暇な時は何してる?
診療放射線技師というのは、単独で行う業務ではない。
つまり医師による撮影の依頼がないと仕事はない。
依頼は照射録とか撮影依頼書と呼ばれる伝票がやって来て、その指示通りに撮影する。
この伝票には患者さんの氏名、年齢、日付、撮影部位、依頼した医師の名前など医療法で決められた必要事項を記入していなければならない。
医師名は直筆でフルネームと決められていて、急いで書いたものなどは『これ、文字か?』読めないものもある。
たまに患者さんが「ついでに腰も撮ってくれんかのぅ?」と言ってくるが、これはダメ! 医師の指示がなければ撮影できない。
では、依頼がこない時は何をしているか?
雑務、日々の業務の改善や工夫、雑談、読書(仕事とは関係ない本もある)居眠り、ネットサーフィンなど。
以前勤めていた病院は、よくコーヒーを飲んでたわいもない話をしていた。
朝、始業前に一杯、仕事がひと段落して飲む、昼休憩前に飲む、昼からの診察前に飲む、仕事がひと段落して飲む、最後就業時間前に飲んでいた。
これ以外にも放射線科は溜まり場となっていて、医師や理学療法士、看護師、用度担当者などがやってくるとコーヒーを入れ雑談をしながら飲んでいた。
よくこれだけ飲んでいたものだと思う。だがあの時はなぜか飲めた、インスタントのコーヒーが美味しかった。
カフェイン中毒?
某大手企業の工場内にある診療所で働いていた先輩がいた。
ここでの業務は職員の健診のみで、健診シーズン以外はほぼ仕事はなし。
「毎日が修行だ。」
「しゅ……修行ですか?」
「ああ、ずっと白い壁を見て過ごす修行。」
「せ……先輩、大丈夫ですか?」
「白い壁もなぁ、ずっと見てると、何か動いているものが見えるんだ……」
「先輩……やばいですよー。」
「天井の模様もなぁ、人の顔に見える……」
「せんぱーい、ダメですよ、それー。」
その後、仕事がない時は、工場勤務を手伝うようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます