいた地球とは別の次元に存在する惑星である可能性があるのだ。

と、そこで、目の前の男と話をしたいが、この男は何をやらかすか分からない。下手をすればこの世界での死に繋がる可能性だってある。そこでまずは様子を伺うことにする。まずは相手の目的を探ってみるとしよう。そしてこの男には今、一番聞きたいことがあった。それは······ この世界は何?どういう世界観なの?という事だ。もしこれで答えが分かったならかなり嬉しいのだが、おそらくそんなことは無いだろうとは思いつつも聞いてみる。すると案の定この質問にも、予想通りの答えが帰ってきた。

「そうだね〜まずはざっくりとこの世界を一言で言うと、

『RPGのようなファンタジー要素のある物語だよ。

ただし、魔物は出るけどレベル制じゃないから頑張れば無双できちゃったりするけどね。』」

(えっ?今、喋ったのは誰だ?)

(あぁ、ごめんごめん。僕の事を知らなかったんだっけ。じゃあ自己紹介するから覚えといてね。僕の名前は《カミヤ》よろしく頼むよ!君たちのサポート役さ!よろしくぅ!)

(よろしくお願いします。私は、《アヤノ•コウヅキ》といいます。この人のパートナーとして働いていますのでこれからお世話になるかもですがどうぞよろしくお願いいたします。)

そして俺は驚愕した。なんでこんなに簡単に受け入れてるのこの人達。もっと疑わないの?俺が可笑しいのか?まぁ俺のことはどうでもいい、とりあえずは状況整理からだ。さっきカミヤさんが言っていた言葉は嘘を言っている様には見えなかった。

ということはここはやはり、あの時言っていたように別の惑星か何かだというのか?いや、そんな事あり得ないはずだ。だってそんな事が起こるなんてそんな小説みたいな展開は絶対に無いのだから。そう思った瞬間俺の頭の中で一つの疑問が湧き上がってきた。俺、死んだよな。あれ、俺って死んだんだよな?俺ってまだ夢を見ているのだろうか。そう思うと目の前に映っている光景が歪んで見えた。

俺はここで、自分が寝ていたことにようやく気づいたのであった。そして目を閉じてもう一度開けるといつもの風景が広がっていた。あぁ、良かった、現実に戻ってきたのだと思ったが目の前にあるカレンダーの日付けを見るとそこはやはり自分の記憶とはかけ離れた数字が書いてあり俺はまだ夢の中にいるのだと思い知るのであった。

俺は今非常に悩んでいることがある。いや、正確には悩んでいたと言った方が正しいか。この世界に来てしまった理由は大体察している。俺が死んでしまった原因は恐らくあのクソ女神のせいだ。俺はあの女のせいで死ぬところだったが何故か生き返った。その方法はわからないが俺はあの後すぐにこの学園の門の前に転移していたらしい。らしいというのも俺は気付いた時には既にこの部屋にいて外の様子を全く見ることができなかったため、詳しい事情は全く把握していないのだ。しかし俺が死んだ理由もあの自称神の言う通り俺に死なれるのは不味かったからという単純なものらしいが、それだと、何故俺だけが?と聞かれてしまうと答えづらいが正直俺が一番よく分かっていないのが本音なのだ。だからとりあえず、この世界のことについてもう少し詳しく知ろうと思う。そこで俺がまず手をつけなければならない事は、まずはこの国のことだろう。

俺はまず、部屋の中にあったこの国に関する本を読もうとしたがその表紙には何も書いておらずとても読めたものでは無かったので再び俺は考えるのをやめて眠りについた。すると、急に俺の部屋の扉をノックする音が聞こえた。

(失礼するわ。貴方が新しい勇者候補の子かしら?貴方にこの学園の事を説明するわね! あ、申し遅れたわね。私は貴方が今年から通うことになるこの神月学園高校の学園長を務めているわ。名前は橘咲って言います。気軽に呼んでちょうだいね!よろしくね!)

そしてその後彼女は説明を始めてくれたが、その話はあまりにも長く途中で俺は寝てしまいそうになるほど眠くなっていた。しかし彼女が話している途中、ふと彼女の話が止まる。不思議に思いふとその方向を見てみた。そして彼女の顔を見た途端思わず叫んでしまう なんと彼女は、その美しい容姿で目立ちまくりなのにもかかわらず、俺以外には誰にも認識されなくなっていたのだった!これは凄い事なのだ。この世界での常識を知らない俺はその現象がなんなのが気になったがそれよりもこの世界では俺以外にも普通に存在を認知されない人物がいるという事実を知ってしまい、少しだけこの世界が恐ろしいものに感じたが、今はそんなことを気にしていても仕方ないので無視することにした。

そして、彼女の長い話を要約するとこうだ。この国は"アガルタ王国"という国が治めている国らしく、そこには"魔王軍"と呼ばれる謎の組織が攻めてきているらしい。それで、その組織が攻めてくる前に俺たちに勇者の素質がある人を召喚してきて、その人たちが戦うことで世界を守ってほしいとの事で彼女は俺に期待しているようだった。そしてこの神月学園の仕組みを教えてもらった。この学園は一科生から十科生までの生徒が在籍しており、俺もその例に漏れず、十科に所属することとなったのだ。その仕組みは簡単だ。

1、入学試験に合格したものが十科に入る事ができる。

2、学年は、1年生から3年生まであり1年生〜10年生は1つの科の所属となり、それ以外の生徒は2つ目の科の所属する。

となっているようだ。

俺は1年生の担当になったので、この神月学園高等学校の一年生である俺の担当となったのだ。

しかし、この学園は少し変なところがあった。なんと、俺達の世界でいうと中学3年生から高校生の生徒しか在籍しておらず高校からは外部からの入学となるそうだ。まぁ別にどうでもいいのだが。そんなわけで、これからは、毎日が楽しみで仕方なくなるような予感がしたのであった。

第6話でした。次話より物語が始まりますので、是非お読み下さい! 今日は遂に入学式が行われる。俺はどんな奴らがこの学校に通っていてこれから一緒に頑張っていけるかと、不安もあるがそれ以上にわくわくしてたまらない。

なぜならば、俺にとってここはとても居心地がいい。何故かと言うと俺には仲間と呼べる存在ができたからだ。

俺の幼馴染にして、同じ学校に通い同じ寮で暮らすことになっている《如月彩乃》と俺と同い年で、学園に通っている唯一の女性天道美鈴と俺がこの学園に入学するきっかけを作ってくれた《橘結衣》の4人だ。この四人で仲良く暮らせると思うとなんだかわくわくする。これからがすごく楽しみで堪らない! そして俺はこの学園に通うにあたり、ある問題に直面した。それは、なんと、俺以外誰もいないということだ。この学校は、この世界でもトップレベルの超難関な学校らしい。

だから、俺はこの学校で勉強をしようとは最初から思っていないためそんな事は関係ないのだが、周りからの印象が悪い気がするのは確かだ。そのため俺は何かをする必要があると考えたがそこで良い案が思いつく そうだ。この学園に教師になろう。この世界に来た理由とかを聞かれたら答えられないけど。

俺にはこれといって得意なことなんてないからな〜うーん困ったぞ。あっそうだ!俺の職業は【魔法使い】だし、俺でも教えられる授業って無いかなぁ〜? あ、あれは、そうそう。俺の先生だ。ちょうど良いところにいや、丁度良いタイミングだ。俺は急いでそいつの元へと向かった そして俺が教室にたどり着いたときそこにいたのは俺の知っている人だった え、何コレどういう事?なんなの?あのクソ女は何考えてんだ!?ふざけんじゃねぞ!!おいおい俺まじかよ、本当にこの人に教わらなきゃならないのか?うむぅ、いや、まだこの人が俺の担任になるとは限らないからな。それにしても美人だよなぁ〜 おっといかんいかんこんなこと考えている場合じゃない早く話しかけないと!

「おはようございます!僕はこれからお世話になりますカミヤです。どうか、よろしくお願いします!」

すると彼女は、

「はい、カミヤ君ですね。私はカミヤ君のクラスの副担を務めている。橘彩です。カミヤ君に私のことは橘と呼んでもらえるとありがたいんだけど、だめ?」

そんなわけはない。そんな訳はないがこの人と俺の関係性が分からなくなる。だってさっきはあんな感じの話し方だったがいきなりこんなにフランクになってくるのだから俺としては違和感しかなく、どうしても戸惑ってしまう。そして俺は

「分かりました!橘先生で大丈夫ですか? 」

と答えるしかなかった。すると橘先生が

『うん。ありがと』

と笑顔を向けてくれるが、やはりこの人も美人なので思わず見とれてしまった。そして俺と、彼女についていくようにして歩いていったのは、この神月学園高等学校の1階に位置する。

職員室だ。彼女はそこで、俺のことについての手続きを行うのだと俺は勝手に考えていたのだがそんな事はなく彼女は 自分のデスクで、仕事に取り掛かっていたのだった あ、そうなのね、そういう感じなのかぁー、あ、なんかごめんね。そんな感じに軽く考えてくれても良いと思うんですがね、いやぁでもやっぱそこはちゃんとしておかないとねぇってことで、俺も手伝った。そして、その仕事を終わらすと橘先生は 俺に向かって

「ちょっと時間かかるかもだけど少しここで待っててね」と言って何処かに行ってしまった。

はぁ〜何か手伝えることがあれば良かったな、と思いながらぼぉっと座っていると、俺の前に二人の男女が立ち止まった。その二人はこのクラスにいる生徒のようで、その二人を見て俺の頭の中では あ〜やっぱりそう来たか〜という思考回路が一瞬にして組み上がった。その二人とは 俺の前に立っている女の子と男の人のことで 俺は、目の前で起きていることを理解したくなかったのでとりあえずスルーすることにしてみると、その男は俺の目の前で突然大声で怒鳴ってきた

「お前! 誰に断ってここに立ってんだよ? ぶっ殺すぞ?あぁ?お前が勇者候補だから?俺達の事を見下してんの?それとも、その顔じゃ俺達より自分が上だって言いたげだね!この、雑魚が。俺は一科だぜ!一科!二科が何科の俺らと一緒にすんじゃね〜よ!って言っても俺にはあんまり意味がないよね。だってもうこの世界に来ちゃってんだから今更逃げようとしても無駄なんだしさぁ〜 」とまくしたてる すると俺が呆然としているのを見て調子に乗った男が更に言葉を続ける。そして俺はこの光景に嫌な気分になった。この気持ちは恐らくだが、"理不尽な怒り" と言うものだと感じた。そして俺の中で何か熱いものを感じ、気がついたらその男を睨みつけていた するとそれを察したその男子は、「へぇ〜」と言ったあと俺を挑発してきたが、そんなのに乗っても馬鹿を見るだけだと思い無視をする しかしその態度がさらに彼の逆鱗に触れたらしく。今度は

「はぁ〜ほんっといい加減にしなさいよ?貴方は黙りなさ い。それとそこの女もよ。この子のことを悪く言ったり侮辱したりしたら許さないわよ?それに、あなた達は勘違いをしてるようだけど彼はあなたの思ってるような存在ではな いから。この子がどれだけ凄い存在なのかわからないのならその目でよく見ることをお勧めするけど?」と俺のことを庇ってくれた。すると今まで黙って見ていた女の方が その女の人を見て何かを悟ったらしく 急に大人しくなり謝った。

すると男は 納得していない様子で舌打ちするとそのままどこかに行ってしまった。すると俺の隣に立っている女は俺の方を向いて俺に謝罪をした。そして俺はその人にお礼を言うと彼女は俺の肩に優しく手を回した 俺はその事に驚きつつも平静を装いながら、彼女の方を向いたとき 俺は心の底から驚いてしまった。何故ならば彼女がとても可愛かったからだ。髪色は綺麗な金髪で長く伸ばしていて腰あたりまで伸びている。その髪の毛に、透き通った蒼色の瞳、そして整った顔をしている 正直言うとその容姿だけで言えば間違いなくトップレベルだろう。しかしそれだけではないのだ 彼女の胸はかなり大きく。しかも形の良い巨乳であるのだ。俺はそんなことを考えている間にいつの間にか俺は彼女に引きずられて行った。俺はそれに戸惑いながらも、俺の担任らしき人が俺を呼びにきた。どうやら俺は、これから俺達が所属するクラスの担任に挨拶をしなければならないようだ。

その担任の名前は橘彩花という名前らしい そしてこのクラスの人達に、自己紹介を終えた俺は橘先生の後に着いて行き。とある部屋の前で立ち止まり、扉を開くと同時に 橘先生が

『入って良いよ〜』と言うと中から一人の男性が出てきてこちらに向かって話しかけてきた。俺はその人物の顔を見るとそこには 先ほど俺に対して高圧的な態度をとって、俺に絡んできた男が そこにいた 俺の頭の整理はまだまだできていないのだが。取り敢えず状況を把握したいため、 俺はその男のことについて聞いてみた すると橘先生は 俺が思っていた以上に真剣な面持ちになり その事を詳しく話し始めた。

まず俺が呼ばれた理由は。この学校に新しく入ってくる教師を一人決める必要があるため、橘先生はその人についての説明を行った そして俺が紹介された後、 橘先生と入れ替わるようにこの教室を出て行ってしまった。俺はその後 教室から出ていき、橘先生の後について行くと橘先生はとある部屋に案内してくれた。

俺は部屋の中に入ると そこは、会議室のような場所になっていて、そこには4人程の男女がいた するとその四人のうちの1人が立ち上がり俺の方に近づいてくると俺に握手を求め、俺は、それに答えるように、握ると、彼は俺にこう言った

「君がこの学園に新たに来るという教師だね?僕は一年三組の担任を務めている、橘結衣だ。よろしくね!」

そして彼に続いて 他の3人も順番に俺と軽く会話を交わすと、最後に橘先生と橘先生は 何か話をするとそのまま橘先生は自分のデスクに戻っていってしまった そして俺は 橘先生と俺がこの学園で一緒に働く仲間だという事がわかったので橘先生と俺はお互いに名前呼びをし合うことになりました それから少しの間俺は橘先生と、 他愛もないような雑談をしていると突然ドアを開け入ってきた人が 俺達のところにやってきた

「初めまして私は橘の補佐をしております。宮前亜美です」

と言って深々と頭を下げた後 俺の方に近づき

「カミヤさんですね、この度カミヤさんのクラスを担当させていただく事になったのですが、私が担当する生徒達の中にはあなたを恨んでいる者も中にはいます。

しかし、それはカミヤさんの責任ではありません。どうか気に病まないようにしてくださいね。これからカミヤ先生とは仲良くやっていくつもりですが、一応伝えておきますね。それではまた」

と言い終わると宮前は、橘先生に何か一言二言話しかけた後 俺の元から離れていった すると橘先生が

「大丈夫?」

と声をかけてくれた その言葉で少しは気が楽になり 俺がありがとうございます と言うと

「いえいえ。これからよろしくね!」

と言われてしまった そういえば俺の自己紹介をしていなかったなと思い 俺は

「俺の名前なんですが、橘の名字からとって。俺は 橘勇也です。」

と言って俺が頭を下げると 何故か皆は驚いた表情で固まっていた すると、そんな時突然

「はい、みんな静かにして〜今日からうちのクラスに新しく入ることになった 橘勇也先生が来てるんだけどね、実はなんと。あの"一位様"なんだよね! みんな、拍手!!」

と言われた。するとクラスの人たちも全員手を叩き 歓迎の合図を送ってくれた すると1人の生徒が手を上げて 質問をしていいですか? と聞かれたので俺は、

「別に良いですよ」

と答え 質問を聞く姿勢をとると 1人の女子が

「あ、あああ、あの〜 先生ってやっぱり 橘先生よりも強いんですか?」

と聞くと、俺の後ろの席に座っている、男子生徒が俺のことを睨みつけていた。俺のことを睨みつけるなんてなかなか勇気のある子じゃないかと感心していたら、突然男子生徒の机が吹っ飛んだ え?と思ったが、その次に聞こえた音ですぐに原因を理解する

「貴方は何様なのかな? さっきから聞いていればこの子が貴方よりも弱いだって?ふざけんのもいい加減にしなさいよ? 確かにこの子は貴方より劣っているかも知れませんがこの子の潜在能力は私以上なのよ。

そんな事すらもわからないなんて本当に愚か者ね。

そんな事にも気づけないような人間にはこのクラスには必要無いでしょうね。だからこの子は私が預かりましょう。

それで問題は無いわよね?」

と先生は俺に言った 俺はその先生の意見に同意を示したのだが 何故か俺の頭の中では 俺に対する殺意がどんどん増していくばかりだった するとその時俺は何かを感じたのか 無意識のうちに俺の後ろに立っていた男から放たれた拳を受け流してしまった その光景を見た周りの人は驚いていた すると男はニヤッと笑い俺のことを殴り返してきた しかしそれを俺は簡単に避けてしまうと 男は悔しそうな顔を浮かべていたが。

その次の瞬間に男の背後に橘先生がいてその男の意識を奪ったのだった すると男は意識を失ったのかその場で倒れてしまい俺は 橘先生の方を見るが橘先生の目はいつもより冷たい目をしていて、俺の方を見てはいなかった しかしそれも一瞬のことで俺に視線を戻した橘先生は笑顔で、俺のことを見つめ 俺は「よく防いだわね?まぁこれくらいの相手ならこの子にだって勝てるんだから 貴方も頑張ってね!」

そう言って俺を励ましてくれると、今度は別の女の子が橘先生の袖を掴みながらこちらに向かってきて

「橘先生!私と、勝負してください!」

と橘先生にお願いをした それに対して先生の方は困った表情をして断っていたのだが。

どうしてもと言うのなら。という感じに承諾するとその子も嬉しそうな顔をしていました その一連のやりとりを見ていた俺はふとあることを思いついた 俺が、この子達と戦い 実力差を見せると彼女達からの恨みが多少は収まるのではないだろうかと考えついたのだ。

俺の考えが正しいのかどうかを確かめるため俺は

「俺と、戦ってくれるんですか?俺としても是非やらせてもらいたいのですが この人みたいにならないように しっかりと加減はしますよ?」

俺の言葉に周りにいる生徒は皆、不安そうな顔をしていたが、その言葉を聞いていた橘先生と、もうひとりの女子が 俺のことを見て微笑んでくれた その笑みは、橘先生はまるで自分の教え子を安心させるかのように、そしてもう一人の子からは。お前の力を見せろ。とでも言っているような。そんな気がした 俺はこの考えを実行する為 早速俺は戦う準備に取りかかった

「まず俺は今、無抵抗でそこに寝転がってます。そしてもし、皆さんが俺を倒したくなったらいつでもかかってきてください 俺はその全てを返り討ちにする そう考えてますので そして俺は武器は一切使いません、俺はこの身体ひとつであなた達と闘います そしてもしもあなた達が負けてしまったのならば 俺に対してどのような仕打ちをして頂いても構いません 俺の事は好きに処分してもらって結構です。

ただその代わり あなた達に勝ち目が見えた時点で俺のことは 見逃してくれると嬉しいです。

それと、俺が勝った場合には俺がここに居る間はあなた達には危害を加えないとお約束致しましょう。これでいかがでしょうか?」

俺は俺なりに考えた事を生徒達に伝え終わると、その話を聞いていた生徒たちの顔色が変わっていた。俺はこの発言の最後に、この学園に居たいなら俺を殺せ、と言ってやった。

その言葉がどういった効果をもたらしているかは俺も知らないが。俺は俺の目的の為にこの生徒を利用することにした 俺の目的はこの学校の教師達を倒し 俺にとって都合の良い状況を作り出すことだ。そして俺はその目的のためにこの学校に潜入しようと考えていた。俺の計画通りに進めば俺はこの学校で教師として働けるようになるだろう 俺がこの学校のことを知らないと言う理由付けは簡単だ。なぜなら、俺はこの学校に転校してくることになっているからな そういえば、橘先生がこの学校に来る前の話なんだけどな。

俺の親父が

「おい!勇也! 俺はしばらく仕事で外国に行かないといけなくなったから。その間にお前がちゃんとこの家守っといてくれよ?」

という事を言い出してきた その日、俺は普通に学校があったので。その日に俺の親父さんと話す時間はなかった 俺は、学校が終わった後。家の扉の前に立つと俺はその家に鍵がかかっているのを確認し。俺の持っている合い鍵を使い玄関のドアを開けると。やはり俺の想像通りのことが起きていた。俺の父親が勝手に合鍵を作り。それを使って俺の家の中に入り込み俺の母親に襲いかかり俺が見たあの悪夢のような行為が行われていた。

俺は俺の父親を殴り飛ばし。母さんを連れて急いで逃げ出した。それから俺は警察に通報しようともしたが。

警察も、同じようなことをしていた。

それから数日俺は自分と、そして母親を守るために俺はこの世界で生き残ることを決めた。俺の母親が犯されたのも俺のこの能力が原因で、俺の能力に俺が耐えられなくなった時俺は俺ではなくなってしまう。俺の心は、完全に壊れてしまう 俺は、この世界に飛ばされてから初めて恐怖というものを感じ始めた それから数日間俺が、どうやって生きていくかを考えた。しかし。俺は俺の能力を過信していた。俺は、俺がどれだけの力を秘めていたのかを完全に把握しきれていなかったのだ。俺は、俺が思っていた以上の身体能力や魔力を持ってこの世界に生まれ落ちてきたらしい。俺はこの世界で生き残っていくためには絶対に油断をしてはならないと思った。俺はこれから、どんな強敵が待ち受けていようと俺は必ず勝たなくてはならない。俺の本当の力はまだまだこんなものでは無かった。これから俺は俺の本気を出し始める。俺の人生はこれからなのだ。

俺は、この世界を生きてくために俺の力を隠していこうと考えている。しかし、俺がこの力に溺れることだけは絶対に許されない。

俺の能力は"超絶回復"。俺の体の一部が破壊されても、時間が経過すると俺の体は自然治癒していく。俺は、この能力を俺に教えてくれたこの世の理から外れた者に感謝したいと思っている そして俺は、今 自分の持つ最大の警戒心をこの場においている 目の前に、橘 咲という女性が居る 彼女の実力はこの学園の生徒達の中でトップクラスの強さを誇っているというのを知っているからこそ今の今まで俺は彼女に勝つことが出来なかったというわけだ 彼女は、自分のことを強く見せる為だけに、わざわざ制服ではなくメイド服を着ているという訳ではなくその真意はおそらくだが。自分の実力を最大限に引き出せるようにしているだけなんだろうと俺は思った そんな彼女を相手にしながら 彼女から発せられる威圧感から俺は全力で逃げ出そうとしたのだが、それを彼女が許さなかったという事だ だから仕方がなく俺はこうして戦闘態勢に入ったと言うところだったりする さぁーどうするか 彼女との戦闘が始まる前にまず、彼女を説得することが第一に優先事項となる。俺はそう考え、彼女と話しをすることにした しかし彼女はそんな俺の思いもよらぬ言葉を放った

「私の教え子に危害を加えないという事には賛同できないわ。貴方には少し痛めつけてあげなくちゃダメみたいね」

そう言った途端に 先程よりもさらに鋭く、重くなった 一撃を受け流す事ができず俺はその一撃をまともに食らってしまった 俺が受け流せなかったことに俺は驚きを隠せずにいたがそんなことも気にせず。橘先生は次の攻撃に移るため俺と距離を取った。

次の瞬間。橘先生の手元に突如現れた、真っ黒な球体のようなものがこちらに向かって飛んできた それはまるで生き物のように動き回っている その光景を俺は見ていることしかできなかった。俺には何も出来なかったのだ しかしその次の瞬間に 橘先生に向かって何か黒いものが迫っていき、それが直撃したのか 先生はその黒いものに飲み込まれていった 俺は、何が起こったのか全くわからなかった。ただひとつわかる事は あれほどの威力を持ったものが橘先生に向かって襲っていったにもかかわらず橘先生には全くのダメージが見られなかった。

俺はそれを不思議に思っていると。

先生を飲み込んだ、何かが俺の視界に映った。その何かは一瞬でその場から離脱し。再び、その何かが先生の元に現れ。そして先生にその何かが衝突した しかし、橘先生は、その場に変わらずに立っていた。その様子から俺の予想が正しければ、橘先生があの攻撃を受けた時、あの何かは確実に消滅させられたはずなのに。

すると突然 橘先生から声をかけられた

「あはは、これは、手厳しいわね。まぁ私には全然効かなかったけど。まぁこれで、この子の力については大体分かったんじゃないかしら? この子はね、私達人間じゃ太刀打ちできるかどうかすら怪しい相手だってことはわかったでしょ? この子が私を消せるだけの技を出したとしても私を倒すことは出来ないってことがよく分かるんじゃない? まぁ。この子なら私を消すことができるかもしれないけれど、その時は多分この世界はもう終わってると思うのよね? それにしても。あなたがこんなに弱いだなんて私本当に驚いたわよ。でもこれでこの子とあなたに差があるっていうことが分かったかしら?」

その言葉を聞き。橘先生の言葉が真実であることに納得し、俺は橘先生の言葉を否定などしなかった。むしろ。この世界の実力者は、これ程の力を持つことが出来るのかと驚愕し、俺は改めて自分が今立っている位置を再確認することが出来た。

橘先生の言葉によって 俺と、先生との間にある壁は、決して壊すことのできないような強固な壁であると理解出来たからだ。俺はその事を嬉しく思い 俺ももっと強くなろう そしてこの世界に、俺を認めさせるんだ。と心に誓った

「ありがとうございます。俺はこの学校に来てから一番の喜びです。俺はまだまだこの学園のみんなに認められてはいない。

俺はここに来るべきではなかった。俺はここに居たらダメなんだと ずっと思っていたんです。でも今はそうではないと分かりました 俺はこの学校に来たことをとても誇りに思っています。そして俺はこれからこの学園で、この学園にいる全員を見返してやります。この俺のことを認めさせ。俺のことを認めなかった奴らのことを俺は必ずこの俺の力で、認めさせてやる!」

俺の心の内を話しているうちに俺はいつの間にか自分の目的を忘れてしまい。

俺の目的に 目標 について語り尽くしてしまった その事を、橘先生に話すと。何故か笑われてしまった 俺はその事にムカついて。橘先生をボコってやろうと拳に力を入れると。俺が行動を起こす前に俺の行動を察知した、目の前に居る女はニヤッと笑い 俺が、攻撃を仕掛けようとすると。

俺はなぜか動けなくなった その事から。俺はこの人には絶対に敵わないと思い、俺が動かなくなってしまった身体に抵抗しようとするのをやめ。この人が何故あんなにも余裕の表情をしているのかという事に疑問を覚え。その答えを聞こうと思ったが 俺の口はまだ動くことが出来ていなかった しかし俺は、この女の言葉を待った

「へぇ〜、あなた面白いことを言うのね。いいじゃない、私はあなたの言う、あなたの認めることが出来なかった生徒達を全員、あなたの手で従わせて、私たちをここまで追い込んでくれた恨み、ここで晴らすわ」そう言いながら、俺に向かってくる先生を見ていた 俺は、この人の攻撃を避ける事が出来るとは思えなかった。しかし、それでも、俺は こんな所で諦めたくはない。だからせめて俺の手であいつらに思い知らせたいと思っていたのだ。だから 俺の手では届かなくとも、少しでも、一握りの可能性に賭けてみる価値はあると思っているのだ。だからこそ。先生に負けるつもりで戦う気は俺には、毛頭なかった しかしそんなことを思うのも束の間。気がつくと、俺の腹に先生の拳がめり込んでいた 俺はそのまま意識を失いそうになったがどうにか踏み止まり 気力で俺は、この状態から逃げるために 俺は地面に膝を突きながらも。

俺は立ち上がり。この状態から抜け出そうと試みたのだが。

この人は、それを許すつもりがないらしい。

この人に背中を向けた時点で俺の命は終わると俺は感じ取り。俺の取れる選択はたった一つしかない それは 正面から立ち向かうということだけだ。

俺は、俺の全力を出して目の前の女に殴りかかった 俺の攻撃は避けられ。そしてカウンターを食らうことになる。

そんなことは分かっていたのだ。この女に、俺が全力で挑んだとして、それが当たるはずもないのだと 俺はこの時初めて、この世界がどれほどまでに高いレベルに位置しているのかを理解した。

俺がどんなに努力したところで俺なんかが到底たどり着けるような場所にいる人たちではないことを俺は知ったのだ だから、この人との力量差を埋めるためには俺は 俺に出来る範囲の全てを使って。この女を、俺と同じところまで引きずり落さなくてはならない 俺はそれからしばらくの間。俺が持てる力をフルに活用した攻撃を放ち続けた だが結果は変わらずだった どれだけ攻撃をしても。どれだけ傷を与えても。

彼女はまるでダメージを負っているようには見えない 俺はこのままじゃジリ貧だなと感じていた そして俺は今 俺の持つ中で、最強の一撃を放つことにした この技は、まだ完成していない 俺は今、俺の持っている全てをこの一撃に込め。

俺はこの一撃にかけることにした。この一撃が失敗すれば、おそらく俺は終わりだ しかし 今この場に俺を止める者は誰一人いなかった なぜなら俺は、この技を使うに値する男なのだだから俺は。俺は、 俺は 今 この場で 俺はこの一撃に俺の全能力を注ぎ込んだ そして放たれた一撃を。橘先生が回避することはなかった 俺は橘先生の放った攻撃を打ち破り その攻撃は、そのまま先生に命中した 橘先生の腹部にめり込んだ俺の必殺の一撃によって。

先生は俺に向かって倒れて来たため、俺は、その攻撃を受け止めた 橘先生は完全に気絶していた。先生が倒れる直前に 俺は咄嵯に先生の下に駆け寄っていた 俺の行動は正解であり。俺はこの女性を殺さずに済んだ 俺が先生を抱きかかえると。先生が突然目を開き、起き上がってきた 先生はすぐに自分の置かれている状況を瞬時に把握し。

この女は自分がどうなるかをすぐに理解したのか。恐怖に満ちた顔になっていた。俺は橘先生のことが怖かったわけではなかったため特に何も考えず とりあえず、この状況から早く脱出したいと思い、先生に、 先生は俺が、なぜ俺を助けたのかと聞いてきていたので俺は先生に自分がやった事を、そして自分が何をしたのかを説明した そして先生は少しだけ嬉しそうな顔をして 俺にお礼を言ってきた。

俺はその先生の顔を見て俺は嬉しかった。

俺も先生を助けられたことで嬉しい気分になって。俺はその気持ちをそのまま言葉にした 俺は先生と会話しながら、橘先生から色々と話を聞いた。俺は先生との会話をとても楽しんでいた 俺は先生と話していて、先生はとても強くて。そして優しくて。この人は俺の理想の女性像なんだと改めて理解した 俺は、この人と仲良くなってみたい。そしてこの人には幸せになって欲しいと心から思った。そう思わせるだけの力を持っているのはこの人なんだから そして俺は、この人がどうしてこんなにも強いのかを聞いてみた。すると先生は少し悲しそうにして、この人は過去に辛い経験をしていたのだという事を知った この人は過去のせいで人間不信に陥ってしまい。人間に対してとても臆病になってしまったのだろう。

だから、この人も人間なんだなと思って。俺もこの人の事をもっと知りたいなと思ったんだこの人と俺は似ているような気がして、俺はこの人を応援したくなった 俺に出来ることは限られている。俺にこの人が抱えている問題を解決する事はできないけれど、でも俺はこの人のために、何かをしたい。

俺はそんなことを思いながら、先生を見ていた。そして、俺達は、先生に言われた言葉によって、この人が本当は凄く優しい人で。自分のことを犠牲にしても俺の事を守ろうとした、そしてこの人は自分を犠牲にしてまで、俺に生きて欲しいと願っている事が分かった。

俺は、俺は。俺の願いとこの人の言葉を聞いて 俺は決意を固めた 先生と、話しているうちに、橘先生に、これからの予定を話すと 橘先生は俺に ありがとう と言ってくれ。そして俺と、先生の二人でこれからについて話し合いをした そして先生は あなたなら私達の世界を救い 私達の世界を救うことが出来るかもしれない。だからあなたにはこれから私の世界へ行ってもらうことにするわ。と そして橘先生は自分の世界と、俺がいた世界の狭間の場所に案内してくれと俺に言って来たそして俺は 先生を俺が住んでいた場所に連れて行った そこで俺は 先生と一緒に これからの事を相談していた 俺は、まず先生の世界に、先生を連れて行くことに決めた。先生が元の世界に帰るには俺が居た世界に一度行く必要があるらしい その事に先生は俺に迷惑を掛けることになると俺に言ったのだが。先生のお願いを聞いた時点で、俺は既に先生を助けるつもりでいるので その事を俺は先生に言うと この子本当に高校生?って言うような。まるで母親のような慈愛に満ちた表情を俺に向けてくれた そして先生は、先生が、俺を向こうに戻せるようにするまで俺と先生がこの場所で、一緒に暮らすことを決めた。先生がこの世界で暮らしやすいように、俺が出来る範囲で俺が手伝うと決めた それから俺は先生と、しばらく雑談をして過ごした。

それから、俺と先生は、この世界での過ごし方について話し始めた まず俺は。この世界の住人と俺達が話す時は俺が先生に翻訳機能をかけてもらうという事を決めた。そしてこの事は俺と先生の2人だけの秘密にすることにした それから俺達二人に念話の機能を先生には与えてもらった。そして俺は先生を家まで送り。

俺は今日あった事や、明日のことについて考えた それから俺の一日は終わりを告げた 次の日 いつものように俺は学園に向かって登校している 俺は昨日の夜、俺はあることに気が付いたのだ。それは 俺は俺の体の中にいた、この世界に存在する生き物を全て倒すことができるのではないかと言うことである。

この世界では俺は無敵だ この世界に存在するもの全てが俺に攻撃を当てることができないのである だから、この世界は俺にとってなんの面白みも無い退屈な場所でしかなかった 俺の楽しみをこの世界は全て奪っていったのだ。

俺のこの世界での目的は、先生を無事に、先生の元いた世界に戻すことであった。

先生が先生だった頃の世界に。先生と橘先生を帰すために俺は頑張っていた 先生が先生の頃に暮らしていた国の名前は 先生の住んでいた国は エルストリア帝国という名前だった この国は。この国の人達は、他の国々と比べても一番強かった。だからこそ、この国の人たちは 先生に、期待をしている この人は、いつかこの国を救ってくれる救世主になるだろうと そう言われていたらしい 俺は、俺の予想だと、この世界は。俺達が住んでいた世界よりかは遥かに文明が発達が遅れている だからこの世界でも、先生に教えを請おうとしているのだ。だから俺はこの国が先生が、先生としてこの世界に君臨した時と同じくらいに発展できるように先生に手伝って欲しいのだ だから俺はこの世界で一番最初に、この世界を平和にするべきなんだと そんな事を考えている内に、俺は学園に到着していた この学園には色々な施設がある。俺がこの世界に来る前は俺は、ここで普通の学生生活を送っていた しかし今は違う。今の俺はこの学校の生徒ではない だから俺はもう学校に行く必要が無いのだ しかし、それでも俺は学園に毎日通っていた 俺が通っている学校は。俺と同じ様な立場の人間が多く在籍している。俺が、俺と同じように、特別な力を持っている人たちが。

だから、ここに来れば俺は一人じゃないんだ 俺はこの世界で、俺以外の特別な力を生まれつき持っていた人たちに。特別の才能を持つ人たちと会うことが出来た この学校にいれば。もしかしたら。もしかしたら。俺は俺に勝てる相手を見つけられるかもしれない 俺はこの学校に入学したとき。俺が、俺よりも弱い奴らとしか戦う事ができなかった。しかし、俺が入学する前までは、この学校で1番強い人間は。この学校の校長だと言われて いたのだが。俺がこの学校に入学した時からは、俺がこの学校で最強の生徒になっているはずだ 俺は。俺は。この学校で 俺は今この瞬間 自分の強さを証明する事が出来そうな 人物を見つけることが出来そうなんだ 俺と橘先生の住む家での生活が始まってから数日が経った 俺達は今。俺が元々いた世界での俺の部屋にいるのだ 俺の住んでいる家は マンションのような集合住宅なのだ 俺はその部屋に一人で暮らしている だが先生は今、この部屋に住んでいるわけではない。先生はこの家の管理人として住み込みで働く事を選んだのだ。先生はこの家に住むのがとても楽しかったようだ 先生は、この世界で過ごす事になってからは。俺の先生に通訳の機能を使う事無く俺と話す事が出来るようになった そのため先生は。俺と普通に話をして過ごせることが嬉しいと言っていた。先生が喜んでくれるのは。俺にとってもすごく嬉しいことだった そして俺は先生が、この世界の事について詳しくなるため。俺はこの家に来て、この世界の歴史とかについてを勉強するために俺達の寝室とは別に書斎を用意した ちなみにこの家は。元々は俺と両親が、親父とお袋の三人で住んでいて、そして俺は一人暮らしを始めた なので、この家を俺は自由に使うことが出来る。そして先生は。この家で、掃除などの家事を手伝ってくれる事になった そして俺と、先生の新しい生活が始まった。俺はこの世界の事について、先生から学ぶための勉強をしていた 俺の両親は仕事の都合で。俺と別れてからずっとこの家に戻ってくることはなかった。だから俺は一人で過ごすことに慣れてしまったのだが、 でもやっぱり。俺は寂しいと思った でも。先生と二人で。二人でいる時間は。とても楽しく。そして俺の心は幸せを感じていた先生は俺にこの世界で暮らすために必要な知識を色々と教えてくれた 俺は先生の話を聞きながら、色々とメモをとっていた。先生からこの世界に関する様々な事を教えてもらいながら俺は 先生が話してくれた事を忘れないように。忘れないように必死に頭に入れて。俺なりに、先生の役に立つ情報をまとめて。

俺のノートの中には。この世界に存在していた生物の資料をまとめたものがいくつもある 先生の話を聞いた限りでは。やはり、この世界の生物は他の世界の生命体と比べると圧倒的に強いという結論に至ることができた。俺がこの世界にやって来たとき 俺はこの世界に生きる、あらゆる存在に負けたのだから。俺に傷一つ付けることができないなんてことはあり得ない。

俺はこの世界に存在している全ての生命の中で最強なのではないかと思い始めているくらいなのだ。この世界の全ての命に対して。俺は敗北を喫してきたので、俺はそう思った 俺は先生と過ごしていて。この世界の事を知れる事によって 俺は今まで。自分が住んでいた世界には、どれだけ俺が知っているような常識が存在していたのか。それを知って。俺は 俺はこの世界は俺が住んでいた世界に比べて。この世界の方が文明が発達していないように感じている 先生も同じような事を言っていた この世界で暮らしている人の多くは 魔法という概念を知らないのだそうだ。

確かに俺が住んでいた世界に魔法の技術は無かったし。それに、俺と先生はお互いに。俺達がいた世界について語り合っていた この世界と俺達の世界は、どうやら別の世界だったようだ。

でもどうして、先生がこちらの世界にやってこれたのか。それはまだ分からない だから、この世界には、何かがある 先生は俺に話してくれないが、でも俺は先生と二人で、元の世界に戻る方法を必ず見つけようと思っている この家で生活するようになって、数日後の休日。先生が俺に、この世界に存在する武器や、兵器などを見せて欲しいと言われた。だから俺は先生を俺が住んでいるマンションの地下にある訓練場へと案内した。先生はその訓練場で 俺に銃の扱い方などについて学ばせてほしいと言ってきた。

俺は先生に、そのように伝えて 先生が俺に見せたかったであろう この世界の技術を俺は見ることは出来なかった。俺がこの世界に来たときには既に、俺は。俺がいた世界では当たり前に使えるような力を身に付けていたからだ 俺が持っているこの力は。俺が生まれた時には既に備わっていたものらしい。俺が生まれる前の俺は、俺がこの世界で、唯一負けてしまうかもしれない相手と出会う前に、両親と一緒にこの世界を旅していたらしい。

この世界で。この世界に存在する全ての存在が俺より弱いと知ってからは。この力の事も。この力が一体どういうものなのかを俺は知らなかった。だから俺にとってこの力は、この世界で出会うまではただ便利なだけの力だった。だが、俺は今になって初めて、この世界で出会った特別な力とは。この世界で手に入れた物とは。この世界でしか得ることができない。

この世界でのみ使う事が可能な力だということを知った。

俺は俺の持つ能力がどのようなものであるかを、先生に伝えようとした。だが、それを言葉にすることが出来なかった 先生は、この世界には存在するあらゆるものを破壊する力を持つ"魔道砲"や、圧倒的な力で全てをねじ伏せる事ができる"戦神機""聖騎士剣"」と呼ばれる特殊な武器が存在しているということを教えてくれた。

だが俺はそんな物を一度も見たことがなかったし。その3つを見たことがあったとしても、俺には全く同じものだと判断する事が出来なかっただろう。だって俺はこの世界で生きているのにも関わらず、俺の住んでいた世界では、そんな物は当然の様に存在しなかったから。だから先生に言われても全く想像することもできない。

だけど先生は 俺が見せた力の中に それらが存在していなかったか そしてそれらはこの世界にも存在しているかどうか それを確かめようとしていたのだと思う そして、この世界では。俺の能力は使えないことが分かった。なぜなら俺がどんなに望もうとも。願おうともしない限り、発動しないから。俺の力を発動させるための条件として。この世界で生きていくための。先生と暮らす為の 生活資金を得るための、先生の役に立てる為に、先生が俺の為にこの家のために、働いて、俺が不自由なく暮らしていけるように 俺は先生と二人だけで生活できるように。先生がこの世界で過ごしやすくする為に。俺は自分の持つ特別な力を封印したのだ 先生とこの世界について学ぶうちに 俺はこの世界についての色々な事を知ることになった 俺は、この世界にやって来る前まで。この世界は。先生から聞くまで俺は この世界に、そんなものがあるなんて事さえ知らないまま 先生と出会っていなかったら 俺はこの世界にやってくることもなかったのだから 俺が先生に出会うまでのこの世界が、どういった場所か 先生はこの世界で過ごしていたから、俺が知る事が無かったこの世界の事を。俺は先生から聞いた この世界が今。先生と俺が暮らしているこの国以外に。いくつもの国がこの世界に存在していることを知っているが しかし、それらの国の中には、まだ他の国がこの世界に存在することすら気付いていないところもあるらしい だから俺と先生はそんな国に、先生が元いた世界にいた時の知り合いとかがいたりしないか、確認しながら 俺達はこれからどうしていくべきだろうか。

先生がこの世界にやって来たのも偶然の出来事であるし 俺は、このまま先生とずっとこの家で一緒に過ごす事が出来れば良いのだが しかし俺は、俺と同じ境遇の人達が他にもいる可能性がある限り 俺は、俺は 俺は先生と出会ったあの日以来、俺は、この世界に来る前の俺と、同じように特別な力を手に入れた人のことを探した。それは先生にも伝えたが、 先生もこの世界で特別の力を生まれつき持ち合わせている人はこの世界の住人ではないと思うと言っていた。

俺はその可能性を信じることにした。そして俺と先生はこの世界の様々な町を見て回ったりしていた 先生はこの世界の様々なことを知っていたが しかし俺が知っていることはほんの少ししかなかった。先生と俺は、この世界には、俺たちが知っている常識が通用しないことに改めて気づく事になった そして先生はこの世界には存在しない武器と。先生が元いた世界にしか存在しない、そしてこの世界の誰もが扱える事がないと言われている"魔法という技術で生み出すことの出来る超常的な効果をもたらす力を持った武器の2種類の兵器が存在しているということを俺に教えてくれていた そして先生と俺は今 ある街にある大きな施設に来ようとしている。そこは先生が元の世界にいた時に通っていた学校の跡地だ。そこに、先生の元教え子が暮らしているかもしれないということで先生が俺を連れて行こうとしてくれているのだ。

俺と先生は。先生と出会わなかったとしたなら俺がまだ知らないこの世界の技術で造られていた。電車に乗って、先生にこの世界について教えてもらうことで俺はこの世界に何があるのかについて知る事ができ。先生と一緒にこの世界の街を歩くことになって。俺は俺の住んでいる町の事を、この世界にはまだまだ、俺達の知らない事がたくさん存在しているのだという事を知って、この世界は広いのだと実感できた この世界は、俺達が元々暮らしていた世界と違う世界に存在していたことを 俺は今になってようやく実感することができた でもこの世界がどういった世界であったとしても 俺の知っているこの世界の常識とは異なる部分がいくつも存在するという事を知った俺は、俺は先生に もっと教えてもらいたいことがあるから。俺はこの世界について知りたくなって 先生に、先生の知っていることを色々と聞いてみたいと思ったんだが 先生は元いた世界で教師として働いていたらしいが そのことについては、あまり詳しく話をしてはくれなかった 先生が、俺が、元いた世界について、興味を持つように。

俺はこの世界の常識や文化などを、少しずつ理解していくことにした。俺はこの世界で暮らすようになってから 俺が暮らしているこの世界に存在する様々な知識を学んできた 俺は俺の両親から学んだ事を思い出しながら。俺の持っているこの世界の知識や技術について学んで、そして俺が先生に質問すると先生はすぐに答えてくれる。先生に俺が問いかけて、先生の知っている事についてを俺は知ることができた 俺は俺の両親が、俺が産まれてくる前から。両親と一緒にこの世界に来ていたことを知ることができた 俺は先生と二人でこの世界に暮らすことになって。最初は先生と二人っきりで生活することに俺は、正直に言うと、慣れなくて。俺は先生と上手くやっていく事が出来るのかと、とても不安だったが。でも先生のおかげで 先生と二人での生活が始まってから。俺は、先生と、二人で生活を始めてから数日の間。俺は自分が元いた世界で過ごしていた頃と比べて、随分と楽になった気がした。

先生のおかげもあって 俺と先生の二人でこの世界で生活を始めてから。しばらくして。俺と先生はとある町にやって来た。そこにはこの世界で、一番最初に訪れた時に、俺と先生が出会った街にある施設と似たような雰囲気のある、この世界の教育施設が存在していた 俺は先生が通っていた学校を目にして懐かしい気分になったのかもしれない。先生と一緒に。先生と一緒に先生が住んでいたこの世界に来た時は、俺は、俺が元いた世界で、両親と共に過ごした、生まれ育った家を出てから、まだ数日程度しか経っていなかったから そして俺は先生と一緒に。俺は元クラスメイト達と再会していた。そこで俺の前に現れた、先生と俺は。俺の前に立つ先生を、元クラスメイト達は皆。俺の先生のことを、知らないと言っていて。そして、この学校に通っている生徒たちの大半は。先生の教え子だった者達ばかりで、彼らは皆。元いた世界では学生生活を送っていたはずだが。

先生はその人たちから どうしてこんな所にいるのかという事を聞いて。そして、彼らの話によれば、この世界で。この世界にやって来てから 先生の事を見かけた者はいないらしい。

先生は俺に、彼らから聞かされた事を伝えると。

先生の話では、先生は元々、先生が生きていた世界は。この世界では無い別の世界の人らしくて、俺はそんな事は信じられなかったし。俺にとっては先生は紛れもなく、この世界で、俺の目の前にいる。先生は 俺がそんなことを言うとは思ってもいなかったらしく。驚いた様子を見せていて。それから先生は。俺は俺自身が思っていた以上に。俺は混乱していたようで。そんな俺を見た先生が。俺に対して、落ち着くように、なだめてくれた 俺と先生の二人だけで生活する事になって しばらく経った頃から、俺は俺が、俺としてこの世界で暮らしていくことの大変さを、身に染みて感じるようになっていった。俺は先生に助けてもらえなかったとしたら 俺はこの世界で生きて行くことが出来なかっただろうと今では思うようになっていた この世界に来てから 俺の暮らしていくために必要な生活費を稼ぐ為には 俺は働かなければならなかった。俺が今まで働いて来た職場は 俺がいた世界で俺が働いて働いていた場所で、そして俺の両親に俺が連れて行かれた場所だった先生と二人だけで生活を始めたばかりの頃は、先生は俺にこの世界の事とか。色々なことを教えてくれていたが しかし先生の体調は段々悪くなっていき 俺が先生の面倒を見るようになって 俺は、先生が寝込んでいる時も、先生の代わりに働くようになった そんな俺の毎日は 朝起きてから 仕事に行く前に俺は 俺のいる家の中を掃除をする為に動き回る 俺はいつも通り、朝食を作り始める為に。まずは俺の台所にある材料を確認した 俺のいる家にはほとんど何も無かった。俺が、ここにやってきた時も 先生と、先生と二人で生活を始めてからは 俺が普段使っている食器類は先生が買ってくれたものばかりだし。先生が以前に住んでいた家は。この家より広かったそうだから。この家にある物だけでは俺が先生と一緒に生活する上で必要だと思う物は最低限揃うかどうかってくらいのものしかないのだから。

俺は、自分の家で使っていた食材で作ろうと思えば。料理を作ることだって出来なくはないが。しかし先生が病気になっている今は先生の身体の事を考えた食事を用意しなければならないのだから。俺は自分で食べるだけの為には、そこまで手間をかけるつもりはないから だから俺は、先生に何か食べさせる時には、俺は出来る限り。出来る限り栄養価の高い物をと考えて、それでいて俺の財布の中身で用意出来るものを考えて。俺なりに色々と工夫をしているつもりではあったのだが、しかし この世界で、俺の知っている物が売られていることが少ない。例えば調味料などだが。

先生は先生が元々いた世界には無かったこの世界の食べ物の味は俺が知らないもので。それに俺はこの世界の、この国の料理を食べることがほとんどないせいで。

だから、俺が知っている料理の作り方は先生には、あまり役に立たないのだろう この世界にやって来た頃の俺には お金を稼げる手段が無かったということもあって。そして、今の俺にも。先生と一緒に暮らしていた頃の俺は。まだ一人で、生きる力さえ無かった。そして俺は、まだ、先生と出会っていなかった頃のように。

この世界で、ただの一般人だった頃の、俺と同じように 俺には先生以外の友達がおらず。俺は孤独を感じ始めていた。俺は俺にとって唯一の家族である先生が俺の前で倒れてしまうのを見てから 俺は先生が倒れたのを見てから。

俺は俺が俺の知っている事しか知る事が出来ない、そして俺の知る知識の範囲ではどうすることも出来ずに しかし俺は、俺にできることなんて殆ど無い。

それでも俺は しかし先生が倒れて 先生が意識を失ったまま。そして先生に命の危険があった そして俺は先生の命を救う事が出来て 俺は俺と先生が初めて一緒に過ごした。先生の家の中で。俺は先生の面倒をしばらくの間見ていた。俺がこの世界に来て初めてこの家に訪れた時以来。先生と俺はこの部屋で過ごす事になっていたが この部屋には窓が存在しないから。この部屋の照明器具に光が灯る事は無い。

この家にある家具は全てこの世界で作られたものではなくて そして俺はこの家に来る前はずっと独りぼっちで過ごしていたわけだから 俺は誰かの世話を焼くような人間ではなかったから。俺はこの世界にやって来たばかりで、しかも先生と一緒に生活し始める前の俺は、自分が何をしたら良いのかも分からず。何だかんだと、戸惑っているばかりで。

先生と一緒に暮らし始めた当初は。俺も先生の面倒を見なければならなくなってからは。俺はどうしようもない気持ちに苛まれていた時期があったんだ。先生が体調を崩し始めて。

そして先生はベッドから出ることが出来なくなっていたんだ。俺はまだ若くて健康体ではあったが、しかし先生と比べると。俺の体は酷使しすぎているから。

俺の体力が尽きかけていることは。

先生から見れば一目瞭然であって そして先生が俺を心配してくれる。そんな優しさに触れても俺は嬉しくなくて。でもそんな先生の姿を見ると俺は余計な事を言ってしまって。

先生が弱気になっている姿を見れば。先生を叱咤したくなる。そんな事をしてしまった。

俺の知っている限りで。この世界で流通している金は。

そして、この世界で流通する金貨は 俺は元いた世界とは違う世界にいたから、その世界で通用する通貨単位についても詳しいわけではなかった。

先生から、教えてもらうまで 俺は元いた世界で過ごしていた頃と変わらない、平凡な生活を送っていたが。でもそんな俺の生活が、変化していった 先生と二人で生活をしていた頃は 俺と先生と二人で生活し始めて以降、俺と先生が、俺と先生と二人で生活をしている家の中に ある日一人の男が訪れた 俺がこの世界で暮らす事になってから。俺はこの世界にある教育施設を利用して勉強をしてきていて。そこで先生と知り合った、そしてこの世界にやって来た時に俺が最初に立ち寄った街で出会ったあの女がこの世界には存在していた、俺はそいつの名前を知っていたから 俺は俺の前に現れた。

そいつの名前を知らない者は 先生は、そいつの顔を見て。先生と、この世界の人間の間で交わされたやり取りを見聞きしていて。そして先生は、そんな俺の目の前に立つそいつを。先生の元教え子であり、先生の生徒であった一人だと俺に紹介してくれたが 先生が元いた世界は 元いた世界で先生と俺は一緒に暮らすようになって それから先生の体調が優れなくなり始めてしまった。俺の事を心配してくれていた先生を 先生が元気だった頃には、俺が俺がやろうと思っていた。俺が俺がやるべきことなのではないかと思った。先生が倒れたのだから。

だから俺に先生の看病をする為に。俺の持っている知識で先生を助ける事が出来るかもしれない。俺が今住んでいる家の設備も俺にとっては見慣れないものばかりであったが しかし先生は病気になった事もあって、先生はもう自力で立ち上がることが出来ない程衰弱しきっていて 俺が一人で生きて行かなければいけないのだとすれば。

先生と、俺は二人で生活し始めた頃からは随分と変わっていった気がする。俺のいる環境もそうだが。この家も 先生が俺の家にやって来て 先生の体調が悪くなって、俺は俺の知っている知識だけで、しかし先生が俺に対して教えてくれた事を俺の知っている範囲内の俺の知識を使って先生の為に、俺と、俺と一緒に暮らしている先生の事を看病してくれる人は、誰もいなかったから。

俺が、この世界に来てからも。俺は、今までと変わることのない毎日を過ごして来て そんな俺と、先生の元にやって来て、先生に話しかけて来た、そいつも、元々は先生の生徒だったそうだが

「君も私と同じ、別の世界からやって来たんだよね?だから君は私が君の先生にこの世界について教えられた事を教えて欲しい。」

そうして、俺は俺に語りかけてきた、そいつが俺に教えてほしいと言ってきた、俺のいる世界についての事を教えてあげたら そして俺と先生と俺が先生の面倒を見る事になった女の子と三人だけで過ごしている家に、そいつは頻繁に顔を出すようになっていた。

俺の知らない、この世界特有の文化が しかし先生は先生が元いた世界には存在しない、存在しない筈だった物を、その存在を知ってはいたようだ。だから先生は俺が俺の世界の文化を教えてくれと頼んでくるそいつに。

しかし俺には 俺が、そんな先生と俺が、二人で生活している家の一室にいる、俺の前には俺がこの世界にやって来て以来、毎日、先生が先生として俺の前に現れた時から、俺と一緒に過ごしていて。そして、今では、先生の看病を、先生の代わりに俺が先生の代わりに、俺は先生の身体を拭いたり、先生の食事を用意したり。

だから俺は、俺の目の前にいる、俺の目の前で俺の事を訪ねてきている、先生が先生だった頃に、先生の生徒だったらしい少女に向かって。しかし先生はこの世界で生活を始めたばかりで。俺の知っている知識だけでは。俺は自分の出来る事は本当に限られてくるから。そして俺が、この世界に来たばかり、そして俺が自分の出来る事の限界に気づくまでの数年間は。俺はずっと孤独だったから。そして先生と出会う前の俺はずっと独りぼっちだったわけだし。

俺には、何もなかった 俺には何も無かったから。俺はずっと先生に甘え続けていた 俺は先生に助けられて、そして先生と一緒に生活を始めて以降。

先生の事を。俺と先生が初めて一緒に暮らし始めた頃。俺の住んでいた世界にやって来る前とは比べ物にならないくらいに痩せ細ってしまった先生を、俺はずっと、先生の面倒は見ないといけないから 俺はこの世界で、この世界の常識や、この世界で使われている言語の読み書きなどの勉強は続けては来ていたのだが 先生と二人きりで。俺が知っている知識しか使えない俺は 先生の知り合いだという奴に俺は。俺に何が出来るのかわからない。先生は、その少女を、俺に紹介した後は。先生はその女を連れて何処かに消えてしまって。俺が知っている事などたかが知れているし、この女を俺に会わせてから先生が俺達と一緒に暮らしていた家から出ていって。それで俺は一人で だから俺は、先生と一緒に暮らすようになってから俺達が生活をしていた家が元々暮らしていた家では無くて。そして先生はもう長い間外に出る事が出来なかった。だから俺達はもうすぐ死んでしまうんだろうと思っていた しかし先生に死期が迫っていたとしても。それでも先生は最後まで生きる事が出来ていた。そして俺は先生に頼まれて、俺は先生に先生の為になることならば出来る事であれば何でもすると しかし先生はそんな俺に対して、俺はお前はもう大人なのだし。私の面倒だけではなくて。自分自身が生きていくために。自分のやりたい事を探してもいいんじゃないかと、俺は先生の言葉を素直に受け取ることが出来ずにいたから 先生は、自分が俺の事を救えたと思っているから 先生と俺はこの世界にやって来た直後はずっと一緒に暮らして。

でも先生は俺よりも遥かに長く生きていた人だから。俺なんかが先生にしてあげられる事は殆ど無いと思うけど。でも俺のやれる限りの事は全てやってみたいから 俺にとっての先生がそうであったように。先生にとって俺は先生で。俺はそんな先生が倒れてからは、俺と先生で生活し始めてからは。俺と先生が二人で生活していた頃の俺は、この世界にやってきたばかりの時と比べても、生活環境も随分と変わっていて。先生の体調が良くなってきて 俺の体力にも、先生が倒れてしまった時と比べればまだ余力が残っているから。俺の体力にはまだ少し余裕があって 俺と、先生と一緒に生活をしているこの部屋の中に そして俺と先生が先生と出会った場所の近くに建っている俺の住むこの部屋には しかし先生の面倒を見なければいけなくなった俺に先生が用意してくれたベッドの中には、もう誰もいない 俺と、先生が生活をしていた部屋に。先生はベッドの上に寝転んでいたけれど。しかし先生が今ベッドの中に横たわっているベッドに、既に誰かの体温は残されていない 俺と、俺が俺一人だけが先生の看病をしている、俺と、先生が生活していた部屋の、その部屋の中を。

そして先生はもうこの世にはいないから。

『あら?そうなの?それは良かった。私はあなたに感謝をしています。』

感謝されるようなことはしていない、それに俺は、結局は先生の助けになることは出来なかったし。でも俺にとっては大切な人が亡くなってしまって。

俺が俺の好きな人達を助けることが出来たのは。俺は先生を助けられなかった。だから俺はもうこれ以上俺のせいで先生や俺の大事な人たちを失うのは嫌だ。だから俺はこれから俺がやらなければならないこと 俺は先生に教えてもらった知識の中から俺がこの世界にやって来てから先生と一緒に過ごしていた間に得たものも含めて、俺はこの世界では、俺の世界では俺が生きている間は手に入れられなかったものを、この世界でなら手に入れられる。

俺には先生からもらった知識の中で俺がこの世界に来てからも俺が先生に教えてもらっていたことは俺が俺の頭の中にある知識を全て吐き出してしまえばそれこそ尽き果ててしまいかねない程の膨大な量のもので 先生が倒れた後も、俺は先生が俺の目の前に姿を現すまで、先生がいなくなった後にも、先生と過ごした日々は俺の胸の中の思い出と共に今も残り続けていて 俺は先生がいなくなってしまった後。俺が今まで先生と過ごしてきた生活は俺の頭の中だけのものだったのかもしれないと思ってしまう事が何度かあって 俺と、先生の住んでいた家にやってくる頻度が次第に減っていたそいつが再び姿を見せる回数も多くなって来たある日 俺と先生はいつものように そしてそいつは再び そいつが現れた時の光景を思い出すだけでも、その時のそいつは、いつものそいつとは違っていたから 俺はあいつと初めて出会った時も。そしてそれからしばらくしてからのある日のあの時も 俺が先生と一緒に暮らしている家を訪れて、先生に何かを話しかけていた。そいつの容姿も先生と同じ髪の色をした。俺が先生と一緒に暮らすようになった頃から俺と先生の傍によく現れるようになったそいつは。

しかし俺と先生はそろそろ本当に死んでしまいそうだから。俺はこのまま、俺と先生の二人の時間が止まってしまうのだと思っていたが。

俺は今まで通り先生との生活を送っていたらいいのだと思っていたが 俺と一緒に暮らすようになって以来ずっと先生は俺の世話をし続けて 俺と先生の目の前に現れたそいつもまた。今まで先生と一緒に生活してきたそいつの姿は、いつも先生の隣で見慣れた姿だったが、その日ばかりは何時になくそいつの様子にはいつもと違いがあった 先生の知り合いだと紹介された少女に 俺には先生以外に頼れる存在がおらず、先生の為に、この世界の常識とかを俺に教えてくれる奴はいなくて

「先生に頼まれているんだ。君に、君の持っているこの世界に関する知識を私に全て教えて欲しいと」

しかし先生は 俺に先生の事をお願いしますねと。俺は先生の事を守ることが出来なかったから。先生は最後に、私の事は忘れなさいと言い残してからいなくなってしまってからずっと 俺はただ、先生が先生として存在していた頃の。俺は先生に教えてもらった事を思い出しながら。先生の教え子だというそいつから色々と教わり続けていたんだ。そして俺の知っている範囲の知識だけしか俺には持ち合わせておらず 俺には先生が、先生がいなくなった後、先生に頼まれていたから しかし俺には。俺はそんな事を考えていたせいなのか 俺にはそいつが、俺の知る知識を俺に話してくれるという。俺と先生が二人で暮らしていた家で一緒に過ごしている俺と先生以外の、先生と俺は先生の看病をするばかりで。俺には他に何も出来る事が無くて。だから先生がいない時は俺が俺の知っている限りで先生の看病をしていた。

そして、俺の目の前に突然現れた。俺の目の前で俺に対して頼みごとをしてきて しかし、そいつは 俺と、先生と一緒に暮らしていた部屋に、先生が俺達二人が住んでいた家の部屋にやってきて 先生は俺達の前から姿を消した 先生がいなくなる直前に。先生が言っていた言葉は、その、俺と一緒にこの部屋で過ごしてきた時間の記憶を、俺の中から消して欲しいということだけだったから。

そして先生はいなくなってしまった。だから俺は そして俺には、そんな風に俺が思っている間にも。先生は俺の前に姿を現すことは無かったから。俺がどれだけ、俺の頭の中に残っている先生が生きていた頃の思い出の中にいる。そして、先生と一緒に生活していたこの部屋の中に残されている。俺の思い出の中の先生の事を頼りに、先生の看病をしながらの生活を続けていた 俺にとっての、俺と、先生が初めて一緒に過ごすことになった、その最初の部屋は。俺達が先生と出会った頃に住んでいた場所ではなく。そして俺は先生が先生でなくなったとしても。俺は先生のことを忘れられそうには無い。俺は、俺の知っている先生は。俺に様々な知識を授けてくれていた、そんな、先生でしかなかったから 先生が先生で無くなった後は。俺は、先生に、この世界の言葉を教えてもらっていた 俺はもうすぐ死ぬだろう。そして俺が死んだ後の俺は先生のことを忘れてしまっているだろう。だから俺は俺の頭の中に残っている、俺と先生との、先生と俺とが出会っていたこの部屋の中に存在している。そして俺はこの部屋の中に残っていた先生の痕跡に

『私は貴方が私のことを好きだった事を知っていましたよ。ですから私は、私はもういなくなりますが。それでも私の事を大切に思ってくださっている方がいる事を知った私は嬉しかったですよ。でも私は、私はあなたとは結婚することが出来ないのです。私はあなたのお父様の事が大嫌いだから。私はあなたのお母様に、私があなたの事を愛していたということをあなたが知らないまま生き続ける事が出来たのなら。

そして私と、私の愛する人との間に生まれた、この子も。どうかこの子に幸せになって欲しいと思っています。そしてもしも私の事をまだ覚えていてくれて。この子が大きくなった頃に、もしもこの子の事を好きだと思っている男の子がいたのならば、その子の気持ちに応えてあげて下さいね。きっとその子は。あなたのことがとても好きなんです。

そしてあなたはこの子にも幸せになってもらえるように、この子とこれからは仲良く、二人で、お互いに助け合って生きて行ってほしいと思います。だから、あなたには。あなたにはこれからもこの子と一緒に、二人で幸せな暮らしを送ってもらいたいと思います 』先生が先生の先生である俺の育ての母親だと言って俺の前に現れた女性は 俺の頭の中にある、俺がこの世界に来る前の、そして来る前の出来事に関する記憶には。先生が先生ではない存在になった。俺が俺が知っている、先生のことで。俺は、俺と一緒に暮らすようになる以前の、俺が俺一人で暮らしていた頃の、先生は先生がいなくなる前に俺と先生とが二人で使っていた部屋は。そして俺の部屋でもあるこの部屋の中に残されていた先生の遺品の中には。俺に色々な知識を、俺が今まで知らなかったような事も俺に教えるようにして。

『先生。今日も来ちゃったわ』

そして先生は。先生は俺に色々な知識を。そして先生が俺の傍に現れ始めてしばらくの間。先生と一緒に暮らした家に戻っていた時や、それからしばらくしてからは。

先生と一緒に暮らすようになってからも。先生の体調が良い日は先生と一緒に外に出かけて。そして先生が俺に、俺の頭をなでながら教えてくれた知識は。俺は先生と一緒に、この世界では先生と出会うまで、先生と二人で暮らしていたこの家の中で過ごしていた、俺と先生との、先生と一緒に生活していたこの部屋の中に存在する、俺の頭の中の知識の中に存在していた、俺に先生と、先生と、そして俺は、二人で生活していくために必要な事は。俺は先生から教えてもらった

『あら。おかえりなさい、えーっと? あなたは確か あの時の 名前も教えてくれないのですか?』

俺はこの世界に来た時に、神様のミスで俺は自分の名前が分からなくなっていた。先生と過ごしている内に。先生に俺の名前を考えてもらい。先生が俺と先生の二人だけで、俺がこの世界に来るよりもずっと前から住んでいる家に先生と俺の二人で戻って。そしてそこで、俺は初めて名前をもらって 俺の事を俺と先生の二人で住んでいたこの家で俺の世話をしてくれた少女に俺は名前を聞かれ 俺には、先生が俺に、俺の頭の中に存在する知識を先生が先生としての俺に俺に与え続けてくれたもの。先生が先生じゃなかった時の。そして先生と俺の二人で生活し始めの頃の俺と、そして今俺が生活し続けているこの部屋の中にも残されている、俺の頭の中の記憶の中に残っている。先生と一緒に過ごしてきた。俺が先生から学んだことしか俺は持ってなくて。俺は先生との生活の中でも。俺と、俺の知っている。俺の知っている、先生と、俺が一緒に過ごした時間にしか俺は俺の事について知らなくって そして俺の、この世界に来て。そして俺に優しくしてくれる人に出会った時には。俺の知っている人達に会ったときには。俺は皆が知っているように、皆が思う通りに俺は振舞っていたけれど。

先生以外の人間とは俺と話をして、話を合わせてくれたのに。俺はその人達を信用することなんてできなくて。だって、先生じゃないんだから そして俺の世話をして、面倒を見てくれている、この家に住んでいる女の子も、この世界にはいないらしい そしてその、この世界のどこにいるのかわからない先生を探す為に

「先生。俺は絶対に貴方を見つける」

先生がいなくなってしまった後、俺の世話をするようになって。俺と一緒にこの部屋で過ごすようになってしばらくした頃から。俺と一緒の部屋で過ごし始めた頃。俺は先生がいなくなってしまった後の。そして、先生がいなくなってしまってからしばらくはずっと 俺は一人ぼっちで寂しくて、だから俺は 俺と一緒に過ごすことになったその女性と一緒に暮らし始めてから、俺と一緒に住むようになってしばらく経った頃には。俺はそいつが そして、そいつは俺にこう言った。そいつが俺に教えてくれることになった俺に先生の代わりとなって教えてくれた知識は。先生の看病をしていた俺が俺自身の体の為に覚えておきたかった、先生に教えられてきた事の全てを俺に伝えるようにして。

俺の、先生に、先生が先生になるより前。俺は、先生と一緒に暮らしている時は。俺が俺として先生から教えてもらうことになった知識の中で先生に教わった事は そして、俺と先生が、俺が俺として生きていた時から先生が先生に変わって。そして俺は先生が先生としてではなく、一人の俺に対して接してくれるようになるまでの間は。俺は先生とずっと、二人でこの世界で二人で過ごしてきて。そして俺と先生が初めて二人きりで過ごしたこの場所が。俺が先生と、先生としてではなく、一人の女性として過ごしている時の俺の、この世界での初めての場所だった。俺はこの世界に来る前の俺は先生以外の人間は俺にとっては敵でしか無くて。俺の大切な家族や先生以外には。

しかし俺は、そいつが俺に、俺の目の前にいるこいつが俺に伝えようとしてくれる事を、そいつが俺の先生の代理で、そいつが俺に教えようとしていることを。そしてそいつは、俺が先生のことを好きだということを知っていて そいつは。俺は俺に。

『勇者様。私は貴方に。いえ、私は貴方達全員に伝えたい事があるの だから私からあなた達に言わせて欲しい言葉があるの 私達と貴方達。そしてあなた達の仲間はみんな同じなんだという事を伝えさせて 私はね、私達の国のお偉いさんが、自分達だけが得をするような事しか考えてない人達が許せないの それにね、あなた達はもう十分に強いはずよ。だってあなた達は元々この世界とは違う別の所から来たんでしょう?なら元の場所に帰りたいっていうのは当たり前のことよね 』

(おい。お前は何をするつもりだ)

「あぁ?うるせぇよ雑魚。邪魔すんなよ。これは俺の問題だろうが。それともあれか。てめぇの先生とやらはこの程度でどうにかなる奴だったっつうわけかい? へっ、笑わせるなよ雑魚の分際でよぉ そんなもんはどうでも良んだよ。ていうかさっきから何言ってやがる。いいからそこどけよ!こっちはイラついてんだよ!!俺に文句を言うんじゃねえ!!!!」

そうやって怒鳴り声を上げていたら。そいつが何かをした瞬間。一瞬の内に俺は意識を失ってしまったのだが。でも何故か俺は生きている。しかも身体は無傷のままで 俺は。さっきのあの女の人が言おうとしていた事が気になって仕方が無かった。そしてそれは、俺の身体が傷つく事が無く、ただ眠っているだけで。そして俺が起きてしばらくして。さっきの女の人に呼ばれて部屋の中に俺が一人でいたらさっきまでとは違って優しい口調で、さっきよりも丁寧な口調で。さっきまでよりも優しげな感じの声色で。

「勇者様。あなたは、この世界に来てしまったあなたは元の世界に戻りたいと願うのでしょう?」

俺がさっきまでの威勢の良い態度とは全く違う、まるで別人のように変わった彼女を見て俺は 俺が、彼女が言っている言葉に驚いて、そして彼女は続けて。そして彼女の口から伝えられた内容を聞いて。

「はい、分かりました。それでは、あなたにこれを渡しましょう あなたにはこれを使ってもらいます これはあなたが、これから生きていく為の力となり、そしてあなたがあなたの好きな人を守ることが出来る力を与えてくれるもの これを使えば、あなたはきっと強くなれることでしょう この力が有ればあなたの好きな人も。そしてあなたがあなたの好きな人とこれからずっと共に過ごせるだけの力を。この力はきっと、あなたの役に立つことなのではないでしょうかこれから、この世界を救ってくれるのだと、そう信じています 」

そう言われて、俺はその本を受け取った。その渡された本の内容がどんな物なのか俺にも全く想像がつかなかったが、それでも俺は、この本を受け取らない訳にはいかないと思っていた

『この世界に、勇者は要らない』

『もしも、自分が特別な人間である。そう思い込むような出来事があれば』

俺が受け取ったその本がいったい何なのだろうか。それが分からないが、その本は見た目よりもかなり重い。しかし俺はそれを持ち上げる事が出来た そして俺がその本を触ったその時、その本の中に入っている文字達が光を放った。俺の視界はその本の放つ眩しさのせいで何も見えなくなった その眩しさのあまりに。俺は、目を閉じてしまい。そしてその眩しさが収まった時、俺の手元には何も残っていなかった。そしてその、消えた俺の手の中にあった物はどこに行ったのか、俺は探し出そうと思ったが。だが探そうとしていたら

『ふー。危なかったですねー。もう少しだけ反応が遅れていれば貴方が今手の中にあるその本を。その本を、その本を手にする為に貴方が今現在存在している世界に貴方が存在しているその事実を。その全てを失う所でしたよ?』

俺の事を、そしてこの俺の事を知っているらしいこの女性は

「俺は、貴方の事を知らない。貴方が誰であろうと俺は。俺は俺の大切な人の為に戦う。貴方も貴方自身の大切な人を守りたくて戦っているんだと思う。けど、だからと言って貴方も貴方の目的を果たすために。貴方も貴方自身で。自分自身のやりたい事をすれば良いんじゃないかな」

俺にこの女性の目的を止める事は出来なかったが、それでもこの女性も大切なものがあって、そして守りたいという願いがあったはずだから そして、その後俺が目覚めた場所は、この城の玉座の間の前であった 俺にはこの国で。王の前で勇者として認められなければ。魔王と戦う事は出来ないという事になっているとの事だった。だからまずは、この国に俺を認めてもらう為に。そして俺の実力を示してもらい。そのうえで俺がこの世界で生き残るための。俺が先生を探す為の足掛かりとして俺は、ここで修行をしなければいけない この国の人達から俺に対する期待は大きかった 何故なら。今のこの世界の状況をひっくり返す事が出来るかもしれない可能性を持っているのは俺なのだ。俺の持つ武器が、そしてその武器を扱える者が持つ魔力量によって。魔族を倒す事が、倒すどころか封印出来る可能性もあるらしい。だから俺の存在はこの世界にとっても。俺と先生がいるこの世界で、一番に優先されるべきものでもある そして俺の存在の理由の一つとして、俺には聖具を扱う才能があるそうだ。俺の使う聖具と呼ばれる道具を使う事により普通の人間が持っている身体能力よりも遥かに高い力を発揮できるとの事だった つまり。俺に求められているのは。魔王に対抗出来る程の。そして魔王にすら打ち勝つ事が可能な強さを持つ事 先生に、俺は教えてもらった知識を元にして、自分で考えた技と先生から教えてもらった武術を組み合わせた、俺なりの戦い方。先生の看病をしながら先生に教わった事は忘れずに。さらに俺は俺自身が考えた技や知識を、そしてこの城にある本を読んで。

そしてその本を読み終わった後、本の中から出てきた俺の前に現れた少女は。この城を治める姫で、彼女は言った。

『私は貴方と取引がしたいと思っています 私は貴方と取引をする事により、私にとって利益になると判断しているので。そして貴方が私の取引を受けるというならば私は貴方と貴方が大切にしている人達の命を私が預かってあげようと思っているのですよ 私はこの国を治めていますが。別にこの国が欲しいとは思ってはいません 私にとっては、私はこの国の皆に慕われて。そして私もその国の人達の為に尽くしていければいいのです 貴方は、私との約束を守ってくれるかしら』

そう言って彼女は俺に手を差し伸べて来た。俺は彼女に

「俺は先生が居ないこの世界なんてどうなっても良いと思っている 俺は先生さえいればそれで良かった 俺にとって、先生が全てなんだ でも俺はもうこの先どうなってしまうのかわからない 先生に俺の言葉が届かない 俺は先生と一緒に生きていきたいのに もう先生は、俺の事を俺が知っている俺が愛したあの頃のあの人は俺が求めている俺の好きな先生じゃないから。

だから もしも。もしもだ もしも先生がこの世界を救いたいと。

そう思う気持ちがまだ残っていると言うのであれば。俺は先生を信じることが出来る。

もしも、もしも俺の事が。まだ好きなのだと言えるなら 先生。俺を信じてくれ。俺が俺じゃなくても。俺は先生が好きなんだ だから 頼む もう一度俺と 俺とやり直そう なぁ? 先生 俺はお前に逢いたいんだよ 先生は。

お前はお前が愛していた人達に もう二度と会うことは出来ない。

もう。逢うことは 先生。先生 なぁ?先生。

俺は

「なぁ?俺はもうどうしたらいいんだよ。

なあ?先生。教えてよ。なあ? 答えてよ。先生 なんで。なんで俺はこんなところにいるんだよ。なあ? なあ。なあ? なあ!なあ!なあ!なあ!なあ!なあ!なあ!なあ! あああ!あああ! 俺は!俺は!先生がいないこの世界なんて!!俺は嫌だ!!!! 俺の事を救ってくれるはずの存在なのに!!俺は!俺を救ってくれるのは先生だけしかいないっていうのに! どうして!なんで!!先生はどこに行ってしまったんだ! どうして!! 」

そう言いながら俺は泣いてしまった。涙は枯れる事が無いように。

この城では毎日のように誰かが戦っている。俺はこの国の勇者としてここに召喚された。そしてこの国を、俺の世界を守る為に戦う日々が始まった。最初はこの世界に呼び出されたことには不満を持っていた。俺は元の世界に帰りたかった。けれど。そんな俺の望みも今は消えてしまった 俺は戦う為に、強くなる為に。俺自身の成長の為、そして俺自身の大切な人たちを守る為に戦い続ける事になったのだが、そんな俺は、俺の心が弱かった所為なのか、それともただの偶然だったのだろうか。それを確かめる事も出来ないままに終わってしまう それは突然の出来事だった 俺がその本を手にした瞬間。まるでこの本に吸い込まれるような感覚に襲われて、俺はその本の中に入り込むような、本に引きずりこまれるような。そして、俺が意識を取り戻した瞬間、俺の手の中にはこの本が残っていただけだった 俺の手の中にある本には文字は書いていない。俺の手の中の本には題名も無いし、そしてこの本には表紙は無い しかし、俺はその本を開いてみようとしたのだが開かない。だがそれでも俺はその本を読むことが出来て、その本の中に入っていき、その本の中にある記憶を見れた。そしてその本は日記の様な物でもあった

『私は今この世界の中で起きている争いをどうにかしたいと思ってる。

私だって平和に暮らしたいと願っているの。だけど、そう思っているはずなのに。そう思いたくないのに私には戦う力はあるのに。私はこの世界を守る為に戦う事はしない。

この国は、勇者である彼に頼っているだけ。彼は、確かに勇者としての素質は持っているかもしれないけど。それでも彼の強さはこの世界の人間には到底及ばないくらいの強さなの でも私は彼が強いからといって、この国の人に任せっきりにはできない この国の王様には話をつけないといけないのに、この人は全く動いてくれない 私が何を言ったとしても聞く耳を持ってくれない このままじゃ。本当に取り返しのつかない事になってしまうかもしれないのに でもこの国には勇者は必要で。

この世界に勇者は一人しか存在してはいけないのに。だから勇者である彼を私はこの国に縛ってしまっている。それが間違いだという事に気付けていない。でも。でも私はやっぱり自分の願いを叶えたい 私の願いの為にはどうしても勇者の力が必要 だから私は彼を利用して、彼と契約を結ぶ。私が契約の内容を考えれば、私が望んでいる事が叶うかもしれない。だからお願い 私はこれから私のせいで苦しむ事になってしまったこの国を救う為に。この国の人をこれ以上傷つけたくはない だから。私は、今すぐに貴方と契約を結ばせて頂戴。この世界が貴方の力で救えるというなら。どうか貴方が持っている力で、この世界をお救い下さい。

私と貴方と貴方の大切な人。それと貴方の大切な人を奪った人。それに貴方に迷惑をかけ続けている人達の為に 私達は今貴方の大切な人達を殺した者を倒すために動いているの。だから私はその人と戦う事を決意した。だから私は、私は私と貴方の契約に従ってこの世界の全てを敵に回してでもその人の元へ向かう。貴方の大事な人達は全員貴方の元へ行く事が出来なくなるでしょうけど。私はこの国の為になる事をしているのです。私達が負けてしまえば全ては水の泡となってしまうのです。貴方が私達を助けに来てくれて私達は貴方を貴方の大切な人の元へ連れて行く事ができるのよ だから私達の事を見ていて欲しいの 私が私の願いを叶えられるように』

そして俺の前に現れた女性は、彼女と契約した時に現れた女性が身につけていたものと同じデザインのペンダントを手渡してきていて、俺はそれを渡された

「私からの貴方への報酬。そしてこれは私の契約者の証。私と貴方が一緒にいたという証明。私はこの国の王女として。貴方と契約を交わさなければいけない だから貴方に私との取引に応じて貰います そして貴方に取引を持ちかけた私に対して、貴方には取引の対価として私と共に、私の目的に協力してもらいます いいですか?」

俺はその女性の提案に、俺の返事に彼女は

『ありがとうございます それではよろしくお願いしますね私の使い魔のご主人様になってくださいね?』

そう言って、そして俺の額に口づけを落としてきた 俺はそれからしばらく、城の地下にある牢に閉じ込められていた。俺が閉じ込められている地下の牢は特別製で、俺がどんな事をした所で簡単に破壊する事など出来そうもない代物だった。

俺が目を覚ました時は。すでにあの日、本に引きずり込まれた時から一週間が経っていて、俺はこの国の姫と取引をしてしまったという事で、俺はこの国に逆らわない様に、この国を守れという指示に従う様に、俺がこの国の人達を傷つけたらいけないと言われた

「先生が居なくなって、俺はこの国の人達を守る意味なんて無いと思った。俺は俺が守りたかったものは先生だけだったから 俺は先生さえ居てくれたらそれで良かったのに。先生が居ないなら、俺はもう何もしたくない もうどうなったって良いんだ」

俺はそんな独り言を言いながらも、俺をここに入れた奴らに命令されているから仕方が無く俺は毎日のように戦っている。そして今日も、俺はこの国の王を殺すための準備をしている最中だった。この城の宝物庫で俺は、この国の国宝である宝具を盗み出す予定だ。俺をこんな目に遭わせたあいつらは殺すつもりだ。だから俺は、まずはあいつらを始末して、そしてこの国を壊すつもりで居る。そしてこの国から逃げ出したあとに、俺はまた先生を捜しに行こうと思う。俺はこの国の人達を守りたくなんてないし、もう守る意味すら見出せない この国の人達は、もうどうしようもなく狂っていると、もう。俺の手に負えない状態になっているから。この国がこの国のままでいたければ、この国の王族を殺して終わりにしてもいい。俺はもう先生が帰ってこないというなら。この国なんて。俺が何をしようと勝手な筈だから 俺に命令してくるやつらが言うには、王はこの国の一番高い塔に監禁されていて、そいつを殺しに行くついでに、その王の首を俺が持っていく必要がある。俺はこの城の中でも結構上の立場の奴に変装する為のアイテムを手に入れている。俺がそのアイテムを手に入れた時。それはとても簡単な仕事で済んでしまった。そして俺は。そのまま何の問題も無くその仕事を終えた後に。この国で俺が欲しい物を探り出した後に。俺は俺自身の手でこの城を終わらせてしまおうと思っている。この城はもう俺の手の中に有るようなものだから、後はこの国を終わらせる為だけに行動すれば良いだけなんだ だからもう。この国は俺の思う通りに動くしかない 俺は先生に会いたい 先生が、俺を、愛してくれていたのか分からないけれど。それでも俺はもう一度先生と話をしたいんだ 先生の口から本当の気持ちを聞きたい そして俺が先生と一緒に過ごすはずだった時間を取り戻せたなら、俺は きっと、この国を滅ぼしたくなるんだろう 俺は俺自身を止める事は出来ない 俺自身が俺を俺の意思を曲げる事は出来ないんだ。だって俺は、こんな風に俺がなっている理由を俺が忘れる事なんてあり得ないんだから 俺にとって、世界は、俺は。たった一つの場所以外必要じゃない。俺は俺だけの事を考えていればよかった。俺は俺の為に生きるべきだった。俺は、俺以外の存在に興味なんて無くなっていたのに。どうしてこうなってしまったのだろう?どうしてこんなことになってしまったのだろうか そして俺は今日も俺の為に、俺の目的のために、その為の行動をする。そしてそれはすぐに終わる

「貴方にはこの国に喧嘩を売った罰として私について来て頂きましょうか」

そんな事を言いながら彼女は、彼女、この国の王女である彼女と契約をして。その王女の契約者として契約を行った 彼女が望む世界を救う旅はこれからが始まりとなる 勇者と呼ばれた青年は、その身に魔王と呼ばれる強大な力を持っていて、勇者は世界を混沌へと導こうとする存在だとこの世界の誰もがそう思い込んでしまっていた そして人々は魔王に怯え、この世界は魔王という災厄の渦に巻き込まれる運命を辿るのだと思われていたのだが、実際に魔王が現れた訳ではなくただの勘違いであり。人々の考えすぎであった。ただただ平和な時間が流れているだけであった。だがしかしそれでも世界は平和になり。人々は安心した生活をおくれるようになった そして、勇者は自分が本当に正しい存在であったのかを確かめる為に旅を続けていた。そしてある日彼は、とある小さな村の近くにある森にて。一人の少女と出会い、彼女の心を知ることになる 彼女は自分の事を化け物だと言い。彼女は自分は人間ではないと言っており。彼女は人間に傷つけられ、人間によって迫害され続け、それでもなお。自分を迫害し続けた者達の事を愛し続けて、彼女は生きていた そして彼はこの出会いにより、自分こそが人間を守る事が出来る唯一の存在であると思い込む事になる 彼の目的である人間を守るために。人間達と分かり合う事を目標にしていた彼の目標を叶える為には、彼女はどうしても必要な人間であって、彼が人間を守るには、彼と同じ存在は絶対に必要であると思っていた そして彼の目標は叶う事は無かった。彼と彼女の前に姿を現したのは彼女を苦しめた人間の男であると彼は思い込んだままで、彼と彼女は対峙してしまい。彼が勇者と呼ばれてからの初めての戦いを行う事になった。戦いが始まると同時に彼は彼女を追い詰めていく そして戦いは終わった。「お前をここで殺せばこの国は救われる。この国は救わなければいけないんだ だから、だから頼む。俺を行かせてくれ。俺が、この国を。先生を、皆を救うんだ。俺はそのためにこの力を授かった。先生を取り戻す為に、俺の力が必要だと言うなら、だから俺がこの国を救ってみせる。先生を救い出してくる」

そして彼女は言った 私の為に戦う貴方の力に私もなりたい 私は貴方の力になりたい 私は貴方の支えになりたい貴方が私の事を覚えていないとしても、私は貴方の事が大好きで、貴方の側に居られれば、それだけで私は幸せになれるんです 〜〜side〜〜end

『私には、この世界を変える使命がある。だから貴方にこの世界の全てを任せます。貴方の思うがままに、私達の目的を果たすために、私と契約を結びませんか?』

真護君を、貴方に託せる。貴方ならば、私の大切な人を取り戻してくれる。真護君は貴方が助けたあの人と同じように優しい人だと思う。私と同じ様に大切な人を誰よりも大事にしている人だから。私にとってはそんなに悪い人に見えなくても、この人は私と同じような、いえ。私以上に壊れてしまっているのかもしれないわね。私と似たような状況になっていればそうなるのは当然でしょうけど。

私はもう私じゃなくなるから だから私は貴方に私の命を委ねる事にするわ 貴方ならきっと私の目的を成し遂げられるでしょうから』

そして俺は、俺の命は、彼女に預ける。俺はこの世界に復讐をしに来たんだ。でも、その俺をこの国の人々は理解してくれない この国は腐りきっているから、そして俺が俺の願いを達成するのに、この国の人々を利用する事は許されない だからこそ、俺は俺の為だけの為に行動しなければならないんだ だからこの国には、俺に復讐の機会を与えてもらう為にも、この国の人達にこの国を潰す事に同意してもらう必要がある この国を滅ぼす。その意思を持つ者が俺の他にもいるのだから

『貴方にはこの国の王を殺して貰います。王を殺した時に貴方は英雄になるのです さぁ行きなさい この国の人々に、貴方の力を示すのです この国の民を救うために。

この国の王を倒すために。貴方の力でこの国の人達を正気に戻すのよ そして私が王になった時は、この国に住む人々全てを、貴方に任せます ですからどうか、王を殺してきて下さい お願いしますね?』

俺はその言葉を聞いていた だからその言葉を聞いた俺は

「俺が、俺の願いが果たされた時。その時俺はこの国の人達を俺の国に連れて行こうと思う。俺の仲間にして欲しいと思う。俺を仲間に入れて欲しい」俺はそんなことを口にしてしまった。俺の言葉が信じられなかったから。俺は俺の目的を果たしたいと思ったんだ

「私の名前はルシア 私は今はまだ名乗れそうにもありません。そして私と契約して頂けますでしょうか?そうしなければこの先。この国を救うなんて出来はしないと思います」そして俺に彼女はそう言ってきた そして俺は、彼女と契約を交わし、彼女と共に行動する事にした。そして俺はこの国で起きている問題を知りたいと願った この国の王は悪政を行っている。この国の国民達が苦しんでいる それを知った俺は王を討つべく行動を開始した そして俺はこの国を変えようと思ったんだ。俺の目的は、俺の先生を取り戻す事で、その為にこの国の問題を解決する必要がある その為に俺は。まずはこの国の人々を、そしてこの国の王をどうにかしよう この国の人々の意識を変えて、この国の王の意識を変える。まずはそれが最優先なんだ。だから俺と、彼女が動き始める この国の問題は根深いもので。俺はまずはこの国の王と対面することになった。そしてそこで。俺はこの国の女王に頼まれていた仕事をこなしつつ俺はこの城の中の資料庫に侵入していた そこにはこの国の王について記されている物がたくさん存在していた

「これは俺にとって都合が良いな」俺はこの国の王についての情報を得ることができたので早速行動をしようと思う。そしてこの国では奴隷制度が存在する為。奴隷商から買った方が早く情報を手に入れられたのではないかと思っていた そして俺と彼女がこの国から脱出し。この国を出たところで

「私は、この国に居る必要が無くなってしまいました。なので、私はこの国から出る方法を探してみる事にしましょう。それとこの国の王に一泡吹かせてあげなければなりませんよね?ふっ、はははは。本当に私らしくないな。こんな風に考える事しか出来ないなんて、私らしいといえば、私らしかったのかもしれないけれど」彼女はそう言い。俺について行くと言ってくれた そして俺達はこの国の外へと出て、他の国に入国する前に。俺は彼女の力を使う事にする

「俺の名は真悟。この世界を、この国の人々の心を。俺は取り戻してみせる」俺は俺の事を勇者と呼んでくれている彼女に。彼女だけは俺の事を、名前で呼んでくれていたから。

そして彼女の力を発動させた瞬間に。俺は、彼女の中に、俺の中に存在する力に気づいた そして俺は彼女の事を抱きしめてしまった。そして俺の身体が熱くなっていく 俺はこの感情を知らない ただ、俺は彼女の事を愛したくなってしまった そして俺はこの気持ちを止めることが出来なくなってしまった。そして俺はこの気持ちに身を任せる事にして そして俺の口が勝手に動いていく「好きだ 君の事が好きなんだ。愛してる。俺と一緒になってくれ」そして彼女の顔を見ると彼女の表情はとても驚いたものになっていて。そして彼女の心は動揺していて。そのせいで俺の力が上手く使えなくなってしまっているみたいだ そして俺と彼女の周りに光の粒子のようなものが集まり始めてきたのだった 俺は彼女とこの世界で生きていこうと思う 彼女と過ごす時間こそが俺が望んだものだから。だから俺の側にいて この世界に召喚されてから3年程経過したが、その間は色々とあったが、概ね順調に日々を過ごすことができていたのだが。ある日突然俺は自分の部屋に転移させられて。俺は目の前に現れた人物を見て そして俺はこの世界の魔王である彼女に、この世界は救われたのだから、この世界を貴方に託したいと言われた。俺にはその意図がよく分からなかったので質問をすることにした この世界は救われたとはどういう意味なのかと 彼女は、俺を救えなかった事がこの世界が救われた事になる理由だと そして俺は。彼女の言葉を聞いて、どうして自分が救えたはずなのに救う事が出来なかったと悔やむ事すら出来ず。ただ自分が出来る精一杯の努力を行うだけで、自分がやった行為に対して、後悔することが無いのなら。この世界に居続けるべきなんじゃないのかと思ってしまった。そして俺にはまだやる事がある。俺はこの世界の為に生きなければならないので。そして、まだ、この世界の全てを救ったわけではないのだ。この世界にまだ残っている問題が多すぎるから そして彼女から話を聞く限り。俺はどうすればこの世界の全ての人を救えるのだろうと考えながら、とりあえずは、目の前にいるこの少女がなぜ俺をこの世界に呼び込んだのかという疑問を解決するために、彼女に協力を仰ぐことにする。この世界の平和をこの世界に住む人々に取り戻してもらうために。そして俺はこの世界で何が起きているかを確認するためにこの国の中を探索する事にする。すると俺は、とある建物を発見してその建物の扉を開ける

「いらっしゃいませー」という声が聞こえてきた。そして俺は店の中に入ると店員らしき人がいるのを確認したのでその女性に 貴方はこの店の店長ですかと尋ねてみた。女性は俺の問いかけに対し肯定の返事をしたので、俺はこの店が何を取り扱っているか教えてほしいと頼む そして俺の言葉を受けて女性が

「ここは、お嬢様がお好きなお紅茶を扱っている店舗になります。他にもお食事処など。この店は様々な施設を兼ね備えていますので、この国の観光名所にもなっていますね。あと、お客さんは何かこの国の方ではないですね。もしかしたら勇者殿とかですか?」

そんな言葉を耳にしながら 俺は目の前の女性の容姿を観察していく この女性の名前はソフィア この店で働いている人でこの国の王女の側近の1人でもある。そしてこの女性の能力は、俺の持つチートと同じ物を所持していると判明した そして俺がソフィアの瞳を見つめていると「私に興味があるのかな〜?」なんて言ってきたので、俺はその言葉を否定しておく「あ、そうなんですね〜。なんか残念〜」なんて口にしているソフィアに俺は、この店は、俺が元いた世界でいう喫茶店みたいな感じの場所なのだと把握した この国は他国と比べてかなり裕福な部類に入り、そして俺の暮らしていた日本よりも食文化は発展していた だからこそ俺は、目の前で接客をしてくれているこの人がどんな食べ物を作っているのかが気になってしまったので注文をしてみようと思った。そして俺に話しかけてきてくれたソフィアの話を適当に聞き流しつつ。そして俺は料理が出来上がるまで待ち続けていると

「お待たせしました」そう言った後。俺に出来上がったばかりの料理を出してくれた。見た目から察するに。おそらくだが、サンドイッチの様な物を想像させるものだった。俺は出されたそれを手に取り口へと運んでいった。俺はそれを口に含み、味を確かめる。この世界にも俺の元いた世界に存在していた調味料が存在している為、それを使って味付けをしている事は予想がついた。なので俺が作ったサンドイッチとの違いを俺は確かめるために、この国独自の調味料を使用して作られているこのサンドウィッチに舌鼓を打つことにした。

やはり、美味いな この世界の技術力も相当なものなんだが、それ以上にこの国の人々のレベルは高いのだろうなと思う そして俺が食事を楽しんでいると 俺をこの国に呼び出した本人と思われる人物が 俺の前に姿を現していた。「あら?貴方は一体誰なのかしら?見ない顔ね。私は貴方の事を知らないのだけれど。私の従者でもないし、まぁ、貴方の格好は平民ではなさそうだし、貴族かしら?どちらにせよ。私は忙しいから用事がないのなら帰ってくれない?」俺の前で偉そうな態度で俺のことを見下してくるこの少女 俺は彼女の言動に怒りを感じながらも俺は彼女を落ち着かせるように彼女の頭を撫でる

「私にそういうことしない方がいいわよ。私だって一応王族だから、そんな事をされるような立場の人間じゃ無いのだから。

それなのに、私をこんな子供扱いして、馬鹿にしてるの!? 貴方って結構酷い男なのかもしれないけど、そんなことされると。許さないんだから! いい加減離しなさい!」俺はこの子が少し面倒臭い性格の持ち主だという事に気づいたので、俺は彼女の頭から手を離すと「貴方は私が誰なのか知りたいみたいだから教えてあげる。私はこの国の王でこの国の頂点に立つ者よ」

俺の目が確かなら、今彼女は俺がこの国の頂点だと名乗った気がした。俺の記憶が正しければこの国で一番強い人間は王では無かったはずだ。そしてこの子はまだ俺と同い年ぐらいにしか見えないし、俺の事を上から目線で接してきたから、俺は彼女に対する好感度がマイナスにまで下がったのだが、俺はその事を隠すことなく伝える事にした

「ふぅん、貴方。この国の王様に無礼な口を叩くなんて、死ぬ覚悟はあるんでしょうね?」

そして彼女は俺を殺す気なのだろうか。その言葉を放ったと同時に彼女の周囲に炎の球が複数現れたので俺はその光景を見ただけで理解できた。この子の実力はこの世界でかなり高い位置に存在しているのだと そして俺はこの女の子と戦うつもりは無いので俺はとりあえず、その場から移動しようと思い

「待て」彼女の背後に移動して、俺は彼女に囁く。

そして俺は俺がこの世界に存在する人達の為にこの世界の問題を解決したいと思っていると彼女に伝えた 俺が彼女に伝えると彼女は驚いた表情をしながら俺の顔をジッと見つめている そして彼女は、自分の事をこの国の姫君だと思い込んでいるらしく、この国の王である自分に歯向かうという行為に対して恐怖を抱いているようだ。

俺にはそんな事関係が無いのだが

「さっきの言葉は嘘偽りの無い言葉なのかしら?」

俺はこの世界を救う為に行動するだけだ その為なら俺は手段を選ばない

「わかったわ。貴女のその行動力と勇気を称えましょう。その意思を尊重します」

そして彼女がこの場から姿を消した。

俺はこの国の国王である彼女に会う事が出来た この国の王であり、俺を呼び出した張本人の彼女は 先程俺に向かって放った魔法の詠唱を行い、そして俺は彼女の放つ火の玉に呑み込まれてしまった 俺は、あの子の放つ火属性の上級攻撃スキルを受けてしまったが 俺の防御力は異常な程までに上昇しているため 俺は無傷だった そして俺が無傷だと知るや否や、また同じ攻撃を仕掛けて来たので俺は この子は俺をどうにかしようとしているんだと思う だけど俺に敵意はないし。そもそもの話。俺の目的はこの世界を救うためにあるのだから。そして俺はこの世界の現状をある程度確認する事が出来たので、後は、俺自身がどれだけ強くなれるかによってこの世界の脅威を払いのけることが出来るのかどうかが決まるわけだ

「貴方。本当に人間なのかしら?」俺が無傷だということを目の当たりにさせられたことで彼女は動揺を隠しきれなくなっている。だから俺はこの国の王様である彼女に。この世界は何故こうなったのかを尋ねた すると彼女は俺の言葉を聞いて、この世界に起こっている問題を説明し始めた この国の周辺には多数のダンジョンが存在する そのダンジョンは魔族の領域と隣接しており。そしてこの国は、魔王軍がいつ襲ってくるのかわからない状況にずっと晒されているのだという。そして彼女はこの世界の平和を守るために、そして自分を守ってくれた大切な人々を守るための力を欲した。その願いに応えるかのように、彼女の前に一冊の本が現われたらしい そして彼女はその本に手を伸ばすと光り輝いて消えてなくなってしまったので、彼女は不思議に思った だがその現象については考えるだけ無駄だと悟ってしまった。なぜならその出来事は現実に起きているのだから 俺の目の前に現れたのは間違いなく、この国の王が求めているであろう書物であったからだ 俺はこの世界を救う為ならば、彼女の願いを叶えてあげようと思い。俺の持っていた全財産を彼女に提供した。

そして彼女はこの世界を守る為の力が欲しいと言ってきた だから俺は彼女に俺が使えるチートを1つずつ説明していった。

俺が話を終える頃にはこの世界最強の人物になるのに、十分な量の経験値を手に入れていたので俺は 彼女の願いを叶える事にした。まず俺が一番最初に手に取った力は、あらゆる物を作る事が出来る力だ。俺はそれをこの国を覆う結界を作れるように作り変える そして俺は結界を作り変え終えた後に、次にこの世界の文化レベルを確認するために 様々なアイテムを作り出しては収納を繰り返し。様々なものを作り上げていくと 俺はある一つの疑問が生まれたので。

俺はこの世界の文明について、調べる必要が出てきた。

そして俺は俺の作り出したチートの能力を使ってこの世界の人々のレベルを引き上げる為に俺はチートを発動させていった。俺の目の前で次々に人々が倒れていき。最終的には全員俺の力で生き返らせると 俺はこの世界の住人達から。俺は神の如き能力を所持している神と認識されるようになった。そして俺の目の前で、俺は神だという認識をしてしまった者達を。この世界を救う為に必要な力として、俺の魂に刻み込むことにした。そして俺の持つ全ての力を使った結果、俺は俺が扱える全てのスキルを使用することが可能となり。俺は俺の事をこの世界を救えるだけの力を秘めていると判断した。

だから俺はこの世界の人間から信仰される存在となってしまったのだ。

だが俺は。俺自身は別にこの世界の人間達の味方という訳ではなく。ただ俺は、俺の目的のために行動しているだけである。

だから俺は、この世界が救われようとどうでもいい 俺の目的はこの世界の人を助けられるのなら 助けたいと思えてしまうほど俺はお人好しなのだから。

俺は俺に助けを求めてきた少女 名前はソフィア 俺と同じ年齢に見える 見た目は、身長が低くて 幼い感じの子だ だがその見た目に反してこの子の持っている 魔力量は異常だった この子の実力なら。

俺のステータスよりも圧倒的に高いのではないだろうか? この子もおそらく俺と似たような 異世界から来たのだろうなと俺は思うのであった この世界に来て、俺が目にしたのは。

絶望の淵に追い込まれている。

この国の人々の顔ばかりだった 俺は、そんな人達を見る度に心を痛めていた 俺にはこの国の王様 つまりは この世界の救世主 と呼ばれている人が。俺の事をこの国の人々の前から 隠し通してくれたおかげで この国が今、何が起きているのか? 俺には理解できないが。俺は 俺のできる事を。この国の人々の為 この国の人々の為に、全力で頑張ることに決めた そして、俺の前にいる女の子に俺の気持ちを伝える事にした。この子が一体俺の事をどのように思っていようが。

それはこの子の問題で。俺は俺ができることをするだけだ

「なあ。俺に何か手伝える事があったら言ってくれよ。俺にできる事ならどんな事でも協力するからさ」俺は目の前にいる小さな女の子に向かって言った。すると少女はこの国の王様から この国の人々を救ってほしいと言われて、困っていた。なので、俺はとりあえず。

俺は俺の力の限界を超えるまで この世界の人々に俺が出来ることを全てやるそう決意を固めた この世界は、俺にとって。俺自身の記憶を取り戻す為の唯一の手がかりであるのだと 俺は俺の記憶を失っているが 俺がこの世界を救うことで 俺自身に関する謎を知ることが出来るのではないかと 俺は俺にそう問いかけながら 俺は俺の出来ることをこなしていくのであった この国の王様が言うには 今この国に蔓延している流行病は。かなり厄介なもので。

薬などの対策で治す事は出来ず。

症状の進行を抑えつつ、体力や免疫などを高めて。徐々に回復していくしかない病気らしい。だから王様は自分の娘の体を酷使し、自分の代わりにこの国の民を救うために行動させているんだとか だけど俺は正直なところこの子を見殺しにする事はできないのだから 俺には彼女の事を死なせる事ができないんだから

「貴方が、私を助けてくれようとしたの?」俺は自分の行動に疑問を抱きつつも

「ああ」俺は自分の考えを伝えようとすると。俺に質問してきた女の子がいきなり涙を流し始めた 俺は、俺が涙を零してる女の子に近づいて頭を撫でてあげようと思ったのだが

「ありがとう。貴方のおかげで私の命が繋がったの」

俺が女の子に話しかけて。頭に触れてあげると

「貴方はやっぱり神様なんだね。私の願いを、私のお願いを聞いてくれたもん。それに。私を殺さなかったもの、貴方がこの世界に来る前は普通の学生さんをしていたって。この世界でそんなの嘘だよ、絶対にありえないもん。だって。私がこの世界に召喚されたのはこの世界が始まってから初めての事なんだもん。だからきっと。貴女の本当の目的は違う事なんだと思うけど。貴女はその目的を果たした後は、また元の日常に戻る為に、旅をしてまわるんでしょう?」俺は彼女の言葉を遮るように

「ちょっと待ってくれ、俺は君の考えているような大層な人間じゃないんだ、だから俺の事については君には関係ないことだからさ」俺は、彼女の事を少しだけ落ち着かせてから、彼女の体の状態を確認することにした

「うーん。これはまずいな。この子は、相当体に無理させて頑張ったんだな」俺は目の前で意識を失おうとしている彼女に対して。俺はこの子に回復系のチートを使用してみることにする するとこの子の体が淡く光り始めた。そして俺は。この子の状態を俺の力で癒したんだ

「君は、凄いんですね。まだ若いというのにこんなに強いなんて。それに貴方からは今までに出会った事のない程の強い波動を感じます。ですがどうしてでしょうか。この感覚は懐かしいと思えるのです。私は、あなたとは今日出会ったばかりなのに」

そして彼女は俺に向かって

「どうかこの国を、私の娘を、この国の民たちを守って下さい、そして貴方は私たちにとって、かけがえの無い方だと思います。貴方のお名前を教えて頂けないですか?」俺は王様の問いに答えるべく、自己紹介を始めた そして俺はこの世界に俺が来た時の状況を説明して この世界に危機が迫っている事を王様に告げて、そして俺がこの世界に呼ばれてしまったのは、この世界の人たちを救うためであって、俺の意思でここに来たわけでは無いということを 伝えた そして、俺はこの世界の問題を解決した後 元の世界に戻る方法を探すつもりだという事も すると王様はとても残念そうな顔をしながら それでもこの世界の問題を救ってほしいと懇願してきたので 俺は俺に出来る事をやって行こうと思っているということを伝えた そして俺は、目の前で倒れて寝込んでいる女の子を見て この子をこのままにしておくことは俺には難しいから 俺はこの女の子が目を覚ました時に。俺がこの世界の人々を守れるだけの力が手に入ったことを確認してから、この子が起きるのを待つことにした そして俺はこの国の人々を救う事を決意した

「お前、俺の事を本当に神様か何かだと思ってないのか?まあ、俺は俺の目的のために行動しているだけなんだけどさ。それよりも。俺はこの国の王様と話をした。この国を襲っている流行病の原因を突き止めたい。王様の話によると、この国はもう限界が近いみたいだ。だからこそ、俺は俺の目的を果たす為にも、この国を何とかしたいんだ。そのために俺はこの世界を旅しようと思う」俺はそう言うとその話にソフィアと名乗る少女はとても悲し気な表情を浮かべたが、ソフィアちゃんは優しい笑みをこぼしながら俺にお礼を言いながら 俺はソフィアという名前を聞いた時に、ある少女の名前が脳裏に浮かんできたが、俺はあえてその少女の名前を聞くのをやめた。

何故ならその少女がこの世界に存在するはずがないからだ でももしこの世界が存在するとしたら? いやいやまてよ、この世界の状況を考えれば俺のこの世界における知識は、あてにはならないんだよなだが俺の知っている限りでは、あの子もこの世界にいるのならば、この世界をどうにかしなければ俺は元の世界に帰る事が出来ないということになるのか?だがそんなことを考えていても。結局はこの世界が救えないことには何も始まらないんだ。俺は、この国を救わなければならないんだ。それが例え、俺のこの手で。どれだけ残酷な結末になろうとも この国の人々を救う 俺には俺のやり方があるはずだから

「なぁ、俺のステータスを覗いてくれるかな?」俺はソフィアというこの世界の少女にステータスを見てもらうことにした そして、ソフィアというこの国の王女様から。俺は自分のステータスを覗き見た。俺は自分の今の実力を確認しようとステータスを確認したのだが

「あれ?なんかおかしくないか? 俺はこのステータスが正常であるなら、この世界に来てから。このステータスに何かしらの補正がかかるのではないだろうかと考えていたのだが。

だが、ソフィアという女の子は ソフィア「ごめんなさい。私にはまだ、貴方のステータスが見えないの、もしかしたら私では分からないほど。貴男のステータスは高すぎるのかもしれない。でも貴方のその実力は確かなものだと思う。だから貴方の力を疑ったりはしない。でも貴方の実力だけではどうしようも出来ないこともある、だからこそ。この国の人々の力が必要になると思うの」

俺の予想に反して、どうやらこの国の人々には俺の本当のステータスが認識されていないようで、しかも、どうやらこの国の人達の魔力はそこまで高くないようだ だけど この子のステータスを見れたおかげで 俺はこの国を救う事が出来るだけの力を手に入れることができたんだ そして俺にこの国の人々を救える力が備わっていることを確認した上で。

この子の父親から依頼されている内容を遂行する為に 俺が俺の力を使う為の準備を始めようと思っていたんだ

「この世界の人たちを俺の力だけで救いたいんだ。でもそれは無理だと分かっている。この国の王様に俺はこう言われた。俺は俺にできることをこの国の人々に尽くすと決めたんだ。だから俺は俺にできる最善を尽くしてこの国の人々の役に立てるようにするよ」

俺は俺の力を使って 俺は俺にしかできないことをやるんだ

「うん、わかった。この国の人々が救われる事は私の願いでもあるから。私は貴方に着いて行きます。だから。この国の人を救うために私に着いてきてくれない?」俺は、この国の人の事を俺が助けたいと伝える前にこの子が俺の事を頼ってきたから

「ああ。この国の人たちを救おう。そして俺の使命の為に俺は動く。この国の王様が言うには。この国の人たちを救う為に必要なのは俺自身の強さでは無くて、俺の仲間の戦力が必要みたいなんだ。だから俺は。仲間集めをする為に。俺に協力してくれないか」俺は俺自身の考えで この国の人々を救っていこうと決めたんだ

「私には、この国の民たちの苦しみを取り除く為の知識はないけど。この国の人たちを苦しめる悪い病気や現象の解決方法はわかる。この国の王から教えて貰った。そして。貴男には、この国の民たちが持っている特別な加護が宿る可能性がある。この力は貴方にとってとても大きな意味を持つ事になる。でも、その力は。この国に蔓延している呪いによって封じられていて。貴方の力でもその呪いを解くことはできないんだ。貴方が、貴男の願いを達成するためには。この国の人々を救うことが大前提になる。そして私は貴方と出会ってしまったの。私が貴方と一緒に行動する理由はそれだけで十分なの」

「ああ。この国の民達を助ける為に協力してもらえるか?」俺は、目の前で泣いている女の子に手を差し伸べた。そして俺の手を取った女の子の事を俺はこの国の王がいる所へと連れて行く事を決めたんだ そして俺は、目の前で泣きじゃくっている少女を連れて王様に会いに行く事にしたんだ。俺はこの子について行く為に。まずはこの子のお父さんからの依頼を終わらせる必要があると思った 俺の名前は

『神』

俺は俺がこの世界でやることが決まったんだだから俺は俺の願いを叶える為に この世界に蔓延る全ての理不尽を打ち破るために まずはこの世界で生きる人間として、俺に出来る事をしていこうと思うんだ そして俺は 王様に頼み事をするべく 俺はこの国の中で俺の事を知っている人物を呼び出してもらい 俺はその人たちを城の中に呼んだんだ

「お前たち、今からお前たちに。お前たちを呼び出した理由についての説明を行う。心して聞くように。お前たちを呼び出した理由、この国の未来を決める重要な問題が発生したからだ。お前たちは知っているはずだが、最近この国を悩ませていた流行病は。原因が特定された事で対処が可能になりつつある。しかし、それはあくまで、お前たちの持つ特別な力でだ。お前たちの中にその力を正しく理解している者はほとんど居ないだろう、そしてその事が原因で。現在この国は大きな問題に直面している。」

そして俺は、俺のことをこの城の中に置いてくれると約束してくれた少女の事を この国の王の前に連れて来た 俺は王様に俺の目的とこの国の人々をどのようにして救いたいかを伝える為に、王様の前に少女を連れて来たん 王様「おお!これはなんということだ。もしかするとこの方ならば、我が娘を救い出してくれるかもしれない、私はこの方にお願いしたいと思います。そして私は彼と共に、私の娘の命の恩人である彼には、彼の目的を果たすための力を授けなければなりません。そしてその力を得るのは恐らくこの場では不可能でしょう。ですので彼は私の元で暫くの間過ごすことを許可しようと思います。

それと、私は娘の身内以外信用しないことにしていますので、申し訳ありませんが。私は貴男が何者であるか知るまでは彼を信用する事ができませんでした。そして、貴男の素性と、これから何をなさんとしているのか、その話を聞かねばなりませんでした。

しかし、今回の出来事のおかげで、貴男の実力は、私がこの国のために戦うために必要な実力を持っている事は分かりましたので、この城に滞在するための部屋を与えようと思っています。そしてもし、この城を出たいという場合には。城の外を歩いていたメイドに言えば案内させるので遠慮なく言って下さい。ただ、あまり目立つような行動をすることは止めて頂きたいのですが。この国の者達が混乱するので。まあ、それはさておき。貴女も、この国の王族としての責任を果たしてください。それが貴女の役目なのですからね。それに、貴女の身に何が起きているかを知らずに放置するのは私の本意ではありませんので」

俺にはよく分からなかったが、少女は何故か涙を流し始めた。一体どうしてしまったんだろうか?そして俺は王様の話を聞き、俺がここに来た本当の目的を果たすために王様の話を聞いた後に、俺はこの場にいた全員に俺の能力がどういうものであるのかを説明する事にしたんだ。

俺は俺自身のステータスをみんなに見せる為に、俺は自分の能力を見せびらかす為に自分の能力を公開する事にした。

そして俺は自分のステータスを見せた後、王様に、俺には俺の力では出来ない事もあるということを伝え 俺には、この国を襲っている流行病の原因をつき止めることが出来る力が備わっているんだ。

俺の能力は"神の眼差しを持つ者(ゴッドサイト)"というものらしい。そして俺は、この世界の人達のステータスを見る力もあるらしくて 俺は神様の力を借りることで、この国を蝕む原因を突き止めて、この国を救えるように努力していく。そして俺の仲間にこの国の人達の呪いの力を解除する方法を教えるつもりなんだ。俺がこの世界を救ってやるよ!!そして俺は この世界を救うために俺の力を捧げるよ 俺が、王様の前で、自分の力について説明すると。王様が、俺に

「私達は貴男がこの国に対してどんなことを成そうとしているのかを知ることが出来れば。私はそれで十分だ。この国の民が、この国の王子を救ったという事実があれば 私はもう貴男の言葉に、疑問を抱くことはしないだろう。

そしてこの国の民を救うことができるなら。私もこの命をかけてでも貴男に協力する事を誓いましょう。」と言ってくれた 俺はこの人の優しさに触れて。この人に協力をしてあげなきゃなって思ったんだ 俺がこの国の王様の人柄に触れた時、俺は王様との会話が終わった後。王様の一人娘と王様が話をしている時に、この王様の一人娘がこの国の王女様である事を教えてくれた。

そして俺は、俺はこの国の王女であるアリシア様の友達になったんだ。そして、王様に俺が王様の娘と仲良くなったのを見て 王様が「貴方も、貴方の力に自信を持ったようですね。この国の人達は、あなたに期待を寄せている。そして貴方は、この国の為に全力を尽くす事を約束してくれていますから安心していいのですよ。貴方の使命とは関係無しに、この国の民の為を思うならば貴方がやりたいと思うことを行ってください。」と 俺は王様が俺を褒めてくれた言葉に、俺は、俺が王様の目の前で王様と王様の一人娘に宣言したことは俺がやり遂げなければいけないと思った そして俺は

「王様に一つ質問があるんですが。この国を蝕んでいる病気について教えて欲しい。そしてその症状を抑える為に必要な薬や治療方法。この国の人々が持っている加護について教えてもらえませんか?」俺は、俺は自分が持っている加護のことについて王様がどう考えているか知っておく必要があったから 王様「ええ、良いでしょう。私達が持っている加護は全部で4つあり、1つ目は『加護』この加護はこの世界で生きる全ての人間が持つ加護であり、加護の種類によって効果が異なります。2つ目は『精霊使い』3つ目は『治癒』この3つの加護は、それぞれ違う人間に与えられ、同じ人間に与える事ができないと言われています。しかし、この加護を使える人間が死ぬ前に加護を与えた人物が加護を与える前の人物から加護を貰った場合は例外になるのです。そして最後の加護の力は『加護』です。加護の効果は主に、魔物と戦う時に有利になり、加護を授かった人間の身体能力や魔力量が飛躍的に上昇するという効果があるとされているのです。また。これらの力はこの世界に生きている人々の誰もが持っていて、そして加護を宿していない人は、生まれながらに持っている能力では無い為か、成長して強くなるにつれて。その強さや速さが増したり。特殊な能力を手に入れたりします。つまりこの国に暮らす人々に加護が与えられていない者はいません」

俺は王様の説明を受けて俺は王様とこの国の民が加護によって得ている恩恵を詳しく教えてもらうことにしたんだ 俺は王様と王様の娘である姫様にこの国の民たちが持っている能力の事を聞いて、そして俺自身の加護が、俺に与えてくれる力を王様から聞いて、王様が言っていたこの国の民達に与えられる恩恵が俺が想像していた以上の物であることを知り、俺がこの国の人達を幸せにしてあげることが出来たら俺は凄く嬉しく思えると思ったんだ。


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異世界の召喚術士 〜チートスキルは付与で!?︎異世界から来ました!助けて下さい!〜 あずま悠紀 @berute00

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